熱間鍛造金型を直彫り トヨタグループ唯一の素材メーカーである愛知製鋼は、特殊鋼に加えて、自動車のエンジンや足回り部分に使用する鍛造部品も手掛けている。「月間1万型を生産、消費する」という金型部門では、高い品質と生産性を実…
静岡理工科大学 理工学部機械工学科 教授
後藤 昭弘氏 〜鳥瞰蟻瞰〜

大学を上手く活用し、技術開発につなげる場に強み見つけ、競争力を強化
金型は集積技術です。機械加工や表面処理、材料、最近ではITなど、色々な技術が上手く組み合わさることによって、はじめて良い金型が出来上がる。大学では、金型メーカーよりも優れた金型を作ることはできませんが、それぞれの技術分野に長けた専門家や、一企業では保有するのが難しい分析機器などの高度な
設備が揃っており、金型メーカーだけではできない技術開発や課題解決を行うことができます。
金型メーカーにはもっと大学を上手く活用してほしい。そう考えて、2019年2月に「金型技術研究会」を設立しました。機械加工や材料、AIやITなど金型に関連する技術研究に取り組む当大学の教授10人ほどが中心となって立ち上げ、講演会や見学会などの活動を通じて大学と企業や会員企業同士の交流を深めています。
設立当初の会員数は、金型や部品加工メーカーなど30社ほどでしたが、現在は約60社と倍増しています。新型コロナウイルスの感染拡大によって、当初計画していた通りの活動はできていませんが、それなりに成果も出始めています。
特に「大学と企業(金型メーカー)」というつながりが出来つつあります。研究開発では、すでにスタートしている案件も含めて5~6件ほどのテーマが動き始めています。また、ちょっとした困りごとの相談も数件ですが、依頼が来ています。例えば、「クラックの原因を調べてほしい」とか、「壊れやすい金型の寿命を伸ばすにはどうしたら良いか」とか。
「大学に相談するのはハードルが高い」と思う金型メーカーの方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。どんどん相談したり、利用してください。企業にとっては課題解決や技術開発につながりますし、大学にとっても新たな研究テーマの発見につながる。お互いにとってメリットは大きいはずです。
金型メーカーを取り巻く環境は大きく変化しており、今後さらに厳しさが増すことも考えられます。そうした中でも競争力を維持していけるのは、どういう会社か。これまでに多くの金型メーカーと接してきて感じるのは、開発でも営業活動でも貪欲に取り組みを進めている会社は強いということです。“コロナ禍”でも5~6社訪問しましたが、元気な会社は今このタイミングでも何かしら新しいことに挑戦しています。
他社には真似できない技術だとか、他社よりも早く安く作れる技術だとか。これから生き残るには、何か強みになるものを見つけることが重要です。ただ、それには個社の努力だけでは限界もある。そこで大学です。大学にある設備や人材を使うのも良いし、大学をハブとして金型メーカー同士が結び付き、共通のテーマを見つけて開発に取り組むのでも良い。こうした場を提供することが、大学の役割でもあり、私の望むところでもあります。
金型新聞 2020年12月10日
関連記事
今春の勲章で旭日単光章を受章した。世界中で安定して内燃機関向けの金型やダイカスト部品を供給し、自動車産業を支えてきたことなどが認められた。 松村精型への入社は1978年。当時では珍しいCAD/CAMの導入や解析ソフトの開…
リブランディングを実施 アイセル(大阪市中央区)はこのほど、リブランディングを実施し、企業イメージの刷新を図った。企業ロゴの変更やアイコンの作成、製品のデザインの統一といった対外的な部分での変更に加え、社内では改めてミッ…
売上高1,000億円目指す 今年3月、ソディックは、圷祐次副社長が代表取締役CEO社長執行役員に就く人事を発表した。欧米経験が長い圷社長は自身のミッションを「ソディックを真のグルーバル企業にすること」と明言する。売上高は…
ロットに応じ金型を安く 低廉化金型を開発 自動車部品などのダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は、ロット数に合わせて、金型の価格を安くする「低廉化金型」の開発に成功した。ある金型では従来に比べて最大45%安くなるという。…


