金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

15

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】2.脱炭素化

求められるスコープ3への対応

2050年の温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(CN)」の実現を目指す動きが活発化している。これまで直接的あるいは間接的なCO2排出量を示す「スコープ1・2』への対応に加え、自動車メーカーなどサプライチェーン全体を示す「スコープ3」への対応が求められている。また、今年は電気料金の高騰が相次いだことで企業経営を圧迫し、スコープ3への対応と同時に省エネによるコスト削減で経営体質の強化が課題となっている。

政府が「カーボンニュートラル」の目標を示した2020年以降、金型業界も脱炭素化(省エネ)に取り組む企業が増えた。代表的なものは「太陽光パネル導入」「コンプレッサや空調機器の刷新」「LEDライト導入」など。金型工場で電力消費の大きいコンプレッサや空調機器など大型設備を刷新すると、消費電力を大幅に削減できたという声も多い。加えて、太陽光パネルや風力発電機など再生可能エネルギーを活用し、工場内の消費電力を賄う動きも活発だ。

上石津工場太陽光パネル(J-MAX提供)

次にCO2削減でテーマになっているのが「機械加工」と「物流」だ。切削工具のリサイクルや再研磨など利活用をはじめ、機械加工の自動化で週末や夜間など電力負荷の低い時間帯に加工するなど機械加工現場の取り組みも出てきた。ある金型メーカー経営者は「電力消費の削減には(投資に対する)イニシャルコストはかかるが、長期的にコストダウンにつながる」と、設備毎の電力使用量の見える化を進める。

来年から喫緊の課題となるのが「物流の2024年問題」で、遠方へ金型を輸送することはCO2排出を含め大きな負荷となる。そのため、自社の輸送ルートを見直し、客先近くへ工場を建設する企業や、自社内にトライ機を導入し、客先で行っていたトライを内製し、金型の往復を減らす動きも出ており、物流に対する取り組みも重要だ。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

【特集】 現場改善のススメ

目次 PART1:トヨタに学ぶ改善術PART2:改善と女性 〜サイベックコーポレーション 平林  巧造社長に聞く〜PART3:改善が生んだ新ビジネスPART4:からくりで現場改善 〜からくり改善くふう展 オンラ…

進化する超硬加工ー特集ー

進化する超硬加工ー特集ー

切削は高速、研削は高効率  超硬合金を金型材料として使う動きが広がりつつある。これまでは長寿命化などのメリットはあるが、加工しづらいことがボトルネックとなり、一部の金型でしか利用されていなかった。しかし近年、切削加工がで…

既存設備で増産に成功した南信精機製作所のAM活用術

金型や部品の造形で金属AMを活用する際、必ず指摘されるのがコスト。装置の価格はもとより、粉末材料が高価なことに加え、設計や解析などに多くの工数が発生するため、どうしても製造コストは高くなる。一方で、高い冷却効果による生産…

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

トピックス

関連サイト