プロファイル研削盤のレトロフィット ポイントナイン(東京都葛飾区、03-3693-3883)はこのほど、プロファイル研削盤の投影機をCCDカメラに乗せ換えることができる「ViewCAM‐300」を本格的に売り出す。最大…
高濃度セルロースファイバー
パナソニック
材料と成形方法を確立 
新素材で成形したワーク

パナソニックマニファクチャリングイノベーション本部はセルロースファイバーを55%以上の高濃度で樹脂に混ぜ込む複合技術と、その成形技術を確立した。素材の軽量化やプラスチックの削減、木目調の自然な外観などの利点を生かし、アサヒビールと共同でビール用カップ(写真)も開発した。強度や色彩など素材の特性をさらに高め、パナソニックの家電製品などへの採用を広げる考えだ。
一般的にセルロースナノファイバーはパルプ繊維をほぐすのに水を使用し、再乾燥させるため多くの二酸化炭素を排出する。同社では水を使わず、溶けた樹脂内で繊維をほぐし、二酸化炭素の排出も少なくて済む「全乾式プロセス」を開発した。このプロセスで製造した素材は「セルロースファイバーは直径10~20μmのものが多く、一部にナノサイズのものも含むことが特長」(マニュファクチャリングソリューションセンターの大熊崇文課長)だ。
18年には、この素材を柄の部分に採用したクリーナも発売し、従来比で1割以上の軽量化に成功した。今回はこの時よりも高い55%以上の濃度で樹脂に混ぜ込む複合技術を開発した。高い濃度ながら、白色の材料の生成を可能にし、着色の自由度も増したという。「ここまで高い濃度のものはあまりない」(大熊氏)という。
合わせて、高濃度な素材を成形する加工技術も確立。「金型、成形ともに様々なノウハウが盛り込まれている」(成形技術開発センター峯英生課長代理)ため、詳細は明らかにできないが「流動性や金型の温度管理、ガス抜きなど様々な工夫を凝らしている」(峯氏)という。
アサヒビールとカップ開発
今夏には、この55%以上の高濃度なセルロースファイバーを使ったビール用カップをアサヒビールと共同で開発した。従来のポリプロピレン(PP)を使ったカップに比べ、大幅にプラスチックの使用量削減につながった。着色剤がなくても、自然な木目調の外観や、色合いをランダムに変えて成形もできるという。
今後について、峯氏は「素材の特性を高めるとともに、独特の色合いを出したり、色むらの再現性を高めたりしていく。まずは家電製品を中心にパナソニックの製品群に提供していくが、アサヒビールのようなパートナーとも手を組み、採用を拡げていきたい」としている。
金型しんぶん 2019年12月10日
関連記事
肩削りカッタ「ショルダー6」 ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)は、建設機械や金型部品などの大物部品を、無垢の材料から高切込みの荒加工や高精度な立壁加工ができる両面6コーナ仕様の高能率肩削りカッ…
大同特殊鋼はこのほど、3Dプリンタ用金属粉末「DAP‐AM」シリーズの第3弾として、「LTX420」の販売を開始した。同製品は、プラスチック金型に適したステンレス系粉末。連続的な造形において、割れを抑えるとともに、大型サ…
三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)はこのほど、ファイバーレーザー加工機の上位機種「GX‐Fシリーズ」の性能をアップデートできるソリューションを提供していくと発表した。ユーザーは導入済みの機械本体に新技術…
自動車の電動化などによって、金属箔、樹脂フィルムへの穴あけ加工のニーズが増している。今後、量産化を実現していくためには、より高速に加工できる技術が求められている。レーザ開発ベンチャー企業のワイヤードは、金型レスによる金属…


