未来拓く技術を提案 JIMTOF2016で注目を集めた金型や精密部品に関連する最新の加工技術が一堂に集まるUMモールドフェア。今回は新型の5軸加工機や金属3Dプリンタをはじめ、IoT(モノのインターネット)の活用技術が…
KOEI TOOL SKD61相当材の冷却水管【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】
ダイカスト市場に参入
「始まりはプラスチック成形向けの3D冷却水管だった」と話すのはKOEI TOOL(旧ケイプラスモールドジャパン、今年4月に社名変更)のAM課の石井陽部長。同社は日本、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、中国、インドネシアなどグローバルに展開するプラスチック金型メーカー。5年前、ソディック製金属3Dプリンタ「OPM250L」を導入。プラスチックの成形サイクルを改善したいというニーズを念頭に、3D冷却水管の受託造形を始める。
その後、プラスチックの成形工程の改善として、新たに目を向けたのが成形時のガス抜きの課題だ。「プラスチック成形において、ガスに起因するヤケ・白濁・ヒケ・バリなどは永遠の課題」と石井部長。金属3Dプリンタでガス抜き部品の開発、受託製作を始める。

同社が展開する成形不良対策部品「GASEXIT」(特許取得)は金属3Dプリンタで微細な貫通孔を施し、ガス抜きの課題となる箇所に最適な部品を提案。微細孔の入口はφ0・02~0・05㎜(±0・03㎜)になっており、樹脂が流れ込みにくく、適切にガス排出ができる仕組みでガス起因の成形不良を解決。「切削加工では出来ない形状を金属3Dプリンタで生み出すことで付加価値を高める」と石井部長。
また、ガス抜き部分の表面硬度はHRC44(窒化処理でHRC70も可能)と耐摩耗性に優れており、部品の長寿命化も期待できる。適用樹脂は汎用的な熱可塑性樹脂ほか、PBTやPPS、PA、LCP材などエンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂にも対応。石井部長は「ユーザーの課題に応じ、ランナーやエジェクタピン、スプルーブッシュ、カスタム形状など様々な部品を製作できる」と自信を見せる。現在は取引先も400社以上に拡大し、金型製作と同様に重要な事業の柱に成長している。

続けて、同社は今年、SKD61相当材に対応するソディック製金属3Dプリンタ「LPM325S」を導入した。ギガキャストなど需要の増加が見込まれるダイカスト市場向けに3D冷却水管(コンフォーマルクーリング)の受託製作を開始。「SKD61相当材の造形が可能になったことで、従来活用されてきたマルエージング鋼に比べ、冷却水管の長寿命化が図れる。すでに良好なテスト結果も出ており、思考錯誤を繰り返しながら、ダイカストの課題解決に取り組みたい」と新市場の開拓に目を向ける。
金型新聞 2023年11月10日
関連記事
長年、工作機械や放電加工機メーカーのOEMやODMを手掛けてきた東洋機械製作所。鋳造から機械設計、製作、塗装、組立までを手掛ける能力の高さから多く機械メーカーの製品の設計や製造を請け負ってきた。そんな同社が35年ぶりに自…
協力企業との連携推進 時期によって業務の量に差が生じることは少なくない。特に金型業界では、製品のモデルチェンジや更新のタイミングなどに受注が集中するため、繁忙期と閑散期で現場の稼働状況は大きく異なる。繁忙期には残業や休日…
ギアやシャフトなど自動車部品の冷間鍛造金型や精密プレス金型を手掛けるナゴヤダイス(名古屋市緑区)は金型製作における技術やノウハウのマニュアル化(言語化・数値化)を図り、若手の技能伝承や人材育成に活用している。20~30代…
業界の弱体化は顧客にマイナス ユーザーと金型メーカーはどちらかが欠けても成り立たない「イコールパートナー」だと訴えてきました。我々の事業を安定させるためにも、値上げは粘り強く要求していくべきで、そのためには足並みをそろえ…


