金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

14

新聞購読のお申込み

アクスモールディング 押出成形金型の設計簡易化【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

廃棄部分の再利用も可能に

高機能フィルムの製造に適した押出成形金型「Tダイ」などの設計を手掛けるアクスモールディング。同社は、今年の3月にソディックの金属3Dプリンター「LPM325S」を導入。押出成形金型の設計の簡易化や、従来法では不可能な金型作りに取り組む。

押出成形金型を設計する際、複数の金型部品の組み合わせなどを考慮する必要がある。また、多層フィルムの場合、層を重ねる時の金型設計は一苦労だ。横田新一郎社長は「時間がかかる上に、高度な設計技術を必要とするため、設計できる人間はごくわずかだ」と話す。

導入したソディックの金属3Dプリンター「LPM325S」

金属AMの活用によって、CADで設計図を描き、一体構造の金型作りが可能になった。複数の金型部品などを組み付ける必要がなくなり、設計が簡易化。作業工数を大幅に削減した。これに加え、金属AMによる付加価値の高い金型作りにも積極的に取り組んでいる。

「従来は押出成形で多層のフィルムを製造する際、両端の部分は捨てていた。金属3Dプリンターを使い、樹脂が通る流路を自由に変えることで、廃棄した部分を再利用できる金型が作れる」(横田社長)。

金属AMで製造した医療用チューブの金型

同社は、高い金型設計力を強みに受注を伸ばしており、今期の売上高は過去最高を記録している。その一方で、さらなる成長のためには押出成形業界の裾野を広げることが必要と考えていた。「食品包装用などで使われる多層構造の高機能フィルムは、今後も需要拡大が見込まれる。金属AMの活用で押出成形金型の設計を簡易化し、業界全体の供給力を増やしたいと思った」(横田社長)。

金属AM活用による成果はすでに出ており、新規で3~4件の受注につながっている。横田社長は「金属3Dプリンターを活用し押出成形金型を作っている人はいない。ブルーオーシャン(未開拓市場)なので、今後も事業拡大が期待できる」と話す。

課題は流路内面の磨きやφ0.5㎜以下の細かい穴の造形精度だ。「どうしても機械加工が必要な部分は残る。他社との協業も検討し、改善していく」(横田社長)。

今後は、ニッケルを主成分とした合金「ハステロイ」を活用した造形にも取り組む考えだ。横田社長は「現在使っている材料はマルエージング鋼だが、硬いため磨きにくい欠点がある。材料費が高く、難しい側面もあるが、新しいジャンルとして挑戦したい」と話した。

金型新聞 2023年11月10日

関連記事

【検証】変わる金型基金 新たな船出4<br>退職金の一部を年金化

【検証】変わる金型基金 新たな船出4
退職金の一部を年金化

 3回にわたり、日本金型工業厚生年金基金の制度移行の概要や、基金の課題をみてきた。様々な課題を解決すべく、有期年金化したり報酬比例としたりするなど、企業の負担を増やさず、支給期間を選べる柔軟な制度に変更する予定だ。では、…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –北米–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

サンワ金型 様々な仲間が集まる工場に【特集:かっこいい工場】

金型メーカーからエンジニアリング企業へ 「金型メーカー単体では生きるのが難しい時代だからこそ、新しいモノを作りたい人や企業がシーズを持ち寄り、一緒に花を咲かせられるガーデンとしての開発工場を目指す」と鈴木大輔社長は202…

「世界のオギハラ」再建<br>-長谷川 和夫社長に聞くー

「世界のオギハラ」再建
-長谷川 和夫社長に聞くー

米に工場、生産力強化  自動車ボディ向けプレス金型を手掛けるオギハラの社長が今年1月に交代した。新社長はアメリカ現地法人副社長の長谷川和夫氏。製造部門を経験し、長く海外畑を歩み、海外自動車メーカーの金型調達や開発にも携わ…

デジタル技術駆使し、金型製作期間半減目指す【ササヤマ challenge!Next50】

ササヤマが今期スタートした新中期経営計画「SAIMS247」。その中核事業となるのが金型製作期間の半減だ。デジタル技術や経験を駆使し金型づくりの大改革が進む。 全ての部品をQRで管理 材料に書かれたシリアルナンバー。入力…

トピックス

関連サイト