金属3Dプリンタを用いた金型製作は、冷却水管の自由設計や複合工作機械による製造工程の短縮など、航空宇宙や医療と並ぶ3Dプリンタの特長が活かせる有力な分野だ。本稿では、3Dプリンタによる微細穴の造形技術を応用し、内部から離…
ホットスタンプ専用材種 「DHA︲HS1」発売
大同特殊鋼

大同特殊鋼はホットスタンピング専用の金型用鋼「DHA—HS1」を開発、販売を開始した(写真)。熱伝導性を高め成形サイクルを向上させるとともに、高硬度化や軟化抵抗を大きくすることで、金型の長寿命化を図った。
ホットスタンピングは、高温に加熱した板材を金型内で成形し、冷却することで1Gpa以上の高い強度が得られる。800℃超まで加熱された鋼板を、金型で200℃以下に急冷するため、材料には高い熱伝導性が求められる。
今回開発した材種は室温で約36(W/m・K)という高い熱伝導性を実現。従来使われていたSKD61に比べ「1・5倍くらいの熱伝導性で、820℃から200℃に冷却する時間を35%削減した」(工具鋼事業部企画開発部の井上幸一郎部長)という。
もう一つホットスタンプで求められるのは耐摩耗性。新材種はSKD61より硬い54HRCという高硬度化を図り、対摩耗性を高めた。さらに「熱による軟化抵抗がSKD61に比べ約10倍」(井上部長)を確保し、熱を加えても柔らかくなりづらく、金型の長寿命化につながる。
自動車の軽量化をめぐり、超ハイテン材の採用が増えているが、日本では冷間プレスで成形することが多い。一方、ホットスタンピングは欧州を中心に拡大してきた。しかし、近年では、スペインのプレス部品メーカーのゲスタンプが日本に工場を設けたり、日本のプレスメーカーでもラインを構築したりするなど、ホットスタンピング広がりつつある。
金型しんぶん 2019年6月7日
関連記事
著者は研削加工中、研削砥石に曲げ振動が生じていることを発見した。この振動から生じる微小な音(本研究では曲げ振動音と呼ぶ)をマイクロフォンにより測定することで加工状態の良否を識別できる技術を開発。その結果、ドレッシングイン…
高速・高精密積層加工を実現 ジェービーエムエンジニアリング(大阪府東大阪市、06-6744-7331)は積層専用CAM「ADDITIVE MASTER LUNA」に、新機能「リアルタイムプロセスコントール」を追加した…
プラスチック製品を射出成形金型から突き出す際に生じる離型抵抗は、製品に変形や破損を引き起こすため、様々な抑止方法が提案されている。この抑止方法を検討する際には離型抵抗の定量的な評価が重要となる。本稿では、離型抵抗を評価す…
リードタイム短縮、工数低減 ジェイテクトのグループ会社、光洋メタルテック(三重県伊賀市)は、従来の縦型熱間プレス工法で実現できない複雑な形状を全自動の鍛造プレスローリング工法でAT車用多段変速機に使用される遊星ギヤリング…


