金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

04

新聞購読のお申込み

金型に押し寄せるCASE

 100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化)」の頭文字をとったもので、自動車メーカーもCASEに対応するための開発投資を積み増している。もちろん、金型需要の8割を占めると言われる自動車業界だからこそ、CASEは金型にも変化を迫る。その影響が最も大きそうな一つが電子部品だ。CASEによって、「どんな電子機器が増えるのか」、「市場規模はどうなるのか」—。電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた2030年までの電装機器の見通しから、その動向をまとめた。

ECU生産額30年に1・9倍
金型需要も増えるか

ECUの需要は増えるとみられている(図出典:JEITA)

 「自動車向けの金型を手掛ける企業はバッテリー、モータ、電子部品の3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」—。自動車メーカーと共同で燃料電池用のセパレータなどを手掛ける精密プレス金型メーカーのニシムラの木下学社長はそう指摘する。

 モータやバッテリーは、モータコアや電池向けの金型など比較的想像しやすい。一方、CASEによって広範な影響を受けそうなのが電子部品だが、多岐に亘るため、その中身は見えづらい。

 では、電子部品がどの程度で成長していくのか。JEITAが注目したのが、車の電装化で増大しているエレクトリックコントロールユニット(ECU、電子制御装置)の動向だ。ECU全体の2017年の世界生産額は9・5兆円。これが30年には約1・9倍の17・8兆円まで成長すると見通した。年率では約4・9%成長する見込みだ。

 さらに系統別に、情報系、環境対応系、ボディ系、安全系、センシング系、パワートレイン系の6つに分類(図)。なかでも、最も成長率が大きいのが、DC/DCコンバータや電力制御装置などの環境対応系のECU。17年には3000億円程度だった市場が30年には1・7兆円まで6倍近くの成長を見込む。

 次いで拡大が期待されるのはディスプレイ制御装置(HUD)などの情報系だ。1・9兆円から4兆円まで大きく成長するとみている。自動運転に不可欠な安全系やカメラやレーダなどセンシング系のECUもそれぞれ4兆円、1・7兆円と拡大すると見通している。

金型しんぶん 2019年12月10日

関連記事

【金型生産実績】2020年12月 19.7%減の305億800万円

プレス型は25.1%減、プラ型は11.9%減 2020年12月の金型生産は、前年同月比19.7%減の305億800万円となった。前月比では1.6%増加した。数量は前年同月比0.8%の微増(前月比は6.9%増)で4万953…

2023年5月金型生産実績 前年同月比 6.7%減の244億6,200万円

プレス用金型は12.8%減、プラ用金型は7.1%減 2023年5月の金型生産は、前年同月比6.7%減の244億6,200万円、前月比でも5.4%の減少となった。数量は前年同月比15.9%減、前月比では1.6%減の3万3,…

【金型生産実績】前年同月比 7.8%減の276億7,500万円

プレス型は21.4%減、プラ型は8.4%減 2021年11月の金型生産は、前年同月比7.8%減の276億7,500万円となった。前月比では8.6%減。数量は前年同月比3.4%増で、前月比でも6.4%増の3万9,614組、…

【Breakthrough!】平面研削加工

平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…

金型5月生産実績 前年同月比16.7%増の264億1900万円

プレス用金型は44.2%増、プラ用金型は3.6%増 2022年5月の金型生産は、前年同月比16.7%増の264億1,900万円と大幅に増加した。前月比では6.9%減となった。数量は前年同月比2.2%減、、前月比では4.9…

トピックス

関連サイト