金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

13

新聞購読のお申込み

【ひと】ケーワールドism社長・澤井健司さん(55) 金型技術生かし自社商品をヒットさせた

金型技術活かし自社商品をヒットさせた

 『日本一の金型職人になりたい』と、金型製作に没頭した若き日の澤井健司社長。町工場が集積する大阪・八尾で金型作りに励む日々だったが、ひょんなことから独立し、ケーワールドismを設立。金型製作と量産を手掛けるが、「量産が大きくなり、当初描いていた金型で貢献したいという目標からズレてしまった」と、7年前に再度金型で顧客の課題解決に取り組もうと再スタートした。

 同社を一躍有名にしたのが自社製品のシャンプーボトル「Lindpark」のヒットだ。テレビにも紹介され、これまで累計約5万本を販売。この商品には澤井社長の環境への思いが詰まっている。「プラスチックの隆盛で成長してきたプラ型だが、今はプラスチックに対する逆風は強い。産廃の問題がある以上、金型技術で環境に配慮した商品を作りたかった」。

 開発にあたって目を付けたのが産廃のサイクル。耐久性や安価なものでは消費者が捨てる頻度も多くなるため、耐久性が高く(検査証付き)、愛着の持てる商品で、かつ詰め替えを促進できる仕組みと中身をすべて使い切ることができる設計にし、これまで培った金型技術や材料知識、成形技術のノウハウを活かし、ガラス品のような質感や高級感のあるデザインを実現。

 「次はプラの使用量を減らす」と、バイオプラスチックの活用を検討。新型コロナウイルスで抗菌・殺菌ニーズが高まり、植物由来の効果を活かした商品開発が始まった。

金型新聞 2020年9月10日

関連記事

昭和精工 木田康隆社長 「社員の幸福を追求し、収益力の向上を目指す」

精密プレス金型メーカーの昭和精工(横浜市金沢区、045・785・1111)の社長に昨年11月29日付で就任。いとこである木田成人前社長から経営を引き継いだ。 入社から15年ほどはほぼ一貫して金型設計を担当していたが、20…

ユニオン精機 直彫り化でリードタイム短縮、進化し続ける企業目指す【Innovation〜革新に挑む〜vol.6】

ダイカスト金型を中心としたアルミニウム鋳造用金型専業メーカーのユニオン精機(兵庫県加古川市、079・425・0765)。型締力1000t以上の大物金型を得意とし、二輪・四輪車や汎用エンジンなどのアルミニウム鋳造部品に対応…

ルアーのプラスチックモデル作った金型メーカー社長【ひと】

マツキ 社長 鈴木 崇嗣さん(41) 昨年、初の自社商品としてルアーのプラスチックモデル「ルアープラモ」を発売した。クラウドファンディングサイトで目標金額の500%超を達成し、現在は全国のホビーショップや釣具店などで販売…

差別化できる設備投資、従来とは違う戦い方で次世代につないでいく 中村稔氏(日新精機社長)【鳥瞰蟻瞰】

当社は創業から50年間、冷間圧造金型一本で事業を続けてきました。しかし、10年後も同じように事業を続けていられるかというと、そうは考えていません。今ある仕事は相当減っていると思います。感覚的な予測になりますが、だいたい3…

リーダーの条件[part1] 経営のカリスマが心掛けていること

サイベックコーポレーション 顧問 平林 健吾氏  1944年生まれ、長野県出身。工作機械メーカー、プレス部品メーカーを経て、73年に信友工業(現サイベックコーポレーション)を設立。2009年顧問。18年旭日単光章を受賞。…

トピックス

関連サイト