金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

18

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】ヨロズ会長・志藤昭彦氏「金型や生産設備の外販を事業の一つに」

 サスペンションやリヤビームなど自動車用プレス部品を手掛けるヨロズは2023年をめどに、プレス金型の生産能力を年1600型から2400型の1.5倍に引き上げる。生産増強に合わせて、金型を中心に生産設備の外販を始める一方、これまで内製していた金型の一部を外注するという。「金型で全てが決まる」と話す、志藤昭彦会長に狙いや今後の取り組みを聞いた。

志藤 昭彦会長
1965年日本大学経済学部卒。同年成田鉄工入社、68年萬自動車工業(現ヨロズ)入社、83年取締役、98年社長、2008年会長。2016年から2年間、日本自動車部品工業会会長を務める。1943年生まれ。

外注には「ヨロズ標準」の金型を

金型の内製を増やしてきましたが、その理由は。

 「グローバル同一品質」を実現するには金型が不可欠だからだ。金型で部品の全てが決まると言っていい。それだけ金型は重要だから、内製化を進めてきた。複数の金型メーカーから異なる金型を購入していては、その実現は難しい。また、金型から溶接や組立てまで一貫生産して初めて同時品質が可能になる。だから、金型の内製化に加え、組立てや溶接の標準化を同時に進めてきた。

 そのおかげもあって、コロナが発生した中国の武漢で、152部品を生産していたが、9割以上の138部品が世界中の他の工場で代替え生産できる体制になっている。

金型の大幅な生産能力引き上げを発表しました。

 金型を中心とした生産設備は、山形にある子会社ヨロズエンジニアリングと、タイのヨロズエンジニアリングシステムズタイの2拠点で製造している。両拠点合わせて、現在年1600型ほど製造しているが、23年には2400型まで引き上げる。そのための設備投資も相当積み増した。

狙いは。

 金型の安定調達に加え、金型や溶接、組立て、自動機などの生産設備の外販を事業の一つの柱にしていくため。金型や生産設備を外販することで、他社のものづくりや、新たな知見を学ぶのも狙いだ。新たな部品受注のきっかけにもなる。

 一方で、外販すると社内の能力が足りなくなるので、量は未定だが、内製していた金型を外注する予定だ。

金型メーカーに期待することは。

 協力先にはまずは「ヨロズ標準」に沿った金型づくりをお願いしたい。自動車の軽量化ニーズに伴い、超高張力鋼板が増え、高強度な金型が求められているので、金型の材料や表面処理などを共同で開発していきたい。

今後の自動車部品の業界をどう見るか。

 CASEによって、自動車メーカーは「走る・曲がる・止まる」といった基本性能以外の部分にも、注力せざるを得ない状況がある。当然、部品メーカーが担う領域も広がり、グローバルのメガサプライヤーの存在感が大きくなると思う。そこに対抗していくには、地域や、設備、技術面など色んな分野でのアライアンスが不可欠になると思っている。

金型新聞 2020年8月10日

関連記事

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く<br>世界で認知されるブランドに

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く
世界で認知されるブランドに

生産効率向上し、需要増に対応  耐摩耗工具メーカーとして国内トップシェアを誇る冨士ダイス。超硬合金製のダイスやロール、製缶用金型、ガラスレンズ成形用金型など耐摩耗工具に特化した事業を展開し、来年には創業70年を迎える。「…

【この人に聞く】マーポス、マルコ・ゾーリ社長

 今年、日本法人設立50周年を迎えたマーポス(東京都大田区、03 -3772-7011)。精密計測機器を手掛け、特に金型分野ではタッチプローブやレーザーによる工具やワークの計測などで、日本の金型づくりを支えてきた。近年は…

ギガでアルミのニーズ高まる 木村鋳造所 木村崇専務インタビュー

薄肉の低圧鋳造技術を強みとするドイツのグルネバルド社と提携し、砂型鋳造で、アルミの試作部品を手掛ける木村鋳造所。同社の木村崇専務は「アルミの大型試作部品は急増している」と話す。試作はいずれ量産に移行するため、金型の動向を…

【新春特別インタビュー】時代をリードする8人

 「CASE」による自動車業界の大変革は金型メーカーに大きな変化を迫ってきた。そして昨年から続くコロナ禍。リモート環境への対応やデジタルツールの活用など、変化せざるを得ない状況はさらに加速している。こうした混迷の時代に合…

関東製作所 渡邉社長インタビュー 【特集:営業ってどうする?】

デジタルマーケティングで見込客を獲得 近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件…

トピックス

関連サイト