金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

22

新聞購読のお申込み

この人に聞く
オークマ 家城 淳社長に聞く

 令和元年に新社長に就任したオークマ・家城淳社長。市場が不透明化している中、「機電情知一体」「日本で作って世界で勝つ」を掲げるオークマの今後について家城社長の思いを聞いた。

 家城淳社長
愛知県出身。85年大隈鉄工所(現オークマ)入社、2012年取締役技術本部長、15年常務、17年専務、18年副社長。19年6月社長就任。

金型づくり革新を支援

今後の工作機械市場は。

 先進国では労働人口の減少が進み、新興国では技能者不足が課題だ。こうした中、工場の自動化が一層求められる。 “令和”は「自動化の時代」だ。我々は、リーズナブルな自動化を提供する。例えば、ロボットによる自動化ならば、ティーチング不要、レディメイドで手軽に自動化できるシステムが、中・小規模の企業にとって導入し易い自動化システムと言える。

自動化には耐久性も。

 壊れにくく、賢い機械が必要だ。当社のマシンは剛性が高いことに加えて、サーモフレンドリーコンセプトや加工ナビ、ファイブチューニング、サーボナビなどの知能化技術、AI技術を搭載し、高精度、高効率な加工を実現している。

金型市場をどう見る。

 世界の金型需要は増えると共に革新が起こると見ている。例えば、自動車のEV化・軽量化。超ハイテン材など素材が変われば金型も変わる。材料に詳しい人も必要だ。高度なプレス用金型の需要が増えるだろう。ノウハウを得て最適化すれば日本の強みになる。

オークマの役割は。

 硬い金型材を削ったり自動化するには、機械剛性が必要なので当社の出番。自由曲面の加工では、CAMデータ通りに加工すると面が荒れる場合がある。そこで当社では、リアルタイムでNC装置内で自動補正する技術を開発した。「機電情知」一体の当社の強みだ。

超複合加工機も投入。

 立形・横形マシニングセンタの一貫生産工場“DS3”を立ち上げた。ここでは旋削から焼入れ、歪み取り、研削加工までを1台で仕上げる超複合加工機を導入し、リードタイムを1/10程度まで短縮する。お客様には是非ご覧頂きたい。

IoTの活用も。

 IoTにより自動的にデータ収集し、見える化した稼働状況を分析してリードタイムを短縮することができる。お客様が改善サイクルを継続できるシステムを作り続けたい。

コトづくりの支援をするということ。

 機械・技術だけでなく、お客様が付加価値を生み出し、進化し続けられるよう生産革新の成功体験を提供する。難しいワークでの稼働率向上や、マスカスタマイゼーイションでの取り組み、残業を無くす工夫など、お客様に導入したいと思って頂ける成功事例を当社の工場で体感して頂きたい。

金型しんぶん 2019年11月10日

関連記事

キャステム 微細ワークを肉盛溶接【金型応援隊】

コネクタメーカーを始め、全国の金型ユーザーから補修の依頼が舞い込む。50μmという微細な肉盛り溶接ができるからだ。あまりに微細なため、溶加棒も自社製というこだわりを持つ。 また微細溶接だけではなく、ダイカスト金型等のボリ…

ヴェロソフトウェア マークフリーブリー氏に聞く<br>一気通貫のソリューション 技能者に依存しないソフト開発

ヴェロソフトウェア マークフリーブリー氏に聞く
一気通貫のソリューション 技能者に依存しないソフト開発

この人に聞く 2018 金型設計製造向けCAD/CAMシステム「VISI」などを手掛けるヴェロソフトウェア。創業からM&A(合併と買収)などによって製品ラインアップを拡大し、最近では「WorkNC」や「Edge…

O2 代表取締役社長CEO ・松本 晋一氏 「疎連携」で個社を成長

IBUKI を売却大企業の足りないパーツに成長を加速し100億円企業へ 7年前に買収したプラスチック金型メーカーのIBUKIを昨年、自動車部品メーカーのしげる工業に売却しました。売上利益ともに過去最高の予測、中国企業と基…

スペシャリスト<br>超硬材料 共立合金製作所

スペシャリスト
超硬材料 共立合金製作所

自動車の電動化に商機  「日本に残る分野に経営資源を投下していく」。そう話すのは「エバーロイ」ブランドで知られる、超硬材料メーカーの共立合金製作所の池田伸也超硬事業部長。同社が国内で伸びると判断するのは、①大型の超硬材料…

次世代車で変わる型作り
冨山 隆アライアンス・グローバルダイレクターに聞く

 厳しくなる世界各国の燃費規制に対応するため電気自動車(EV)を始めとする、次世代自動車の浸透スピードは加速している。加えて、自動運転も次世代技術として注目を集めている。こうした自動車の変化は金型にどう影響するのか。電動…

トピックス

関連サイト