経験による予測が不可欠若い人は好奇心旺盛であれ新しいことに挑戦して 日本の金型はますます難易度が高くなる一方、若手が基礎を学び、簡単なことから経験し、成長していく土壌が失われつつあります。だからこそ、過去の経験や技術を伝…
この人に聞く
日本デザインエンジニアリング岩壁 清行社長
「設計の効率化は業務フロー全体を見直さないと意味がない」。そう話すのは、日本デザインエンジニアリングの岩壁清行社長。同氏は長年自身も金型づくりに携わり、近年ではフィリピンで設計支援を手掛ける。また、20年以上前から、日本金型工業会の東部支部で設計の効率化などを推進するシステム研究会のリーダーを務めている。金型も設計も熟知する同氏に、型設計の効率化を進める上での課題やその手法について聞いた。
設計効率化は会社改革
日本デザインエンジニアリング社長、NDE DIGITECH,INC(フィリピン)社長、1958年生まれ、東京都出身。日本金型工業会では、理事、国際委員会 委員、技術委員会委員、金型生産システム研究会 代表幹事を務める。

日本デザインエンジニアリング社長、NDE DIGITECH,INC(フィリピン)社長、1958年生まれ、東京都出身。日本金型工業会では、理事、国際委員会 委員、技術委員会委員、金型生産システム研究会 代表幹事を務める。
全体最適を意識すべき
設計の効率化を課題にする金型メーカーは多い。
確かに、3次元(3D)CAD/CAMの導入が進み、2Dの時代から比べると設計作業自体は便利にはなってきた。しかし、設計だけの改善を考えるから、金型製造全体の効率化にはつながらない。
どういうことか。
例えば設計データを3D化しても、加工や組み立て現場が2D図面を求めれば図面を起こす作業が増える。外注のための2D作図が発生するし、3D設計データができても自動で部品発注まで行っていないなど、企業や型種によって異なるが、金型加工全体の効率化するには、設計だけでなく、こうした小さな課題の多くの「丘」を乗り越えなければいけない。設計という部分最適でなく、加工プロセス全体を最適化する必要があると思う。高機能なCAD/CAMを入れたら終わりではない。うまく進めている企業も実際には、改善にかなり時間をかけている。

どう進めるべきか。
まずは、設計業務のフローチャートを作成することは必要だ。どの工程で、どんな情報が必要で、そのためにはどんな設計をするべきか。それが分からないと先に進めない。金型ノウハウを熟知した技能者と、金型を知らなくてもITスキルの高い(頭の柔らかい)若者を組ませることも一つの方策だと思う。技能者の頭の中にあるプロセスや考えを明確にできればいい。いずれにしても、3Dが主流の金型づくりには会社全体のITリテラシーの向上が必要だ。
設計者に時間を与えよ
他には。
設計者に時間を与えるべきだと思う。ソフトの新しい機能やスキルを学ぶ時間は当然だが、なぜ3D化が必要なのか、設計プロセス全体を俯瞰的に考えてもらえる時間を与えるべきだ。
しかし、人手不足で余裕がない企業も多い。
協力企業を使うのもの一つだと思う。基本設計や構想設計を自社で行い、3D化を協力先に分担してもらってもいい。3Dで部品やベースを発注できるサービスを使うことも必要だし、人の配置の工夫も重要だ。2Dの時代は現場で微調整ができたが、3Dではそうはいかず、今の金型づくりは設計者への負担が大きい。そうした負荷を見直すことも大切だろう。
人手不足が進む今、1社では限界があるのかもしれない。金型メーカー同士がネットワークを組み、負荷を分け合うなど、新たな取り組みが必要かもしれない。
金型しんぶん 2019年11月10日
関連記事
金属3Dプリンタを使った金属積層技術(AM技術)は様々な分野で広がっている。代表的なものは航空宇宙、医療、自動車で、さらに多方面へ拡大することは間違いない。そこで金属3Dプリンタを活用した次世代の金型づくりの可能性を探…
Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション…
ユーザー視点の型づくり樹脂とプレス技術の融合 成形メーカーだった、いがり産業が金型製作に着手したのは2004年。10年以上経て、今や金型の外販が売上の7割以上を占めるまでに成長した。成形メーカーという利点と生かし、ユーザ…
自動車の電動化に商機 「日本に残る分野に経営資源を投下していく」。そう話すのは「エバーロイ」ブランドで知られる、超硬材料メーカーの共立合金製作所の池田伸也超硬事業部長。同社が国内で伸びると判断するのは、①大型の超硬材料…


