金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

17

新聞購読のお申込み

ホットスタンプ専用材種 「DHA︲HS1」発売
大同特殊鋼

 大同特殊鋼はホットスタンピング専用の金型用鋼「DHA—HS1」を開発、販売を開始した(写真)。熱伝導性を高め成形サイクルを向上させるとともに、高硬度化や軟化抵抗を大きくすることで、金型の長寿命化を図った。

 ホットスタンピングは、高温に加熱した板材を金型内で成形し、冷却することで1Gpa以上の高い強度が得られる。800℃超まで加熱された鋼板を、金型で200℃以下に急冷するため、材料には高い熱伝導性が求められる。

 今回開発した材種は室温で約36(W/m・K)という高い熱伝導性を実現。従来使われていたSKD61に比べ「1・5倍くらいの熱伝導性で、820℃から200℃に冷却する時間を35%削減した」(工具鋼事業部企画開発部の井上幸一郎部長)という。

 もう一つホットスタンプで求められるのは耐摩耗性。新材種はSKD61より硬い54HRCという高硬度化を図り、対摩耗性を高めた。さらに「熱による軟化抵抗がSKD61に比べ約10倍」(井上部長)を確保し、熱を加えても柔らかくなりづらく、金型の長寿命化につながる。

 自動車の軽量化をめぐり、超ハイテン材の採用が増えているが、日本では冷間プレスで成形することが多い。一方、ホットスタンピングは欧州を中心に拡大してきた。しかし、近年では、スペインのプレス部品メーカーのゲスタンプが日本に工場を設けたり、日本のプレスメーカーでもラインを構築したりするなど、ホットスタンピング広がりつつある。

金型しんぶん 2019年6月7日

関連記事

ナノレベルの微細加工
安田工業

マイクロセンタ「YMC430Ver・Ⅲ」 安田工業の公式ホームページはこちらから 現場の課題  半導体や医療機器、光学機器をはじめとする分野の金型は近年、より精密、微細で、一段と高い精度が求められている。 提案・効果  …

高精度な金型加工に不可欠 ツール測定・管理

高精度に金型を加工するために不可欠なツールの測定や管理は従来、熟練技能者によって行われてきた。しかし人手不足や生産性向上を背景に、製造現場の自動化ニーズは高まっておりロボットを活用したツールプリセッタや機上測定などが登場…

豊田自動織機 NCシミュレーションの効果的な運用手法【金型テクノラボ】

近年、金型や部品加工における加工効率を向上する「NCプログラムの送り速度を最適制御するソフト」が注目されている。当社もCGTech社製「VERICUT Force」を導入。これを最大限活用するための効果的な運用手法につい…

ユニオンツール 超硬や硬脆材の荒加工向け多刃仕様エンドミルを発売

ユニオンツールはこのほど、ダイヤモンドコーティングを採用した、多刃仕様のロングネックラジアスエンドミル「UDCRRS」を発売した。自動車やコネクタ関連で増えている超硬合金の荒加工に適している。 独自開発のUDCダイヤモン…

【ウェブ限定】平面研削盤「SGS‐75」を開発<br>ナガセインテグレックス

【ウェブ限定】平面研削盤「SGS‐75」を開発
ナガセインテグレックス

小型・高精度を実現 リーズナブルな価格で提案  ナガセインテグレックス(岐阜県関市、0575・46・2323)は、金型プレートや精密部品の加工に最適なコラムタイプの高精度平面研削盤「SGS‐75BLD2‐Neo3」が好評…

トピックス

関連サイト