金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

03

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】1.ギガキャスト

一体鋳造の流れ加速

「ギガキャスト」は今年最も注目を浴びたワードの一つ。定義は明確に決まっていないが、6000tを超える型締め力(1万6000tも発表されている)のダイカストマシンで複数の部品を一体成形する技術だ。

トヨタ自動車が今夏にギガキャストに着手すると発表して以降、リョービも6500tのマシン導入を決定するなど、金型業界でも注目を集めた。金型にとって影響が小さくないからだ。トヨタ自動車が発表した部品では、86部品33工程だったものを1部品1工程にできるため、金型点数の減少も懸念されている。

トヨタ自動車が発表したギガキャストで成形したリア部品(右)と従来品(左)

こうしたギガキャストに対応する動きも出始めている。新潟の米谷製作所と共和工業はギガ向け金型を共同開発すると発表した。ギガ向けの金型づくりを開始している。

一方、まだ明確に方向が固まっていないのも現実。テスラや中国のEVメーカーでは1万tクラスで、車全体を一体成形する動きがある。しかし、トヨタ自動車は3分割する方式を発表しているおり、実際にどれほどの大きさの型が必要とされるかは決まっていない。

吉利汽車が7200tのギガプレスで成形したリア部品

これには投資と既存設備の問題が大きい。リョービが発表した投資額は50億円と簡単に投資できない。また、国内や欧州メーカーは3000tクラスの成形機を多く持つため、これらを有効活用したいと考えるためだ。

もう一つが金型の運搬が難しいこと。道路交通法では国内で100t近くなる金型を運ぶには様々な手続きがある。

ただ、3500tのマシンで7000tサイズ成形品が造形できる低圧鋳造技術や、FSW(摩擦拡散接合)を活用し、従来部品を接合して大型化する技術なども発表されている。いずれにしても、ギガキャストの動向から目が離せない。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

進む自動化・見える化 複数の加工工程を集約する生産システムの構築【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

MOLDINO ギガキャスト、燃料電池の金型向け切削工具を販売開始

大型化、難削化、微細化に対応 切削工具メーカーのMOLDINO(東京都墨田区、03・6890・5101)は2月17日、ギガキャストや燃料電池の金型加工に適した新製品を販売すると発表した。今年1~2月にかけて3製品を販売開…

座談会 全景

新春座談会
金型メーカー4社が語る
新時代の経営戦略

独自の力を醸成 壁を乗り越える 新時代の経営戦略 座談会出席者(50音順) 伊吹機械 伊吹宏一営業部長  事業の80%がプレス金型、20%がプレス金型組込産業機械。プレス金型はこの20年で自動車関連の仕事が大幅に増え、7…

マツダが金型を作る理由【特集:自動車メーカーの金型づくり】

魂動デザインなど独自の哲学で「走る歓び」を追求するクルマづくりに取り組むマツダ。金型はそれを実現するための極めて重要なマザーツールだ。なぜ社内で金型を作り続けるのか。金型づくりを進化させるため取り組むこと、これから目指す…

〜精度よく、早く、安く・作る〜特集

〜精度よく、早く、安く・作る〜特集

高難度型を早く安く 自動化活用し品質安定  難易度の高い金型や、オンリーワン技術に高い付加価値があるのは当然。しかし、全てがそんな金型ばかりではない。大半の金型は、高精度は当然ながら「早く、安く」作ることが求められている…

トピックス

関連サイト