人手不足や採用難で悩む金型メーカーは多い。対応策として海外人材や女性など多様な人材活用の重要性が指摘されている。しかし、そうした人材を生かすには職場の環境や社員の意識を変えるなど簡単ではない。プラスチック金型メーカーの東…
【この人に聞く】ヨロズ会長・志藤昭彦氏「金型や生産設備の外販を事業の一つに」
サスペンションやリヤビームなど自動車用プレス部品を手掛けるヨロズは2023年をめどに、プレス金型の生産能力を年1600型から2400型の1.5倍に引き上げる。生産増強に合わせて、金型を中心に生産設備の外販を始める一方、これまで内製していた金型の一部を外注するという。「金型で全てが決まる」と話す、志藤昭彦会長に狙いや今後の取り組みを聞いた。

志藤 昭彦会長
1965年日本大学経済学部卒。同年成田鉄工入社、68年萬自動車工業(現ヨロズ)入社、83年取締役、98年社長、2008年会長。2016年から2年間、日本自動車部品工業会会長を務める。1943年生まれ。
外注には「ヨロズ標準」の金型を
金型の内製を増やしてきましたが、その理由は。
「グローバル同一品質」を実現するには金型が不可欠だからだ。金型で部品の全てが決まると言っていい。それだけ金型は重要だから、内製化を進めてきた。複数の金型メーカーから異なる金型を購入していては、その実現は難しい。また、金型から溶接や組立てまで一貫生産して初めて同時品質が可能になる。だから、金型の内製化に加え、組立てや溶接の標準化を同時に進めてきた。
そのおかげもあって、コロナが発生した中国の武漢で、152部品を生産していたが、9割以上の138部品が世界中の他の工場で代替え生産できる体制になっている。
金型の大幅な生産能力引き上げを発表しました。
金型を中心とした生産設備は、山形にある子会社ヨロズエンジニアリングと、タイのヨロズエンジニアリングシステムズタイの2拠点で製造している。両拠点合わせて、現在年1600型ほど製造しているが、23年には2400型まで引き上げる。そのための設備投資も相当積み増した。
狙いは。
金型の安定調達に加え、金型や溶接、組立て、自動機などの生産設備の外販を事業の一つの柱にしていくため。金型や生産設備を外販することで、他社のものづくりや、新たな知見を学ぶのも狙いだ。新たな部品受注のきっかけにもなる。
一方で、外販すると社内の能力が足りなくなるので、量は未定だが、内製していた金型を外注する予定だ。
金型メーカーに期待することは。
協力先にはまずは「ヨロズ標準」に沿った金型づくりをお願いしたい。自動車の軽量化ニーズに伴い、超高張力鋼板が増え、高強度な金型が求められているので、金型の材料や表面処理などを共同で開発していきたい。
今後の自動車部品の業界をどう見るか。
CASEによって、自動車メーカーは「走る・曲がる・止まる」といった基本性能以外の部分にも、注力せざるを得ない状況がある。当然、部品メーカーが担う領域も広がり、グローバルのメガサプライヤーの存在感が大きくなると思う。そこに対抗していくには、地域や、設備、技術面など色んな分野でのアライアンスが不可欠になると思っている。
金型新聞 2020年8月10日
関連記事
システムつなぎ、一気通貫で提案 NTTデータエンジニアリングシステムズは2025年7月、金型向けCAD/CAM「Space‐E」などを手掛ける製造ソリューション事業とクラウド事業を分社化し、新会社「NDES」として独立さ…
バンパーやグリルなどの自動車部品を中心に、家電製品、一般産業用品といった幅広い産業分野のプラスチック射出成形用金型を手掛ける明輝(神奈川県厚木市、046-224-2251)。同社は20年以上に渡ってMOLDINOの切削工…
「設計の効率化は業務フロー全体を見直さないと意味がない」。そう話すのは、日本デザインエンジニアリングの岩壁清行社長。同氏は長年自身も金型づくりに携わり、近年ではフィリピンで設計支援を手掛ける。また、20年以上前から、日…
沖電線(川崎市中原区、044-766-3171)は今年5月、ワイヤ放電加工機用電極線製品を全面リニューアルした。電極線全製品の真円度を現行品の4分の1に抑え、高品質化。パッケージも一新した。電極線製品をリニューアルする…


