「金型メーカーが情報管理をするのは、自社の知的財産を守るためと顧客情報を守るための2つの意味で重要だ」と話すのは、飲料や化粧品などのプラスチック金型を手掛ける打田製作所の打田尚道社長。同社は15年ほど前に社内で情報シス…
KOEI TOOL SKD61相当材の冷却水管【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】
ダイカスト市場に参入
「始まりはプラスチック成形向けの3D冷却水管だった」と話すのはKOEI TOOL(旧ケイプラスモールドジャパン、今年4月に社名変更)のAM課の石井陽部長。同社は日本、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、中国、インドネシアなどグローバルに展開するプラスチック金型メーカー。5年前、ソディック製金属3Dプリンタ「OPM250L」を導入。プラスチックの成形サイクルを改善したいというニーズを念頭に、3D冷却水管の受託造形を始める。
その後、プラスチックの成形工程の改善として、新たに目を向けたのが成形時のガス抜きの課題だ。「プラスチック成形において、ガスに起因するヤケ・白濁・ヒケ・バリなどは永遠の課題」と石井部長。金属3Dプリンタでガス抜き部品の開発、受託製作を始める。

同社が展開する成形不良対策部品「GASEXIT」(特許取得)は金属3Dプリンタで微細な貫通孔を施し、ガス抜きの課題となる箇所に最適な部品を提案。微細孔の入口はφ0・02~0・05㎜(±0・03㎜)になっており、樹脂が流れ込みにくく、適切にガス排出ができる仕組みでガス起因の成形不良を解決。「切削加工では出来ない形状を金属3Dプリンタで生み出すことで付加価値を高める」と石井部長。
また、ガス抜き部分の表面硬度はHRC44(窒化処理でHRC70も可能)と耐摩耗性に優れており、部品の長寿命化も期待できる。適用樹脂は汎用的な熱可塑性樹脂ほか、PBTやPPS、PA、LCP材などエンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂にも対応。石井部長は「ユーザーの課題に応じ、ランナーやエジェクタピン、スプルーブッシュ、カスタム形状など様々な部品を製作できる」と自信を見せる。現在は取引先も400社以上に拡大し、金型製作と同様に重要な事業の柱に成長している。

続けて、同社は今年、SKD61相当材に対応するソディック製金属3Dプリンタ「LPM325S」を導入した。ギガキャストなど需要の増加が見込まれるダイカスト市場向けに3D冷却水管(コンフォーマルクーリング)の受託製作を開始。「SKD61相当材の造形が可能になったことで、従来活用されてきたマルエージング鋼に比べ、冷却水管の長寿命化が図れる。すでに良好なテスト結果も出ており、思考錯誤を繰り返しながら、ダイカストの課題解決に取り組みたい」と新市場の開拓に目を向ける。
金型新聞 2023年11月10日
関連記事
ステンレスを主体にアルミ、チタンなどの金属の溶接加工を手掛ける岩倉溶接工業所(静岡県島田市、0547・37・4585)は今年8月から、金型溶接の受託加工事業と金型溶接・仕上げの技術支援事業を開始した。金型補修における人手…
金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…
テラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)は、2019年に設立された金型補修用レーザー溶接機メーカー。高品質でありながら低価格を実現し、独自技術を活かしたユーザビリティの高い製品を提供する。「『直す』とい…
後藤社長に聞く 見どころと狙い 12年ぶりに日進工具が精密微細加工に特化したプライベートショー「NSTOOLプライベートショー2020精密・微細加工技術展」。小径エンドミルはもとより、微細加工機、治具、そして切削加工ユ…
