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三菱重工工作機械 佐郷昭博氏に聞く
高精度金型向けマシン
段差ゼロ、誤差ゼロへ

三菱重工工作機械が金型加工向け販売を強化している。小型機から5面加工機までラインアップを揃え、より高精度を求められている金型をターゲットに、最適ソリューションを提案する。その背景、今後の展開を佐郷昭博取締役トータルソリューション事業統括に聞いた。

三菱重工工作機械 佐郷昭博氏ー今後の日本の金型業界をどのように見ていますか。
自動車の軽量化を背景に、ハイテン材など成形が難しいプレス金型の需要が増え、今後ますます増加するでしょう。電気駆動の自動車の普及により、駆動用電池のセパレータ、モータコアといった高速・精密成形を実現する金型の需要も増加する。LEDのリフレクターやコネクター等電子部品も含め、これらは公差が厳しく高精度な金型を必要とするため、日本の金型メーカーの得意分野であり、日本の金型が必要とされます。

ー貴社のマシンは、その高精度金型の需要に応えることができる。
そうです。当社工作機械は歯車機械のほかに、建設機械、エネルギー、航空機関連など大物部品加工向けの大型汎用機械が中心でしたが、ラインアップ強化のため、2006年に加工境界面段差±2μ以下を実現する小型精密加工機「μ(マイクロ)V1」を開発。Z方向に食い込まずプログラム通りに高速回転で安定して加工できることをコンセプトにしました。独自の主軸内部の冷却と軸受への特殊ジェット潤滑により、短時間の暖機運転で主軸の熱変位を飽和安定させ、主軸が回転と停止を繰り返しても、刃先位置をμオーダーで安定させることができます。微細精密加工において当社は後発で未だに認知度が低いのは否めませんが、導入されたお客様は、精度や使い勝手にご満足頂いており、リピーターになって頂いてます。

ー「μV1」が期待に応えているということですね。
昨年は、大形高精度加工機「MVR・Fx」(門形)を投入しました。

大形の高精度金型向けに開発しました。「μV1」で確立した高精度技術を発展させ、大形門形機に初めて適応した戦略機種です。コンセプトは“ゼロへの挑戦”で、段差ゼロ、形状誤差ゼロ、手仕上ゼロを狙っています。今年度10台の販売を目指します。

ー「μV1」と同様の「主軸内部冷却機構」をはじめ数々の高精度化技術を搭載しました。
高精度ユニバーサルヘッドを開発し、「主軸内部冷却機構」を搭載しました。機械本体の物理的な熱変位を抑え込み、制御による補正では到達できない精度を実現しています。さらに、撮像式工具刃先位置測定システムを搭載すれば、工具が回転している状態でも、工具先端位置を測定することができ、徹底的に高めた機械剛性との組み合せで工具の安定状態を維持して、一段と高いレベルでの高精度加工を実現します。

昨年発売した「μV5」も「μV1」と同じ思想で開発しました。最大ワークサイズは1050×700×450㎜で、「μV1」の兄貴分になります。既存のLH250と合せて、小型から大型の金型に対応できるようライアンアップしています。今後も安心(安全)と高精度、スピードをキーワードに拡充していきます。

ー安心は大切な要素ですね。
私たちは、最も要求精度が厳しいと言われる日本の金型業界に受け入れられ、評価されることを目標としています。それには確実にお客様に喜ばれる技術開発をしていかなければなりません。そういった取り組みを続け、新しいものをご提案することで、金型業界のお役に立てると確信しています。

金型新聞 平成30年(2018年)6月8日号

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