金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

07

新聞購読のお申込み

ハイテン加工のカギはCAE【特集:プレス加工最前線】

自動車部材のハイテン化が進み、CAEの需要は一層高まっている

スプリングバック、材料特性のばらつきに対応

ハイテン材加工に不可欠とされるCAE解析。すでに多くの金型メーカーが活用し、生産性や品質の向上につなげている。近年は自動車部材のハイテン化が進み、これまで以上に強度の高い超ハイテン材の採用や新たにハイテン材を用いる部品が増加。CAEの需要はより一層高まっている。

CAEメーカーも日進月歩で開発を続け、ハイテン化への動きに追従する。特に強化している一つが、スプリングバックへの対応だ。ハイテン材はその強度からスプリングバックが大きく、金型づくりではいかに変位量を見込み、補正するかが重要となる。

こうした見込み補正機能はこれまでも多くのCAEに搭載されてきたが、近年注力されているのが自動化機能だ。オートフォーム社では、これまで人が補正値を入力しながら行っていた見込み補正を自動でできるモジュールを開発。検証スピードの向上や効率化を提案している。

また、JSOLの「JSTAMP」でもスプリングバックの見込み作業を効率化する「金型見込み機能」を強化。従来手作業で行っていた多くの作業を自動化し、寸法公差を満たすまで成形計算、スプリングバック計算、見込み計算を繰り返し自動で実行可能にした。

オートフォームジャパンの今井洋徳部長は、「ハイテン化が進むと、これまでの知見が通用せず、見込み通りにいかないことが多くなり、シミュレーションの回数が増える。作業効率を上げるために、自動化やスピードを求める声は多い」と話す。

スプリングバックに加え、ハイテン材のもう一つの大きな課題が材料特性のばらつきだ。ハイテン材は材料特性値のばらつきが大きくなるため、シミュレーションと実加工に乖離が生じ、課題となっていた。CAEメーカーは材料特性値のばらつきを考慮した解析技術の開発や機能強化に取り組んでいる。

オートフォーム社ではばらつきをバーチャル上で再現し、不具合を事前検証できるモジュールで対応する。今年4月には部品単体だけでなく、複数の部品が組み合わされたユニット品の検証も可能な機能を追加。材料特性値にばらつきがあっても寸法精度の要求を満たすためのCAE検証を可能としている。

また、ハイテン材加工は成形時に大きな荷重が発生するため、金型にたわみが生じる。JSOLの「JSTAMP」では、金型のたわみを考慮したシミュレーション技術「強連成金型たわみ機能」で、被加工材の成形と金型の変形を同時に計算し、さまざまな不具合の予測精度を向上させている。

今後、ハイテン化が進むことでCAEへの要求はますます高度化することが考えられる。CAEメーカーは開発を進め、解析精度の向上や使い勝手の向上などを図り、対応していく。CAEのさらなる進化に注目だ。

金型新聞 2023年7月10日

関連記事

DMG森精機 あらゆる年代の工作機械の修理復旧に対応

DMG森精機は修理復旧技能研修センタを開設。最新機から生産が終了したあらゆる年代の工作機械の修理復旧に対応するため、技能を持つ人材の育成を強化し、修理時間の短縮を図ることで顧客の稼働率や生産性の向上に努める。 工作機械は…

七宝金型工業 ポーラス金型の検証開始

ダイカストの技術革新へ ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は金属3Dプリンタ—を活用し、ポーラス金型(多孔質金型)の実用化に向け研究を進めている。金型内部から離型剤を染み出す構…

松村精型 見積効率化や戻りない金型づくり【特集:デジタル活用術】

作業を細分化し、デジタル管理 低圧鋳造やダイカスト金型を手掛ける松村精型は、加工や設計などの作業単位を細分化し、コード化して管理している。作業ごとの分析や改善を徹底し、手戻りのない金型づくりを進めるほか、コードに製造コス…

アルム ARUM Factory365をリリース

月定額+多彩なアプリで製造現場の合理化を支援 アルム(金沢市)が開発したNCプログラム自動生成AIソフトウエア「ARUMCODE1」など、製造工場で役立つアプリケーションを揃えたプラットフォームサービスが、7月からサブス…

ウエブサイトやSNS活用し、見込み顧客発掘 【特集:営業ってどうする?】

金型メーカーの新規顧客の開拓方法が変わりつつある。これまでの直接訪問やテレアポといった手法から、インターネットやスマホの普及、コロナ禍で急速に進展した非対面活動の拡大によって、ウエブサイトやSNSなどを使って情報を発信し…

トピックス

関連サイト