高熱伝導グラファイト複合素材の開発や製造を手掛けるサーモグラフィティクスは、金型向けのサービスを強化している。高熱伝導グラファイト(1700W /m・k)を金型の中に独自の複合化技術で埋め込み熱伝導率を高めることで高速昇…
Ring 分野や地域超えて拡大【金型の底力】
金型技術を原動力に
Ringは、金属の板をプレスし樹脂を一体化するインサート成形品や、複数の部品からなる組立製品を手掛ける。生産拠点も国内・海外とグローバルに展開している。事業拡大のコアとなっているのが金型技術だ。時代の変化に合わせて培った金型技術を生かし、新たな領域に挑戦し続けている。
手掛ける部品(完成品や半製品)の分野は幅広い。電子、医療、車載、家電、防災などに関連する部品。独自のノウハウで車載部品技術を医療部品に展開、その技術を防災部品などに応用し、分野を広げてきた。

販売するのはインサート部品や組立部品にとどまらない。金属フープ材料とセンサー用素子を金型にセットしプラスチック材料を充填して三種一体の複合成形品を生産できる装置など、ユーザーが自社工場で用いる設備も手掛ける。
それらの部品や生産設備は、本社や熊本をはじめ深圳、掲揚、カンボジア、フィリピンの計6拠点で生産する。グループで地域や分野を超えて総合的な提案ができるのが強みだ。大浦直人常務は、「国内外の多様な顧客のニーズに応え、事業を展開してきた」と話す。

事業方針に基づき2016年には社名を康永精密から「Ring」に改称した。昨年には小学校の跡地を購入し、熊本工場をリニューアル。今年は深圳工場を韶関に移転し拡張する計画。「多面展開には今後も力を入れていく」(大浦常務)。
事業の多角化やグローバルな供給網の原動力となっているのが金型だ。創業(1989年)時はスイッチ・板バネなどのプレス金型を手掛けていたが、その後は精密微細コネクタも手掛けるようになった。2006年にはプレス・プラスチック部品の成形加工やインサート成形加工を開始。当時、インサートで世界最小サイズのタクティールスイッチを製作するなど、金型や加工技術を年々進化させていった。
大量生産の金型を手掛けるようになり、プレス機にセットした金型の位置をダイヤルで調整できる仕組みや保全しやすい構造など、独自の改良を重ねていく。そうした使い手の視線に立った工夫が金型の技術を向上させ、部品事業の飛躍へとつながった。

10年ほど前から取り組んでいるのが、海外工場でも本社と同じ品質の金型を作れるようにすること。金型の材料や設計、加工プログラムなどをマニュアル化。そうすることで高性能の金型を現地で製作できるようになり、輸送時間やコストも大幅に削減できた。
今後は事業継承を円滑にするため、「マニュアル化」をベースに「金型のシステム化」に取り組んでいく。「誰もが加工できるシステムを作り、かつ1人がマルチスキルを持つ多能化を目指したい」(大浦常務)。
創業時の年商は3000万円だったが、この35年で25億円(23年8月期、国内のみ)に拡大。来期は30億円を目指す。達成するため次に注力していくのが商品開発。大浦常務は、「商品開発のノウハウを蓄え、将来は自社商品を手掛けるメーカーになりたい」と意気込む。

会社の自己評価シート

会社概要
- 本社: 大阪府八尾市南久宝寺1—26
- 電話:072・990・1305
- 代表者: 籾山典保社長
- 創立: 1989年
- 従業員: 1500人(国内:100人、海外:1400人)
- 事業内容: 金属プレス金型及びプラスチック成形金型の設計~販売・加工、インサート成形加工、自動・省力化設備の設計~販売など
金型新聞 2024年3月10日
関連記事
I‐PEX(京都市伏見区、075・611・7155)は3月28日付けで小西玲仁常務が社長に就任した。土山隆治社長は退任した。 小西玲仁氏は1971年生まれ、京都市出身。96年第一精工(現I‐PEX)に入社。2018年執行…
ツバメックス(新潟市西区、025-375-4945)はこのほど、4日1日付けで多田羅晋由氏が社長に就任する人事を発表した。山村福雄前社長は3月31日付けで辞任した。 多田羅氏は、1959年生まれ、大阪府出身。82年サンス…
モーターコア、電子部品好調 三井ハイテックが3月15日に発表した2021年1月期連結決算の売上高は、973億5100万円と前期比11.9%増となった。5Gや車載向けの半導体が堅調で電子部品が伸びたほか、電動車向けのモータ…
野宮産業は、工業用ブラシやブラシを使った自動機・洗浄機などを設計・製作するメーカー。顧客の要望に応じて作るオーダーメイド製作に強みを持つ。 同社の「金型清掃用ブラシ」は金型専用の毛材を使用しており、高温状態の金型を清掃で…


