金型技術活かし自社商品をヒットさせた 『日本一の金型職人になりたい』と、金型製作に没頭した若き日の澤井健司社長。町工場が集積する大阪・八尾で金型作りに励む日々だったが、ひょんなことから独立し、ケーワールドismを設立。…
中村精工 DXで年間20社以上の新規開拓を実現
新たに福岡工場が稼働
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射出成形事業を強化
自動車向けプラスチック金型の設計・製作を手掛ける中村精工(岐阜県岐阜市、058-388-3551)は1月、成形事業及び金型メンテナンスを行う福岡工場(福岡県飯塚市)を立ち上げ、1800tの射出成形機などを導入し、九州地域の新規開拓を図る。親会社である関東製作所(東京都江東区)と共に、Webを活用したデジタルマーケティングにも注力、年間20社以上の新規開拓を実現。自動車産業ほか、様々な顧客の課題解決に取り組んでいる。
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「当社の強みの1つはデジタルマーケティング」と話すのは渡邉章社長。昨今、生産現場のDX化は進んでいるが、Webを活用したデジタルマーケティングに注力している金型メーカーは稀だ。同社はコーポレートサイト、技術紹介のソリューションサイト、さらにオウンドメディア(企業自ら保有するメディア)を持ち、金型・成形技術やロボットなど自動化・省人化技のコラムを掲載し、メルマガとして顧客や見込客へ定期発信している。その理由として「金型を製作したいという時期は顧客によって異なる。定期的に発信することで、顧客に当社を覚えてもらうことが狙い」といい、困った時に相談に乗れる環境をWeb上に構築。新規先には金型や成形技術を理解していない企業もあり、技術相談に乗ることで価格競争も少なく、顧客ニーズに応じた製品を作ることができる。
「新規開拓の場は展示会」とインターモールドや機械要素技術展などに出展。だが、目的は営業活動ではなく名刺の獲得。名刺から営業するのではなく、メルマガ配信に結びつけ、Web上で相談が来る環境を整えている。「当社の1番の投資は展示会。多くの名刺を集めることで見込客ができ、デジタルマーケティングで新規開拓のきっかけを作っている」と語り、昨年は新規開拓だけで2億1000万円を売り上げ、今年は4億円を目指す。
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「顧客が求めるのは成形品。金型メーカーの多くは成形メーカーを顧客としているが、金型に加え、成形事業を強化すればマーケットは広がる」。同社は今年、1800t、850t、450tの射出成形機を設備した福岡工場を稼働させた。「九州は成形メーカーも少なく、成形事業の強化で北部九州にある自動車メーカーや部品メーカーの需要が見込める」とし、生産準備や大ロット量産に対応。金型製作と成形事業の両輪で自動車や他の市場の求める製品を提供する。
人材採用もWeb活用し、直近3年間で70人採用した。社内にはデジタルマーケティングを手掛けるデジタル人材のほか、Webデザイナーと契約し、サイトの充実を図る。今年はYouTubeチャンネルやウェビナーも積極的に展開する予定だ。それでも最も重要なことは金型や成形技術だと渡邉社長は話す。「バックグランドにモノ作りの力がないと意味がない。従来ある力に、マーケティング力が加わることで受注に結び付く。現代では両方の力が求められる」。
会社の自己評価シート
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デジタルマーケティングに代表されるように、「未来に投資する力」「変化に対応する力」に加え、デジタルを活用した「営業力」「PR・発信力」に高い評価。今後は人材や技術力の強化を図りつつ、設備力の強化を進める。
会社概要
- 本 社:岐阜県岐阜市柳津町北塚4-41-3
- 電 話:058・388・3584
- 代 表 者:渡邉章社長
- 創 業:2013年
- 従 業 員:45人
- 事業内容:プラスチック金型の設計・製造、射出成形事業(180t~1800t)
金型新聞 2022年4月10日
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