金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

17

新聞購読のお申込み

-混沌の時代を切り拓く- 金型メーカーの連携

金型広がる協力の輪

 金型メーカー同士や異業種、加工技術などを軸とした様々な形での連携や協業の重要性が高まっている。ユーザーの海外展開に伴うサポートや需要開拓、技術の複合化や高度化などによって、金型メーカー単独では顧客の要望に応えきれないことが増えているためだ。こうした要望に応えるため、金型メーカー同士で連携したり、異業種でネットワークを構築したり、業界団体を立ち上げたりするなど、様々な形で連携が進んでいる。

海外対応や技術の高度化
タッグ組み対応の幅広げる

埼玉県の金型メーカーなど異業種5社でつくるチーム入間のメンバー。今年で発足から11年目を迎えた

 共同受注などの連携や協業はこれまでもあったが、その重要性が増している。人や設備など経営資本に限りのある金型メーカー単独では、対応しづらいことが増えていることが背景にある。

 その一つが加速する市場のグローバル化だ。昨年の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は2755万台。そのうち海外が1834万台なのだから、海外での金型需要はもとより、補修などの対応も増えるのは当然だ。

 18年に業務提携した、プラスチック金型の伊勢金型工業と名古屋精密金型、ゴム型のエムエス製作所の3社もこの動きに対応する。相互の海外拠点を活用し、保守・メンテナンスで協力。グローバル化が進む顧客対応を最小投資で支援する。

 海外の需要開拓も単独では難しい。企業間の連携ではないが、18年に発足した、金型メーカーも参画する「微細加工工業会」は、2月にアメリカで開かれる医療系の展示会に共同出展し、海外での需要開拓を目指す。

 マルチマテリアル化に代表される技術の複合化や高度化への対応でも連携が重要になっている。アルミや樹脂、ハイテン材など複合的な知見が必要になることが多いからだ。ある鉄鋼メーカーの技術者は「どんなに優れた材料でも『使える』形にして初めて採用となる。他の材料や、接合、加工技術など、他分野の知見がより必要になっている」とし、加工メーカーと協業しているという。連携ではないが、三井化学による共和工業やアークのグループ化、東洋鋼鈑による富士テクニカ宮津の子会社化なども、素材から加工までといったこうした流れを反映しているのだろう。

 樹脂や金属など複数の発注先をまとめたいという動きも増えている。管理コスト低減や品質の安定につながるからだ。

 10年以上埼玉県の入間市周辺の加工受託集団「チーム入間」はまさにこの要求に対応する。プレス、プラスチック、ダイカストなどそれぞれ強みを持つ5社で、試作から量産を一括で請け負う提案をする。20年近い協業の歴史を持つ「京都試作ネット」も機械、金属、樹脂、ゴムなどの試作加工に特化したサービスを提供する。

 日本金型工業会の学術顧問の横田悦二郎氏「金型は設備や人が制約条件になってしまうことが多い。日本の金型業界を一つの金型メーカーと捉えれば設備も人もそろっていてもっと色んな事ことができるはずだ」と連携の重要性を話している。

金型新聞 2020年2月10日

関連記事

JIMTOF総集編 PART2:DX、デジタルツイン
加工プログラムや解析、自動で

JIMTOF2022で次世代の技術としてひときわ注目を集めたのがデジタル技術だ。IoTやAI、クラウドなどを活用し機械の稼働状況監視や加工の不具合低減に生かす。金型づくりでもデジタルトランスフォーメーション(DX)が課題…

JIMTOF総集編 PART3:自動化
人口減少時代に備える

金型業界含め国内製造業は慢性的な人手不足を抱え、加工や測定工程で自動化を図ることが大きな課題となっている。そのため、これまで複数の機械で加工していた加工工程を1台の機械に集約し、段取り工程の削減や短縮、さらに、工程間の搬…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第一部ー

変貌する経営環境 順応の精神がカギ 座談会出席者(50音順) エムアイモルデ 宮城島 俊之社長  ヘッドライトなど自動車関連が主力のプラスチック金型メーカー。従業員は5人。本社は静岡県富士市だが工場は中国蘇州にあり、日本…

金型メーカーに「働き方改革」は実現できるのか

課題多き働き方改革 働き方改革関連法案の施行から4年。金型業界でも労働時間短縮や生産性の向上など、働き方改革は進んでいるのか。現状を調べるため、本紙ではアンケートを実施した。調査からは、改革には前向きに取り組んでいるもの…

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】3.自動化

プログラム作成やワーク搬送 人手不足への対策だけでなく、品質向上の観点からも自動化ニーズは高まっており、それに対応する技術は進化している。また、プログラム作成やワークの搬送など自動化の領域が多様化している。 金型づくりで…

関連サイト