金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

04

新聞購読のお申込み

迫る人材不足 自動化投資待ったなし
ロボやAGVなど多様化

 自動化への投資を積極的に行う金型メーカーが増えている。人材不足が顕著になり、働き方改革など長時間労働を是正する動きが増えるなかで、生産性を高めるには自動化が不可欠だからだ。これまでのオートルーツチェンジャー(ATC)やオートワークチェンジャー(AWC)などを活用した工作機械の稼働率を高める動きに加え、近年ではロボットを活用したり、自動搬送車(AGV)を導入したりするなど、自動化も多様化している。自動化投資を積極的に続ける現場を取材した。

自動搬送ロボットが動く三豊機工の工場内

 「採用には本当に苦労している。新卒は大半が大手ユーザーに行く」。中部地区の超大手の金型メーカーが嘆くほど、金型業界も人材確保は難しい。今年8月の全国の有効求人倍率も1・63倍と高止まりしており、少子高齢化が進む中で、人材の悩みは改善しそうにない。そんな状況が続く中、生産性を高めるために、自動化投資を行う金型メーカーが増えている。

 ランプなどのプラスチック金型を製造する名古屋精密金型(愛知県知多郡)が取り組むのは機上測定を活用した生産性の向上だ。最近導入した大型マシニングセンタに機上計測機を搭載。これまで人が行っていた測定作業を自動化するとともに、測定することで加工後の「戻り」を減らす。

 冷間鍛造金型の日新精機(埼玉県春日部市)では機械加工の自動化を進める。多品種少量でも夜間運転ができるようにATC搭載の放電加工機などを導入。これまでの電極作成の効率をほぼ倍増させた。昨年にもAWC付きの高精度5軸機を導入し、夜間の電極自動加工を進めている。

 こうした機械加工での自動化に加え、最近ではロボットやAGVを活用した自動化の動きも金型業界で広がってきている。

 冷間鍛造用金型の三豊機工(愛知県春日井市)では、自動搬送ロボットを2台導入。決められた時間に巡回するものと、呼び出しに応じて動くものを使い分けている。目的は人の移動を減らすこと。舟橋佳孝社長は「無駄な運搬を減らせば人は持ち場を離れず、加工に専念できる」と話す。

 ロボットの活用で付加価値を生み出そうとしているのが、CFPと呼ばれる板鍛造技術メーカーのサイベックコーポレーション(長野県塩尻市)だ。同社は、双腕型協働ロボ2台、多関節6軸ロボ6台を導入し、既に、医療部品向けの自動化を実現している。平林巧造社長は「詳しくは言えないが、これまでの金型とプレス技術に自動化で価値を付加できるよう現在研究している」という。

 人手不足が加速するなか、いかに人を介さず生産性を上げるかー。自動化への工夫がこれまで以上に金型づくりでの課題となってきそうだ。

金型新聞 平成30年(2018年)10月10日号

関連記事

厳しい精度要求に対応
三井精機工業

5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex55XⅢ」 三井精機工業の公式ホームページは、こちらから 現場の課題  付加価値の高い加工部品の仕上げ加工は、精度要求が厳しい。加工機には、機械本体の剛性向上に加え、主軸性能やク…

松浦機械製作所 造形時間短縮できる金属3Dプリンタを発売

松浦機械製作所(福井県福井市、0776-56-8100)は、金属積層造形と切削加工ができるハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEXAvance‐25」を改良し発売した。従来機と比べて造形時間を短縮したほか、さらなる長時間…

―スペシャリスト―吉備NCグループ<br>極める精密放電

―スペシャリスト―吉備NCグループ
極める精密放電

障害者を技術訓練 ±1ミクロンの要望に応える 手掛ける領域「何でも」 経済産業省の統計によると、2013年の金型メーカーの事業所は15年前に比べ、6割強の8000社程度にまで減っている。金型の供給力低下も問題だが、それ以…

光洋メタルテック 新鍛造ラインを確立

リードタイム短縮、工数低減 ジェイテクトのグループ会社、光洋メタルテック(三重県伊賀市)は、従来の縦型熱間プレス工法で実現できない複雑な形状を全自動の鍛造プレスローリング工法でAT車用多段変速機に使用される遊星ギヤリング…

ナノレベルの微細加工
安田工業

マイクロセンタ「YMC430Ver・Ⅲ」 安田工業の公式ホームページはこちらから 現場の課題  半導体や医療機器、光学機器をはじめとする分野の金型は近年、より精密、微細で、一段と高い精度が求められている。 提案・効果  …

トピックス

関連サイト