金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

02

新聞購読のお申込み

金型なしでパネル成形
日産自動車

 日産自動車はこのほど、金型を使わずにボディパネルなどのプレス部品を成形できる「対向式ダイレス成形」を開発した。2台のロボットと特殊な工具を使い成形していく方法で、少量生産に適しており、アフターサービス部品や補修部品での採用を見込む。3次元データとロボットがあれば成形できるので、型保管の減少にもつながる。

補修に対応、型保管減らせる

ロボットで工具を押し当て鋼板を成形する

 対向式ダイレス成形は「インクリメンタル成形」技術を進化させたもので、2台のロボットの間に鋼板を設置し、両側から特殊な工具を押し当て、徐々に成形する。

 実用化が難しいとされてきたこの技術を可能にしたのは自社開発した工具と、制御技術や加工パスのプログラムだ。工具(写真)は表面にダイヤモンドコーティングを採用し、摩耗の抑制とドライ加工を可能にした。

工具

 両側から2本の工具を最適に制御する技術も確立。加工プログラムも成形時に発生するスプリングバックを自動で補正するなど「プレス成形予測技術やノウハウを盛り込んだ」(冨山隆アライアンスグローバルダイレクター)ことで、高精度で面精度の高い成形を可能にした。現状では加工できる材料はスチールだけだが、アルミやハイテン材のほか、様々な板厚での採用も目指す。

成形したリアパネル

 ターゲットとするのはアフターマーケット部品や補修部品向け市場だ。写真のリアパネルは成形に約20時間程度かかり、現状では月産100枚くらいの成形に最も適しているためだ。同社によると、旧車ユーザーからの補修部品の要求は強いが、試作型を起こすにしても、1カ月半で数百万円はかかるっていたという。しかし、同技術はロボットがあれば、治具とデータ作製費だけで済み数十万から百万円以内で成形できる。

 金型を使わず、安く早く成形できるので、型保管の減少にも期待されている。10月中旬に、経済産業省が自動車関連の部品の型保管の目安を15年程度と示したが、同技術を使えば型が不要で、補修部品を成形できるので型保管の最適化にもつながる可能性が高い。

 将来的には、同技術をさらに進化させ「成形スピードの改善などは必要だが、造形の自由度も飛躍的に向上するので、少量生産での量産ラインでの採用も狙いたい」(坂本秀行副社長)としている。

金型しんぶん 2019年11月10日

関連記事

6月の金型生産実績

6月の金型生産実績

前年同月比18.4%増の343億8,900万円 プレス型は17.8%増、プラ型は16.6%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2015年6月の金型生産実績をまとめた。それに…

精密、高精度、短納期、ニーズに応える金型材・金型部品

自動車の電動化やSDGs、カーボンニュートラルなどモノづくりを取り巻く環境が大きく変化しようとしている昨今、金型作りにおいても、さらに長寿命化や短納期、高精度といった高難易度な金型が求められている。そのためには新たな材料…

新春金型メーカー座談会
〜女性の活躍を考える〜

 製造業において、人手不足は深刻な問題となっている。困難な採用環境、熟練者の高齢化などに加え、働き方改革関連法の完全施行もあり、金型メーカー各社も対応に苦慮している。特に人手不足への対応は、生産性の向上はもとより、女性の…

【金型の底力】ファスト 自動化システムでICトレー金型を増産

ロボット活用の自動化システムICトレー金型を増産 プラスチック金型メーカーのファストは昨年、福島県相馬市に半導体製造工程で集積回路(IC)の搬送や出荷などに使用するICトレーの金型を増産するための新工場を設立した。ロボッ…

インターモールド2022 4月20からインテックス大阪で開幕

金型加工の最新技術が競演 4年ぶりの大阪開催 金型加工技術の専門展示会「インターモールド2022」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が4月20~23日の4日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催…

トピックス

関連サイト