シミュレーション、AIで効率化 デジタル変革(DX)の実現は近年の金型製造現場における最大の関心事の一つ。労働人口が減少する中で生産性を向上させるためには、人工知能(AI)やシミュレーションなどのデジタル技術を活用するこ…
カールツァイス X線CT「METROTOM」
金型修正の時間短縮
X線で樹脂成形品の形状や内部を計測し製品図面との誤差を金型図面にフィードバック。そんな類の無い方法で金型修正の時間短縮を提案する装置メーカーがある。3次元測定機などで世界的に知られるカールツァイス(大阪府吹田市、06・6337・8031)だ。日本ではいまだ馴染みが薄いが、競争力を高める新たな技術として注目されている。
成形品の形状・内部を計測
要求される品質に近づけるため金型の修正に手間が掛かる。そんな悩みを抱える成形品や金型メーカーは少なくない。その大きな理由の一つは試作品の寸法や形状、内部の状態を正確に把握できていないためだ。
カールツァイスが提案するのはX線CT装置「METROTOM」を活用し、そうした金型修正時間を大幅に短縮するというもの。METROTOMの特長は医療検査などで使われるX線を用いること。成形品を360度回転させてX線を当て、あらゆる部位の寸法や形状を測定する。
X線は樹脂などを透過するため、凹凸が連なる複雑な形状や、非接触式3次元測定機でプローブが入り込めない狭い部位の測定もできる。その測定精度は最も小型の「METROTOM800/130kV」で「2・9μm+L/100」だ。
X線を用いることで内部の状態も把握できる。成形品はガスや異物が混じり品質不良になることがあるが、その位置や大きさを的確に確認できる。非鉄金属やガラスなども透過するためインサート成形したアルミ部品との境界面やガラス繊維の配向を調べることも可能だ。
その測定した点群データを製品図面と照合し、凹凸や歪みの誤差を確認。金型図面にも照らし合わせて誤差が無くなるように調整し、その指示をCAMに落とし込むことで金型修正の加工プログラムが完成する。
大きさや形状でばらつきはあるが、手の平サイズの成形品で測定時間は数分、変更が少なければ1時間程度で補正できるという。また発見した内部の気泡や異物は最適な成形条件を導く目安にもできる。
近年、自動車や電機製品の部品は軽量で高強度の特殊な樹脂が使われたり、樹脂と繊維強化プラスチックを一体成形したりする手法が用いられる。アッセンブル成形など独特な成形工法の金型を手掛けるセントラルファインツールの三宅和彦社長はMETROTOMの魅力についてこう話す。
「寸法や形状の計測結果を数値化でき、内部の状態を知るために成形品を切断する必要が無いこと。活用することで金型開発の技術力を高めることができるかもしれない」。
カールツァイスはX線CTによる受託測定もしており最近、利用する企業が増えているという。6月に名古屋で開かれたインターモールド名古屋ではX線CTや受託測定に加え、マルチセンサ測定機や非接触デジタイザなどによる金型修正のトータルソリューションをアピールした。
X線CTや測定機の国内販売を統括する久保田雄志マネージャーは「測定のデジタル技術は進化し続けている。より多くの成形品や金型の技術者に当社の測定技術を活用して貰うことで、日本のものづくりの成長に貢献したい」。
金型新聞 平成30年(2018年)7月4日号
関連記事
発注書などの添付可能 生産管理システムを手掛けるテクノア(岐阜市、03・5649・3211)は個別受注型機械・装置・金型向けの生産管理システム「TECHS‐S」の最新バージョン(Ver.6・4)を発売した。電子メールク…
ムトー精工はこのほど、岐阜県各務原市の本社工場の近くに新工場向けの用地を落札したと発表した。増加する電動車向けの受注増加に対応する。工場の着工や規模などは今後詰める。 岐阜県各務原市が進めている工業団地の用地2万2724…
自動化への投資を積極的に行う金型メーカーが増えている。人材不足が顕著になり、働き方改革など長時間労働を是正する動きが増えるなかで、生産性を高めるには自動化が不可欠だからだ。これまでのオートルーツチェンジャー(ATC)や…
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…






