金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

13

新聞購読のお申込み

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応

プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。

同社は冷間鍛造と順送プレスを組み合わせた独自のCFP工法によって、自動車部品などの精密部品を生産する。従来の順送プレスでは難しかった立体的な形状の厚板部品を高速で量産することができるのが特長だ。

CFP工法で加工した精密部品

そのため、同社の案件は難度の高いものが多く、製品検討や工程設計に多くの時間を要していた。「試作金型を使い、何度もトライを重ねて試行錯誤しながら開発を行っていた」(VT研究所マネージャーの吉田善成氏)。

こうした問題を解消するために、20年ほど前からシミュレーションソフトを取り入れていたが、「ソフトの操作性や計算速度に問題があり、上手く活用できていなかった」(吉田氏)。そこで2019年に導入したのが、Hexagon社(スウェーデン)の金属成形加工シミュレーションソフト「Simufact Forming」だ。

解析の計算時間が数時間に

活用するのは主に塑性変形の挙動確認。塑性フローや成形実現性、応力分布などの解析や、自社設備でプレス成形できるかを確認する成形荷重の計算などを実行している。

同ソフト導入によって、解析にかかる計算時間を従来の2分の1~4分の1まで短縮。これまで十数時間かかっていた解析が数時間で可能になった。解析速度向上によって、これまで時間の都合で断念していた多工程の解析も可能になり、より多くの条件で解析し、最適な条件を見つけ出すことが可能になったという。

「工法の実現性を事前に解析で確認し、結果をもとに試作トライを行うことができ、製品精度の向上やリードタイムの短縮につながっている」(吉田氏)。また、見積もり案件に対しても解析を活用。製品の実現性を事前に確認することができるようになり、見積もり精度の向上や期間短縮を実現した。

同社では近年、自動車の電動化によって、ギア部品の案件が増加しているという。「ギアは加工も難しいが、要素数が多くなるため、解析も難しい」(吉田氏)。今後もシミュレーションを活用しながら、こうした高難度な加工にも対応していく考えだ。

会社概要

  • 住所:長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15
  • 電話:0263・51・1800
  • 代表者:白井靖信社長
  • 従業員数:75人
  • 事業内容:超精密部品の金型開発及びプレス加工

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

自動車金型、2024年秋に需要回復か【特集:自動車金型の未来】

自動車の金型が試練の時を迎えている。半導体不足に端を発する新車開発の相次ぐ延期で受注が減少している。一方、電気自動車(EV)シフトが技術と産業構造に変革を迫る。生き残るカギは変化のうねりを見極め培ったノウハウや強みを生か…

【この人に聞く】アイセル社長・望月貴司氏 「面白い企業だと感じてもらえる環境をつくる」

リブランディングを実施 アイセル(大阪市中央区)はこのほど、リブランディングを実施し、企業イメージの刷新を図った。企業ロゴの変更やアイコンの作成、製品のデザインの統一といった対外的な部分での変更に加え、社内では改めてミッ…

大型金型部品を精密に
伊藤英男鉄工所 伊藤友一取締役

設計から検査まで一貫対応  三重県桑名市の伊藤英男鉄工所はダイセットなど大型金型部品の精密加工を強みとする技術者集団だ。手掛けるのは、2500×4000×1300㎜クラスのダイセットの全加工から航空機部品まで幅広い。マシ…

【金型応援隊】太陽テクニカ ダメ元でも相談を

一桁ミクロンの加工精度 「マシニングで出せない精度の穴加工は、是非任せてほしい」と語るのは、長年ジグボーラー加工やジグ研削加工に携わってきた、太陽テクニカの大畠正陽社長。同社は、航空・宇宙産業の部品から工作機械の主要精密…

トピックス

関連サイト