金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

19

新聞購読のお申込み

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く
セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

研究開発が新たな道

 リーマン・ショック以降需要が回復しているものの、これがいつまで続くのか。自動車の電気化やインターネットの技術革新が産業構造にどんな影響を及ぼすのか。それが、日本の金型メーカーの多くの経営者が抱く未来への漠たる不安ではないだろうか。どうすれば未来の扉は開くのか。異材成形やアッセンブル成形など独特な成形工法の金型を手掛けるセントラルファインツールの三宅和彦社長に聞いた。

ロボで加工を自動化

三宅社長

三宅社長

ー日本の金型メーカーが勝ち残るためには。
 研究開発と生産効率向上に取り組むことが今後、極めて重要になると感じています。今までに無い金型を生み出し、最新技術を駆使し生産技術を高める。『どのような金型を創り、どのように金型を造るか』。それを徹底し追求することだと思います。

ーそれは何故ですか。
 労働コストの安い中国に仕事が流出したり自動車の電気化で求められる技術が変わったり。この十数年で金型メーカーの経営環境は大きく変わりました。『早く安く造る』、『高精度の技術を磨く』だけでは競争力が高まらなくなりつつある。金型はあくまで製品を造る道具。ですから時代のニーズに合わせて取り組みを変えないといけない。

ーセントラルファインツールではどういった取り組みを。
 20年ほど前から、樹脂とシリコンなどを成形する異材成形や、樹脂と金属などの部品を一体成形するインサート成形、部品の成形と組み立てをするアッセンブル成形といった金型の開発に挑んできました。異なる材料や複数の部品を一度に成形、組み立てることで生産コストを削減し、時間を短縮できる。当社で複合成形と呼ぶこの技術を研究し続けてきました。

複合成形品

複合成形品

 
ロボットを導入

ロボットを導入し加工を自動化する計画

ーその成果は。
 自動車をはじめ様々な分野で活用され、事業を伸ばす原動力となってきました。それに研究開発によって新技術が生まれることが多々あります。

ー生産技術における取り組みは。
 いま進めているのが、加工と測定の自動化です。ロボットでマシニングセンタにワークを供給、加工し、機上または別の計測器で測定する。加工と測定のプロセスで人の介在を最小限にする。これが今年の目標です。

 その一方、測定技術で注目しているのがカールツァイスのX線CT。X線を透過させ成形品内部の寸法評価ができ、従来のようにインサート成形品の異材の境界面などを測るために切断する必要がありません。

カールツァイスのX線CT METROTOM

カールツァイスのX線CT
METROTOM

 それに成形品の内部に発生したマイクロバブルの大きさや位置も正確に把握し成形品の強度不良の原因を検証することもできる。うまく活用すれば金型開発の効率や技術力を大幅に高めることができるかもしれません。

ー将来の目標や戦略は。
 金型と成形の技術をトータル提案できるコンサルタント会社。日本ではそれぞれ専業が手掛けることが多いですが、最終製品メーカーが求めているのは品質の良い成形品です。金型だけでなく成形の技術的な相談にも対応することが時代のニーズだと感じています。

 それと得意分野に特化すること。日本の金型メーカーはこの10年で約2千社が廃業し、現在約7800社。型種や大きさ、得意な分野で絞り込むと造れる社数が限られている。逆にその分野での存在価値が高まっている。ですから得意な分野の技術をより一段と磨く。それが未来を拓くカギだと思っています。

金型新聞 平成30年(2018年)4月16日号

関連記事

【鳥瞰蟻瞰】福井精機工業社長・清水一蔵氏「これからの金型の価値は、生産技術支えるプロデュース力」

金型の価値が変わる これからの価値とは、生産技術支えるプロデュース力  高度な技能や経験、専門知識がなくても金型が作れる環境になってきました。なぜなら、これまで職人技と言われた金型加工は工作機械や切削工具などの発達によっ…

顧客の成功考え、最適な提案 小林貞人氏(GFマシニングソリューションズ社長)【この人に聞く】

GFマシニングソリューションズ(横浜市神奈川区、045・450・1625)は今年8月、AM事業部長の小林貞人氏が社長に就任した。放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛ける同社は今後、日本の金型業界…

TMW 切削工具メーカーと挑む金型製造の効率化【Innovation〜革新に挑む〜vol.1】

自動車向け大型プラスチック射出成形用金型メーカーのTMWが、金型製造の効率化に向けた取り組みを進めている。販売代理店も務めるクランプシステムや、5軸加工に対応した最新の切削工具などを活用し、加工時間や段取り工数の短縮、5…

瑞穂工業 新社長 大澤史和氏に聞く

超硬工具や各種超硬素材の製造販売を手掛ける瑞穂工業(大阪市西淀川区、06・6471・4721)は4月、大澤史和氏が代表取締役社長に就任し、新たな船出を迎えた。同社は1944年創業以来、超硬工具や金型の製造に携わり、独自の…

この人に聞く2016 <br>C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

この人に聞く2016
C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

開発やサポートを強化 金型業界を支え続ける存在に  金型用CAD/CAMメーカー、C&Gシステムズの業績が回復を続けている。グラフィックプロダクツとコンピュータエンジニアリングが合併してから6年間の年平均成長率が9%を超…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト