金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

15

新聞購読のお申込み

黒田精工 増加するモータコア需要に対応【特集:進む設備の大型化】

300t大型プレスを導入

黒田精工は昨年12月、モータコア金型などを手掛ける長野工場(長野県池田町)を拡張し、300t大型高速プレス機を導入した。ボルスター寸法の左右長さが3・7mの大型機で、2・3mや2・7mの既設機よりも大きい。大型設備を導入し、モータコア用金型の大型化需要に対応する考えだ。

新規導入した大型高速プレス機はアイダエンジニアリング製。金型事業部長を兼任する石井克則専務は同機種の選定理由について、「最も信頼性のある機械メーカーの一つだと考えている。剛性に優れ、精度が高く、機械寿命が長いことが選定の大きな理由だ」と語る。

長野工場に導入した大型プレス機

こうした大型設備を導入するのは金型が大型化しているからだ。もともと同社が手掛けていたコンプレッサなどの産業用モータコアは最大でも直径100㎜程度。一方、近年需要が増加している車載用モータコアは200~230㎜と大きく、同じ工程数でもこれまでよりも大型の金型が必要になる。

また、車載用モータコアは歩留まり改善と生産性向上のために、一つの金型内で複数生産する多列取りが進んでいる。特に2020年ごろから増え始め、現在同社が手掛ける金型はほとんどが多列金型だという。

そして、モータコア形状の複雑化も要因の一つだ。ロータに磁石を挿入する穴形状が多様化し、プレス工数が以前に比べ増加。「昔は同じ大きさのマグネットが均等に入る単純な構造だったが、現在は大小異なるマグネットを入れる構造になり、より細かく、複雑になった」(石井専務)。

25年に生産能力2.5倍に

こうした金型の大型化に伴い、同社ではプレス機だけでなく、金型を加工する設備の大型化も進めている。これまでにワイヤ放電加工機や門型マシニングセンタなどを導入。今後、ジグボーラーの増設なども検討しているという。加工能力を強化し、2025年には金型の生産能力を23年比で2・5倍に引き上げることを計画している。

多例取りが進むモーターコア

今後はさらなる大型高速プレス機の導入も検討しているという。「多列化が進む一方、1列でしか加工できない複雑なものもある。こうしたものでも多列取りを可能にするために、より大きな機械を導入し、技術開発を進めたい」(石井専務)。

同社の金型事業は10年で売上高が約3・5倍に拡大し、全体の4割以上を占めるまでに成長した。今後もEV市場の拡大とともに成長を続け、「ハイエンド電動車駆動用モータで当社技術を搭載したコアのシェアナンバーワンを目指す」(石井専務)。

会社概要

  • 本社:川崎市幸区堀川町580‐16
  • 電話:044・555・3800
  • 代表者:黒田浩史社長
  • 創立:1949年
  • 従業員:988人(連結)
  • 事業内容:金型システム事業、駆動システム事業、機工・計測システム事業

金型新聞 2024年3月10日

関連記事

愛知溶業 金型に優しい溶接修理【金型応援隊】

金型溶接補修を手掛ける愛知溶業は『金型に優しい溶接修理施工』をテーマに、溶接~機械加工の一気通貫体制で、品質向上と短納期化を図る。 創業は2005年と若い会社だ。市川修社長は「TIG溶接機2台を購入し、タウンページ片手に…

日立金属 工具鋼など全製品で価格改定

22年4-6月期納入分から 日立金属(東京都港区、03-6774-3001)はこのほど、原材料・副資材の価格およびエネルギー・輸送コストなどの高騰に伴い、2022年4‐6月期納入分から工具鋼など全製品で価格を改定すると発…

明輝 岩手・一関工場で挑む金型加工の効率化、高精度化【Innovation〜革新に挑む〜vol.2】

バンパーやグリルなどの自動車部品を中心に、家電製品、一般産業用品といった幅広い産業分野のプラスチック射出成形用金型を手掛ける明輝(神奈川県厚木市、046-224-2251)。同社は20年以上に渡ってMOLDINOの切削工…

武林製作所 「マスクのほね」がヒット」

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

ナゴヤダイス カン・コツをマニュアル化 【特集:技能伝承最前線】

ギアやシャフトなど自動車部品の冷間鍛造金型や精密プレス金型を手掛けるナゴヤダイス(名古屋市緑区)は金型製作における技術やノウハウのマニュアル化(言語化・数値化)を図り、若手の技能伝承や人材育成に活用している。20~30代…

トピックス

関連サイト