金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

15

新聞購読のお申込み

Ring 分野や地域超えて拡大【金型の底力】

金型技術を原動力に

Ringは、金属の板をプレスし樹脂を一体化するインサート成形品や、複数の部品からなる組立製品を手掛ける。生産拠点も国内・海外とグローバルに展開している。事業拡大のコアとなっているのが金型技術だ。時代の変化に合わせて培った金型技術を生かし、新たな領域に挑戦し続けている。

手掛ける部品(完成品や半製品)の分野は幅広い。電子、医療、車載、家電、防災などに関連する部品。独自のノウハウで車載部品技術を医療部品に展開、その技術を防災部品などに応用し、分野を広げてきた。

昨年リニューアルした熊本工場

販売するのはインサート部品や組立部品にとどまらない。金属フープ材料とセンサー用素子を金型にセットしプラスチック材料を充填して三種一体の複合成形品を生産できる装置など、ユーザーが自社工場で用いる設備も手掛ける。

それらの部品や生産設備は、本社や熊本をはじめ深圳、掲揚、カンボジア、フィリピンの計6拠点で生産する。グループで地域や分野を超えて総合的な提案ができるのが強みだ。大浦直人常務は、「国内外の多様な顧客のニーズに応え、事業を展開してきた」と話す。

さまざまな分野の部品を手掛けている

事業方針に基づき2016年には社名を康永精密から「Ring」に改称した。昨年には小学校の跡地を購入し、熊本工場をリニューアル。今年は深圳工場を韶関に移転し拡張する計画。「多面展開には今後も力を入れていく」(大浦常務)。

事業の多角化やグローバルな供給網の原動力となっているのが金型だ。創業(1989年)時はスイッチ・板バネなどのプレス金型を手掛けていたが、その後は精密微細コネクタも手掛けるようになった。2006年にはプレス・プラスチック部品の成形加工やインサート成形加工を開始。当時、インサートで世界最小サイズのタクティールスイッチを製作するなど、金型や加工技術を年々進化させていった。

大量生産の金型を手掛けるようになり、プレス機にセットした金型の位置をダイヤルで調整できる仕組みや保全しやすい構造など、独自の改良を重ねていく。そうした使い手の視線に立った工夫が金型の技術を向上させ、部品事業の飛躍へとつながった。

本社工場での金型づくり作業

10年ほど前から取り組んでいるのが、海外工場でも本社と同じ品質の金型を作れるようにすること。金型の材料や設計、加工プログラムなどをマニュアル化。そうすることで高性能の金型を現地で製作できるようになり、輸送時間やコストも大幅に削減できた。

今後は事業継承を円滑にするため、「マニュアル化」をベースに「金型のシステム化」に取り組んでいく。「誰もが加工できるシステムを作り、かつ1人がマルチスキルを持つ多能化を目指したい」(大浦常務)。

創業時の年商は3000万円だったが、この35年で25億円(23年8月期、国内のみ)に拡大。来期は30億円を目指す。達成するため次に注力していくのが商品開発。大浦常務は、「商品開発のノウハウを蓄え、将来は自社商品を手掛けるメーカーになりたい」と意気込む。

大浦 直人常務

会社の自己評価シート

 「チーム力」「チャレンジ精神」「変化に対応する力」「未来に投資する力」に最高得点と高評価。同社は国内と海外の拠点を生かし、グローバルサプライチェーンの仕組みを構築している。また、ニーズの変化に対応しながら事業を拡大させてきた。今後も多面展開に注力していく。

会社概要

  • 本社: 大阪府八尾市南久宝寺1—26
  • 電話:072・990・1305
  • 代表者: 籾山典保社長
  • 創立: 1989年
  • 従業員: 1500人(国内:100人、海外:1400人)
  • 事業内容: 金属プレス金型及びプラスチック成形金型の設計~販売・加工、インサート成形加工、自動・省力化設備の設計~販売など

金型新聞 2024年3月10日

関連記事

広州丸順 中国金型メーカーと提携

受注拡大、相互補完を目指す 丸順の連結子会社・広州丸順汽車配件が中国四川省の金型メーカー成都普什汽車摸具と中国市場における金型及び自動車部品に関する戦略的業務提携契約を締結する。 市場拡大が続く中国自動車市場において、金…

テラスレーザー 女性溶接技術者カレンダーを作成

溶接機メーカーが企画 女性活躍の推進に レーザー溶接機を手掛けるテラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)はこのほど、ものづくり現場で活躍する女性溶接技術者の写真を掲載したカレンダーを作成した。今月から配布…

ゲートジャパン 企業のDX化伴走支援を展開

部品調達システム「Genie-us」を開発 精密金型部品から金型設計・製作など幅広い事業を行うゲートジャパン(京都市伏見区、075・661・0360)はDXの先進事例として優秀と認めた企業を表彰する「KANSAI DX …

マーポス アッコルシ氏が社長に就任

マーポス(東京都大田区、03-3772-7011)はこのほど、マッシミリアーノ・アッコルシ副社長が社長に就任した。 マッシミリアーノ・アッコルシ氏は1982年生まれ、イタリア出身。2007年フェラーラ大学機械工学科卒業後…

ものレボ TProjectと提携し「TULIP」の販売代理店に

製造現場の業務支援・改善プラットフォーム「TULIP」を販売するT Project(東京都江東区)と中小製造業のデジタル化を推進する工程管理SaaS「ものレボ」を提供するものレボ(京都市中京区)は業務提携し、ものレボが「…

トピックス

関連サイト