金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

28

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】テクノア社長・山﨑耕治氏「システムにおける中小企業の専門医として導入検討時の不安を取り除く」

 一品一様の世界である金型産業は生産や技術面で人に頼ることが多く、デジタル化が喫緊の課題。そこで生産管理システムで生産性向上や経営のサポートに取り組んでいるのがテクノア(岐阜県岐阜市)だ。金型など中小企業向けで多品種少量生産型に特化した生産システムを開発し、工程進捗管理などで課題を持つ金型メーカーに訴求している。どのような考えで製品を開発し、課題に対応しているのかを、同社の山﨑耕治社長に聞いた。

多品種少量生産の専門医

1974年生まれ、大阪府出身。福井大学工学部、2000年テクノア入社。生産管理システム「TECHSシリーズ」の営業に従事。08年からTECHS事業部長、営業統括部長を歴任。14年執行役員、取締役、16年社長に就任。

   

顧客の不安を取り除く

販売状況について。

 おかげさまで生産管理システム「TECHS」シリーズは1994年の発売以降、順調に実績を伸ばし、全国3800社のユーザーに導入してもらっている。金型など中小企業で多品種少量生産型の製造業に特化しているのが特長で、工程進捗管理に重きを置き、バーコード付き指示書を出し、現場はハンディターミナルで読み込むと、どの工程まで進んだか可視化できる仕組みだ。特に金型は部品の納入をはじめ、特急対応や修理・メンテナンスなど日々のスケジュール管理が難しく、組付け時にすべての部品が揃っていないと成立しない。それを可視化することに重点を置いた。

システムの特長は。

 金型はどんな工程で製作するか現場判断も多い。当社のシステムは最初のマスターデータに縛られず、走りながら修正できる柔軟な仕組み。また、ユーザーは生産管理がほしいのではなく、生産管理を使った後の姿が見たいと思っているので、生産管理以外の要素にも注力している。

どんなことですか。

 製造原価の見える化をサポートしている。実績ベースで原価を算出しないと、いくら金型にコストがかかり、本当に儲かっているのか判断ができない。これを紙ベースや人の経験で算出すると、異なる結果になる。これはITを活かせる部分だ。また、中小企業診断士が社内に在籍しITを次の経営にどう役立たせていくかをサポートしている。少しずつ実績も出ていて、ユーザーの中にはIT経営力大賞を受賞するなど、年間100件ほどの喜びの声が届いている。「顧客の価値をみんなで生んでいこう」と社内も活気をもって取り組んでいる。

今後について。

 中小企業白書(2018年版)をみると、生産・販売など基幹業務統合ソフト(ERP)を導入している企業は約5割。十分活用できているのは全体の2割ほどで、まだ十分活用されていない。国の施策でシステム導入の機運は高まる中、当社はシステムの総合医ではなく中小企業向けの専門医として、事例紹介セミナーや導入実績を持つユーザーへの工場見学会を通じ、企業に導入前・後の効果を見てもらい、導入検討時の不安を取り除こうと工夫している。直近は「A‐Eyeカメラ」によるIoTに取り組み、IoTで何ができるのか事例を集めたアイデアブックを無料公開している。ユーザーに何か気づいてもらうことが我々の役目の1つだと思っている。

金型新聞 2020年9月10日

関連記事

「『金型灼熱』の技術強みに 省エネなど製品開発」 平和電機社長・大澤孝佳氏

各種工業用ヒーターや金型均熱システムなどを手掛ける平和電機(愛知県一宮市、0586-77-4870)は独自のエンジニアリング力を強みに、金型メーカーの様々なニーズに応える。近年はSDGsなど循環型社会への貢献を目指し、新…

ユニオン精機 直彫り化でリードタイム短縮、進化し続ける企業目指す【Innovation〜革新に挑む〜vol.6】

ダイカスト金型を中心としたアルミニウム鋳造用金型専業メーカーのユニオン精機(兵庫県加古川市、079・425・0765)。型締力1000t以上の大物金型を得意とし、二輪・四輪車や汎用エンジンなどのアルミニウム鋳造部品に対応…

清水龍司さん 承継に向けて社内改革を進める【ひと】

群馬県高崎市でプレス加工を手掛けるシミズプレスの3代目として生まれた。しかし、当初は会社を継ぐ気はなかった。 転機となったのは大学1年時。「これからさらに成長する国や地域を見ておきたかった」と中国に短期留学した。そこで語…

J‐MAX 山﨑英次社長に聞く 電動化サプライヤーへの道【特集:プレス加工の未来】

自動車の電動化(EV化)に伴い、ものづくりも大きな変革期を迎えている。従来のエンジン車には搭載されなかった電動化部品の需要が高まり、新規需要の取り込みが部品メーカー各社の大きな課題となっている。その中、ハイテン材加工の車…

【鳥瞰蟻瞰】エスアイ精工社長・指尾 成俊氏 QCD+「E(Emotion=感情)」

選ばれる企業になるために経営者の美意識によって顧客の感性に訴求する 当社は1986年に創業したカーボン素材などの高精度加工を得意とする従業員13人の会社です。主に半導体の製造工程で使用されるカーボン製治具などを手掛けてお…

トピックス

関連サイト