鍛造は大きく熱間と冷間に分かれるが、重量ベースでは圧倒的に熱間が多い。成形品が比較的大きいことも理由の一つだ。一方で、金型はコストや納期の問題から圧倒的に内製率が高いという。自らも熱間鍛造部品を手掛ける、日本鍛造協会の…
金型なしでパネル成形
日産自動車

日産自動車はこのほど、金型を使わずにボディパネルなどのプレス部品を成形できる「対向式ダイレス成形」を開発した。2台のロボットと特殊な工具を使い成形していく方法で、少量生産に適しており、アフターサービス部品や補修部品での採用を見込む。3次元データとロボットがあれば成形できるので、型保管の減少にもつながる。
補修に対応、型保管減らせる
ロボットで工具を押し当て鋼板を成形する

対向式ダイレス成形は「インクリメンタル成形」技術を進化させたもので、2台のロボットの間に鋼板を設置し、両側から特殊な工具を押し当て、徐々に成形する。
実用化が難しいとされてきたこの技術を可能にしたのは自社開発した工具と、制御技術や加工パスのプログラムだ。工具(写真)は表面にダイヤモンドコーティングを採用し、摩耗の抑制とドライ加工を可能にした。

両側から2本の工具を最適に制御する技術も確立。加工プログラムも成形時に発生するスプリングバックを自動で補正するなど「プレス成形予測技術やノウハウを盛り込んだ」(冨山隆アライアンスグローバルダイレクター)ことで、高精度で面精度の高い成形を可能にした。現状では加工できる材料はスチールだけだが、アルミやハイテン材のほか、様々な板厚での採用も目指す。

ターゲットとするのはアフターマーケット部品や補修部品向け市場だ。写真のリアパネルは成形に約20時間程度かかり、現状では月産100枚くらいの成形に最も適しているためだ。同社によると、旧車ユーザーからの補修部品の要求は強いが、試作型を起こすにしても、1カ月半で数百万円はかかるっていたという。しかし、同技術はロボットがあれば、治具とデータ作製費だけで済み数十万から百万円以内で成形できる。
金型を使わず、安く早く成形できるので、型保管の減少にも期待されている。10月中旬に、経済産業省が自動車関連の部品の型保管の目安を15年程度と示したが、同技術を使えば型が不要で、補修部品を成形できるので型保管の最適化にもつながる可能性が高い。
将来的には、同技術をさらに進化させ「成形スピードの改善などは必要だが、造形の自由度も飛躍的に向上するので、少量生産での量産ラインでの採用も狙いたい」(坂本秀行副社長)としている。
金型しんぶん 2019年11月10日
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