金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

20

新聞購読のお申込み

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応

プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。

同社は冷間鍛造と順送プレスを組み合わせた独自のCFP工法によって、自動車部品などの精密部品を生産する。従来の順送プレスでは難しかった立体的な形状の厚板部品を高速で量産することができるのが特長だ。

CFP工法で加工した精密部品

そのため、同社の案件は難度の高いものが多く、製品検討や工程設計に多くの時間を要していた。「試作金型を使い、何度もトライを重ねて試行錯誤しながら開発を行っていた」(VT研究所マネージャーの吉田善成氏)。

こうした問題を解消するために、20年ほど前からシミュレーションソフトを取り入れていたが、「ソフトの操作性や計算速度に問題があり、上手く活用できていなかった」(吉田氏)。そこで2019年に導入したのが、Hexagon社(スウェーデン)の金属成形加工シミュレーションソフト「Simufact Forming」だ。

解析の計算時間が数時間に

活用するのは主に塑性変形の挙動確認。塑性フローや成形実現性、応力分布などの解析や、自社設備でプレス成形できるかを確認する成形荷重の計算などを実行している。

同ソフト導入によって、解析にかかる計算時間を従来の2分の1~4分の1まで短縮。これまで十数時間かかっていた解析が数時間で可能になった。解析速度向上によって、これまで時間の都合で断念していた多工程の解析も可能になり、より多くの条件で解析し、最適な条件を見つけ出すことが可能になったという。

「工法の実現性を事前に解析で確認し、結果をもとに試作トライを行うことができ、製品精度の向上やリードタイムの短縮につながっている」(吉田氏)。また、見積もり案件に対しても解析を活用。製品の実現性を事前に確認することができるようになり、見積もり精度の向上や期間短縮を実現した。

同社では近年、自動車の電動化によって、ギア部品の案件が増加しているという。「ギアは加工も難しいが、要素数が多くなるため、解析も難しい」(吉田氏)。今後もシミュレーションを活用しながら、こうした高難度な加工にも対応していく考えだ。

会社概要

  • 住所:長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15
  • 電話:0263・51・1800
  • 代表者:白井靖信社長
  • 従業員数:75人
  • 事業内容:超精密部品の金型開発及びプレス加工

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

―スペシャリスト―ミルテック<br>精密加工の何でも屋

―スペシャリスト―ミルテック
精密加工の何でも屋

五感使うものづくり 精密打抜き用プレス金型、非球面レンズ金型、二次電池用金型及び部品、三次元形状部品、精密治具―。超精密金型や部品加工のミルテックがこれまで手掛けてきた品目の一部だ。『金と銀以外何でも加工する』と話す渡邉…

新栄ホールディングス 金型、プレス加工メーカーをグループ化【特集:連携・M&Aで乗り越える】

金型、プレス加工メーカー3社を傘下に置く新栄ホールディングス(東京都中央区、中村新一社長)。金属プレス加工メーカーの新栄工業(千葉市花見川区)がM&A(合併・買収)で取得したアポロ工業(埼玉県吉川市)と飯能精密工…

明星金属が残業時間を減らすために徹底した2つのこと

金型の品質高めトライ減らす 明星金属工業が手掛けるのは、ボンネットやドアなど自動車ボディー部品のプレス金型。トライ&エラーを重ねて品質を高めていくため完成までの時間が予測しにくい。受注は新車開発の時期に集中するな…

米谷製作所 メガキャスト向け超大物金型に挑む【特集:自動車金型の未来】

企業連携で金型技術確立へ EVシフトによって、需要減少が見込まれる内燃機関(ICE)部品の金型。シリンダヘッドやシリンダブロックなどのダイカスト金型を手掛ける米谷製作所はその影響を受ける1社だ。米谷強社長は「今後、内燃機…

日型工業 金型技術ライセンスを供与 知財戦略でビジネスモデル変える【金型の底力】

金型を売り切るだけでなく、金型技術を活かし、収益をどう安定化させるかー。金型メーカーにとって普遍的な課題だ。鋳造型を手掛ける日型工業は独自技術を他社にライセンス供与し、収益化につなげている。「多くの人に使ってもらうことで…

トピックス

関連サイト