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KOEI TOOL SKD61相当材の冷却水管【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】
ダイカスト市場に参入
「始まりはプラスチック成形向けの3D冷却水管だった」と話すのはKOEI TOOL(旧ケイプラスモールドジャパン、今年4月に社名変更)のAM課の石井陽部長。同社は日本、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、中国、インドネシアなどグローバルに展開するプラスチック金型メーカー。5年前、ソディック製金属3Dプリンタ「OPM250L」を導入。プラスチックの成形サイクルを改善したいというニーズを念頭に、3D冷却水管の受託造形を始める。
その後、プラスチックの成形工程の改善として、新たに目を向けたのが成形時のガス抜きの課題だ。「プラスチック成形において、ガスに起因するヤケ・白濁・ヒケ・バリなどは永遠の課題」と石井部長。金属3Dプリンタでガス抜き部品の開発、受託製作を始める。

同社が展開する成形不良対策部品「GASEXIT」(特許取得)は金属3Dプリンタで微細な貫通孔を施し、ガス抜きの課題となる箇所に最適な部品を提案。微細孔の入口はφ0・02~0・05㎜(±0・03㎜)になっており、樹脂が流れ込みにくく、適切にガス排出ができる仕組みでガス起因の成形不良を解決。「切削加工では出来ない形状を金属3Dプリンタで生み出すことで付加価値を高める」と石井部長。
また、ガス抜き部分の表面硬度はHRC44(窒化処理でHRC70も可能)と耐摩耗性に優れており、部品の長寿命化も期待できる。適用樹脂は汎用的な熱可塑性樹脂ほか、PBTやPPS、PA、LCP材などエンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂にも対応。石井部長は「ユーザーの課題に応じ、ランナーやエジェクタピン、スプルーブッシュ、カスタム形状など様々な部品を製作できる」と自信を見せる。現在は取引先も400社以上に拡大し、金型製作と同様に重要な事業の柱に成長している。

続けて、同社は今年、SKD61相当材に対応するソディック製金属3Dプリンタ「LPM325S」を導入した。ギガキャストなど需要の増加が見込まれるダイカスト市場向けに3D冷却水管(コンフォーマルクーリング)の受託製作を開始。「SKD61相当材の造形が可能になったことで、従来活用されてきたマルエージング鋼に比べ、冷却水管の長寿命化が図れる。すでに良好なテスト結果も出ており、思考錯誤を繰り返しながら、ダイカストの課題解決に取り組みたい」と新市場の開拓に目を向ける。
金型新聞 2023年11月10日
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