金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

02

新聞購読のお申込み

DMG森精機 金型エクセレンスセンタが始動
5軸加工機を販売強化

加工から計測まで提案

 DMG森精機は5月22日、伊賀事業所(三重県伊賀市)で行われた「伊賀イノベーションデー2018」で、金型専門チームの『金型エクセレンスセンタ』を立ち上げ、5軸加工機の販売を強化する。金型分野において5軸加工の強みと加工から計測までのトータルソリューションを提案し、顧客の生産性向上を図る。

 金型エクセレンスセンタは、同社エンジニアリング本部の5軸コンペテンスセンタといわれる5軸加工専門チーム内に設けられ、専門スタッフ6人が所属する。活動拠点は伊賀事業所グローバルソリューションセンタで、5軸加工機やシボ加工に使われるレーザ加工機など6台を展示し顧客提案を行う。

 グループ長の萩野重一氏は「金型加工に対する5軸加工のメリットは多い」と話す。大型金型の深い部位の加工では、工具もしくはワークを傾け工具ホルダとの干渉を回避し、短い突出し量で最適な切削条件での加工が可能となり、加工精度の向上や加工時間の短縮につながるほか、多面のワンチャッキング加工や加工ワークの機上計測で段取り替えの削減を推奨する。また、「エンドミルの長寿命化や面品位の向上で磨き時間など後工程も時間短縮できる」と、その効果を強調する。

 ある大型のプラスチック金型メーカーは5軸加工で切れ刃全体を使うことで加工に使用する工具本数を減らし、放電レスや磨き時間の短縮を実現させた事例もある。また、「機械操作や加工プログラムに不安を持つユーザーは多い」とし、加工技術者の育成を行うDMG森精機アカデミーでは1週間のユーザー向け講習を設けるなど、サポート体制も充実。

 日本の金型市場について萩野氏は「数年前から自動車の外装・内装部品の大型化で設備投資の案件が増加した」と語る。同じく金型エクセレンスセンタを設ける同社のドイツでは自動車向けの大型金型が活況で、豊富な加工機ラインアップと社内やグローバルで得た加工ノウハウを活かし、加工プログラムから機上計測までトータルソリューション提案を強化する。「5軸だと機械干渉を避ける必要があり、治具提案もソリューションの1つ」と自信を見せる。同社はインターモールド名古屋に出展。『5軸とレーザを融合させた最新の金型加工』をテーマに、様々な加工を披露する。

金型新聞 平成30年(2018年)6月8日号

関連記事

丸順 22年3月期第3四半期決算

コロナや半導体不足 逆風下で売上増加 丸順の2022年3月期第3四半期の連結売上高は、前年同期比2.1%増の316億1300万円となった。営業利益は同34.4%減の19億6800万円、経常利益は同31.6%減の19億80…

MOLDINO インサートサイズ拡充

高送りラジアスミル MOLDINO(東京都墨田区、03-6890-5101)はこのほど、アルファ高送りラジアスミル「TR4F形」のインサートサイズを拡大し、「TR4F5000形」を発売した。従来の12タイプから15タイプ…

設計自由度高めた3D造形技術 大陽日酸【金型テクノラボ】

金属3Dプリンタが試作造形や最終製品にとどまらず、金型づくりでの採用も進んでいる。活用が広がる一方、多くのプリンタで課題とされるのが、オーバーハング部を支えるサポート部への対応と、熱効率を最大化するための大口径化だ。本稿…

ダイジェット工業 高能率に肩削りできる刃先交換式カッタを発売

SIC‐EVO ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)は、片面2コーナーの三次元インサート使用により、切削抵抗を低減し切りくず排出性にも優れた肩削り加工用刃先交換式カッタ「SIC‐EVO(SSV形)」…

【金型テクノラボ】倉敷機械 AI活用による金型・加工見積の自動化

金型・部品加工の見積作成における最大の課題は、相応の専門知識がないと見積作成が困難であるという点だ。そのため、熟練者の経験への依存度が高く、さらに加工業者間での金額差異の問題も発生している。これらの課題に対して、半自動化…

関連サイト