金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

23

新聞購読のお申込み

金型なしでパネル成形
日産自動車

 日産自動車はこのほど、金型を使わずにボディパネルなどのプレス部品を成形できる「対向式ダイレス成形」を開発した。2台のロボットと特殊な工具を使い成形していく方法で、少量生産に適しており、アフターサービス部品や補修部品での採用を見込む。3次元データとロボットがあれば成形できるので、型保管の減少にもつながる。

補修に対応、型保管減らせる

ロボットで工具を押し当て鋼板を成形する

 対向式ダイレス成形は「インクリメンタル成形」技術を進化させたもので、2台のロボットの間に鋼板を設置し、両側から特殊な工具を押し当て、徐々に成形する。

 実用化が難しいとされてきたこの技術を可能にしたのは自社開発した工具と、制御技術や加工パスのプログラムだ。工具(写真)は表面にダイヤモンドコーティングを採用し、摩耗の抑制とドライ加工を可能にした。

工具

 両側から2本の工具を最適に制御する技術も確立。加工プログラムも成形時に発生するスプリングバックを自動で補正するなど「プレス成形予測技術やノウハウを盛り込んだ」(冨山隆アライアンスグローバルダイレクター)ことで、高精度で面精度の高い成形を可能にした。現状では加工できる材料はスチールだけだが、アルミやハイテン材のほか、様々な板厚での採用も目指す。

成形したリアパネル

 ターゲットとするのはアフターマーケット部品や補修部品向け市場だ。写真のリアパネルは成形に約20時間程度かかり、現状では月産100枚くらいの成形に最も適しているためだ。同社によると、旧車ユーザーからの補修部品の要求は強いが、試作型を起こすにしても、1カ月半で数百万円はかかるっていたという。しかし、同技術はロボットがあれば、治具とデータ作製費だけで済み数十万から百万円以内で成形できる。

 金型を使わず、安く早く成形できるので、型保管の減少にも期待されている。10月中旬に、経済産業省が自動車関連の部品の型保管の目安を15年程度と示したが、同技術を使えば型が不要で、補修部品を成形できるので型保管の最適化にもつながる可能性が高い。

 将来的には、同技術をさらに進化させ「成形スピードの改善などは必要だが、造形の自由度も飛躍的に向上するので、少量生産での量産ラインでの採用も狙いたい」(坂本秀行副社長)としている。

金型しんぶん 2019年11月10日

関連記事

岐阜県金型工業組合が通常総会 金型コンテストを計画

セミナーやCN対策も 岐阜県金型工業組合(加藤丈詞理事長・カトーメテック社長)は大垣フォーラムホテル(岐阜県大垣市)で第53回通常総会を開き、組合の活性化、組合員の増強、人材育成・促進を目指し、セミナー開催やカーボンニュ…

【新春特別インタビュー④】ツバメックス代表取締役・多田羅 晋由氏「緩やかな連携が進む、経営者は思考の変革を」

もっと広義な意味に 緩やかな連携が進む 経営者は思考の変革を 〜M&A・企業連携〜  1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、…

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工<br>ものづくり支える匠の技

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工
ものづくり支える匠の技

ヘラ棒と呼ばれる工具を回転する金属の板に押しあてて、滑らかな曲面や艶やかな平面に加工するヘラ絞り。品質の良い製品をつくるには、ヘラ棒を操る卓越した技術もさることながら、匠の技を受け止めることができる金型が必要だ。ヘラ絞り…

【金型応援隊】日本精密機械工作 プロに喜ばれるツールを

「徹底したプロ志向を目指した」と語るのは、日本精密機械工作の伊藤俊介社長。このほどハンドグラインダー、「リューターフレックス極 LF‐300」を発売した。 「LF‐300」は、同社の過去の人気商品「リューターフレックス」…

金型展20164月20日〜23日 インテックス大阪

金型展20164月20日〜23日 インテックス大阪

金型78社が競演 金型・成形部品など見所多い  金型展2016は、INTERMOLD2016の6号館Bゾーン、日本金型工業会のブースを中心に78社(海外7社含む)が勢揃いし、金型や金型部品、金型製作の工具・道具、成形品な…

トピックス

関連サイト