金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

07

新聞購読のお申込み

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応

プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。

同社は冷間鍛造と順送プレスを組み合わせた独自のCFP工法によって、自動車部品などの精密部品を生産する。従来の順送プレスでは難しかった立体的な形状の厚板部品を高速で量産することができるのが特長だ。

CFP工法で加工した精密部品

そのため、同社の案件は難度の高いものが多く、製品検討や工程設計に多くの時間を要していた。「試作金型を使い、何度もトライを重ねて試行錯誤しながら開発を行っていた」(VT研究所マネージャーの吉田善成氏)。

こうした問題を解消するために、20年ほど前からシミュレーションソフトを取り入れていたが、「ソフトの操作性や計算速度に問題があり、上手く活用できていなかった」(吉田氏)。そこで2019年に導入したのが、Hexagon社(スウェーデン)の金属成形加工シミュレーションソフト「Simufact Forming」だ。

解析の計算時間が数時間に

活用するのは主に塑性変形の挙動確認。塑性フローや成形実現性、応力分布などの解析や、自社設備でプレス成形できるかを確認する成形荷重の計算などを実行している。

同ソフト導入によって、解析にかかる計算時間を従来の2分の1~4分の1まで短縮。これまで十数時間かかっていた解析が数時間で可能になった。解析速度向上によって、これまで時間の都合で断念していた多工程の解析も可能になり、より多くの条件で解析し、最適な条件を見つけ出すことが可能になったという。

「工法の実現性を事前に解析で確認し、結果をもとに試作トライを行うことができ、製品精度の向上やリードタイムの短縮につながっている」(吉田氏)。また、見積もり案件に対しても解析を活用。製品の実現性を事前に確認することができるようになり、見積もり精度の向上や期間短縮を実現した。

同社では近年、自動車の電動化によって、ギア部品の案件が増加しているという。「ギアは加工も難しいが、要素数が多くなるため、解析も難しい」(吉田氏)。今後もシミュレーションを活用しながら、こうした高難度な加工にも対応していく考えだ。

会社概要

  • 住所:長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15
  • 電話:0263・51・1800
  • 代表者:白井靖信社長
  • 従業員数:75人
  • 事業内容:超精密部品の金型開発及びプレス加工

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

冨士ダイス、生産性向上へ自動化を推進 輪竹生産本部長「2030年までに30~40%省人化」

超硬合金の素材や金型などを手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、春田善和社長)が自動化・省人化に注力している。同社は2025年3月期から2027年3月期までの中期経営計画(中計)で「生産性向上・業務効率化」を掲げ、今期だけで…

真のグローバル企業に 圷祐治氏(ソディック社長)【この人に聞く】

売上高1,000億円目指す 今年3月、ソディックは、圷祐次副社長が代表取締役CEO社長執行役員に就く人事を発表した。欧米経験が長い圷社長は自身のミッションを「ソディックを真のグルーバル企業にすること」と明言する。売上高は…

伊藤製作所がテクニカルセンタを設立した理由【金型の底力】

順送り金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所は本社近くにテクニカルセンタを設立し、金型部門を集約することで、本社工場などにプレス機械を増設し、需要が高まっているプレス部品の増産体制を整える。さらに、CAEや3D形状測定機、…

シミュレーションソフト【Breakthrough!】

金型のユーザーニーズとして普遍的なものが短納期化。昨今は開発期間の短縮など金型生産に費やす時間が短くなっているほか、コスト削減のため工数削減(手戻り削減)が大きな課題となっている。そこで重要なのがCAEの有効活用だ。近年…

新栄ホールディングス 金型の新会社を設立

プレス加工メーカー3社を傘下に持つ新栄ホールディングス(東京都中央区、03・5843・6096)は昨年8月、傘下のアポロ工業(埼玉県吉川市)の金型部門を切り離し、アポロ技研(同)を設立した。金型の設計、製作に加え、メンテ…

トピックス

関連サイト