金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

11

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】ヨロズ会長・志藤昭彦氏「金型や生産設備の外販を事業の一つに」

 サスペンションやリヤビームなど自動車用プレス部品を手掛けるヨロズは2023年をめどに、プレス金型の生産能力を年1600型から2400型の1.5倍に引き上げる。生産増強に合わせて、金型を中心に生産設備の外販を始める一方、これまで内製していた金型の一部を外注するという。「金型で全てが決まる」と話す、志藤昭彦会長に狙いや今後の取り組みを聞いた。

志藤 昭彦会長
1965年日本大学経済学部卒。同年成田鉄工入社、68年萬自動車工業(現ヨロズ)入社、83年取締役、98年社長、2008年会長。2016年から2年間、日本自動車部品工業会会長を務める。1943年生まれ。

外注には「ヨロズ標準」の金型を

金型の内製を増やしてきましたが、その理由は。

 「グローバル同一品質」を実現するには金型が不可欠だからだ。金型で部品の全てが決まると言っていい。それだけ金型は重要だから、内製化を進めてきた。複数の金型メーカーから異なる金型を購入していては、その実現は難しい。また、金型から溶接や組立てまで一貫生産して初めて同時品質が可能になる。だから、金型の内製化に加え、組立てや溶接の標準化を同時に進めてきた。

 そのおかげもあって、コロナが発生した中国の武漢で、152部品を生産していたが、9割以上の138部品が世界中の他の工場で代替え生産できる体制になっている。

金型の大幅な生産能力引き上げを発表しました。

 金型を中心とした生産設備は、山形にある子会社ヨロズエンジニアリングと、タイのヨロズエンジニアリングシステムズタイの2拠点で製造している。両拠点合わせて、現在年1600型ほど製造しているが、23年には2400型まで引き上げる。そのための設備投資も相当積み増した。

狙いは。

 金型の安定調達に加え、金型や溶接、組立て、自動機などの生産設備の外販を事業の一つの柱にしていくため。金型や生産設備を外販することで、他社のものづくりや、新たな知見を学ぶのも狙いだ。新たな部品受注のきっかけにもなる。

 一方で、外販すると社内の能力が足りなくなるので、量は未定だが、内製していた金型を外注する予定だ。

金型メーカーに期待することは。

 協力先にはまずは「ヨロズ標準」に沿った金型づくりをお願いしたい。自動車の軽量化ニーズに伴い、超高張力鋼板が増え、高強度な金型が求められているので、金型の材料や表面処理などを共同で開発していきたい。

今後の自動車部品の業界をどう見るか。

 CASEによって、自動車メーカーは「走る・曲がる・止まる」といった基本性能以外の部分にも、注力せざるを得ない状況がある。当然、部品メーカーが担う領域も広がり、グローバルのメガサプライヤーの存在感が大きくなると思う。そこに対抗していくには、地域や、設備、技術面など色んな分野でのアライアンスが不可欠になると思っている。

金型新聞 2020年8月10日

関連記事

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

海外の金型市場に活路 半導体金型でファブレス、設計・営業に特化  海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河…

【新社長に聞く】アカマツフォーシス  稲波 孝 社長

【新社長に聞く】アカマツフォーシス 稲波 孝 社長

技術提案力磨き、生産効率高める 信頼されるパートナーに いなみ・たかし1968年生まれ、大阪府四条畷市出身。86年太成高校(現太成学院大学高校)卒、赤松合金工具に入社。2006年営業技術部長、19年総括本部長、20年12…

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く<br>セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く
セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

研究開発が新たな道  リーマン・ショック以降需要が回復しているものの、これがいつまで続くのか。自動車の電気化やインターネットの技術革新が産業構造にどんな影響を及ぼすのか。それが、日本の金型メーカーの多くの経営者が抱く未来…

大型金型部品を精密に
伊藤英男鉄工所 伊藤友一取締役

設計から検査まで一貫対応  三重県桑名市の伊藤英男鉄工所はダイセットなど大型金型部品の精密加工を強みとする技術者集団だ。手掛けるのは、2500×4000×1300㎜クラスのダイセットの全加工から航空機部品まで幅広い。マシ…

【この人に聞く】三井精機工業社長・加藤欣一氏「”高精度”生かし、金型加工に適した機械を提供」

三井精機工業(埼玉県川島町、049-297-5555)が、金型分野に注力している。今春、新型の微細加工機と、ジグ研削盤を発売。今後需要の拡大が期待される電気自動車(EV)や電子部品関連の金型加工向けを中心に売り込んでいく…

トピックス

関連サイト