金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

10

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】2.脱炭素化

求められるスコープ3への対応

2050年の温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(CN)」の実現を目指す動きが活発化している。これまで直接的あるいは間接的なCO2排出量を示す「スコープ1・2』への対応に加え、自動車メーカーなどサプライチェーン全体を示す「スコープ3」への対応が求められている。また、今年は電気料金の高騰が相次いだことで企業経営を圧迫し、スコープ3への対応と同時に省エネによるコスト削減で経営体質の強化が課題となっている。

政府が「カーボンニュートラル」の目標を示した2020年以降、金型業界も脱炭素化(省エネ)に取り組む企業が増えた。代表的なものは「太陽光パネル導入」「コンプレッサや空調機器の刷新」「LEDライト導入」など。金型工場で電力消費の大きいコンプレッサや空調機器など大型設備を刷新すると、消費電力を大幅に削減できたという声も多い。加えて、太陽光パネルや風力発電機など再生可能エネルギーを活用し、工場内の消費電力を賄う動きも活発だ。

上石津工場太陽光パネル(J-MAX提供)

次にCO2削減でテーマになっているのが「機械加工」と「物流」だ。切削工具のリサイクルや再研磨など利活用をはじめ、機械加工の自動化で週末や夜間など電力負荷の低い時間帯に加工するなど機械加工現場の取り組みも出てきた。ある金型メーカー経営者は「電力消費の削減には(投資に対する)イニシャルコストはかかるが、長期的にコストダウンにつながる」と、設備毎の電力使用量の見える化を進める。

来年から喫緊の課題となるのが「物流の2024年問題」で、遠方へ金型を輸送することはCO2排出を含め大きな負荷となる。そのため、自社の輸送ルートを見直し、客先近くへ工場を建設する企業や、自社内にトライ機を導入し、客先で行っていたトライを内製し、金型の往復を減らす動きも出ており、物流に対する取り組みも重要だ。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

【鍛造金型特集】<br>日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く<br>熱間鍛造の動向

【鍛造金型特集】
日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く
熱間鍛造の動向

 鍛造は大きく熱間と冷間に分かれるが、重量ベースでは圧倒的に熱間が多い。成形品が比較的大きいことも理由の一つだ。一方で、金型はコストや納期の問題から圧倒的に内製率が高いという。自らも熱間鍛造部品を手掛ける、日本鍛造協会の…

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応 プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。 同社は冷…

デジタル活用で生産量を2~3倍に向上 鈴木工業【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 CAEの活用、データ作成の効率化 自動車用プレス金型…

日本金型工業会 業界連携WGリーダー 渡辺隆範氏に聞く【特集:日本金型工業会第14回定時総会】

異なる型種のアライアンス発足 元々、テーマに挙がっていたのは「価格決定力を向上」ワーキンググループ(WG)でした。テーマが広範なので、何ができるだろうと議論しました。以前から連携の重要性は認識していましたし、異なる型種の…

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -デジタル化-

PART2 打田製作所 社長・打田尚道氏に聞く「デジタル化」 トップの判断が必要不可欠 業務フローを簡素化し、  現場が楽になること目指す なぜ金型企業がデジタル化を進める必要があるか。ここでいうデジタル化を「人に依存し…

トピックス

関連サイト