金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

22

新聞購読のお申込み

縁舞SPACEAGENT 人工衛星部品を製作

 金型メーカーなどと連携

金型設計や金型、部品、試作加工などを手掛ける縁舞(埼玉県志木市)が、航空宇宙部品に特化した別会社のSPACEAGENT(スペースエージェント、北海道大樹町)や金型メーカーなどと連携し、北海道科学大学が中心となって開発している人工衛星「HMU‐SAT2」に組み込まれる回転パネルユニットの製作に着手した。「HMU‐SAT2」は今年度中の打ち上げを目指しており、今後の準量産を見据え、金型技術を応用した。

製作しているのは、4枚のパネルで構成される回転パネルユニット。金型メーカーの他、成形メーカーや金型部品メーカー、化学メーカーなどが連携。縁舞・SPACEAGENTは設計マネジメント、監修、品質保証などを手掛ける。

北海道科学大学が中心となって開発中の「HMU-SAT2」

パネルにはアルミニウム合金と宇宙空間に適したPEI樹脂「ウルテム」(SABIC社)を特殊な溶着技術で一体化させた材料を用いる。また、パネルを駆動させる機構には金属射出成形(MIM)によるギヤ(SUS360)と軸ピンをインサート成形した部品を使用。補助ギヤには超高分子量ポリエチレンを成形する特殊技術を活用する。

縁舞の鷹尾伸一社長は、「人工衛星全体に組立のはめ合い、摺動クリアランス、位置決めなどの金型技術が随所に散りばめられている。今後も金型技術を応用し、航空宇宙部品の需要を取り込んでいきたい」と語る。

同社は2020年に設立。バイオ・生分解性樹脂などの金型やモジュールの設計、試作加工などを手掛ける。同社設立後、別会社のSPACEAGENTを立ち上げ、航空宇宙部品の開発支援、設計、試作なども手掛ける。今年3月には同社が構想する国際ゴミ宇宙ステーション事業が「STARTUP HOKKAIDO スペースアクセラレータープログラム」(主催:STARTUP HOKKAIDO実行委員会)に採択された。

金型新聞 2024年4月10日

関連記事

NTTデータエンジニアリングシステムズ 5軸導入の支援拠点

  自動化など発信 NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、NDES)はこのほど、沖縄県うるま市に5軸加工や金型づくりの自動化を支援する「Mold Future Space‐OKINAWA(MFS)」を開設…

南武 インドに現地法人設立

現地企業開拓に注力 金型用中子抜き油圧シリンダーメーカーの南武(神奈川県横浜市、045・791・6161)はこのほど、インド南部のチェンナイ市に現地法人を開設した。1月から営業を開始し、日系企業だけでなく、ローカル企業へ…

明輝 黒柳会長お別れの会、500人が参列

プラスチック金型メーカー、明輝(神奈川県厚木市、黒柳貴宏社長)の会長で5月5日に78歳で亡くなった黒柳告芳氏の「お別れの会」が7月24日、東京千代田区の東京會舘で開かれた。取引先や業界関係者、OBなど約500人が参列し、…

Ring 分野や地域超えて拡大【金型の底力】

金型技術を原動力に Ringは、金属の板をプレスし樹脂を一体化するインサート成形品や、複数の部品からなる組立製品を手掛ける。生産拠点も国内・海外とグローバルに展開している。事業拡大のコアとなっているのが金型技術だ。時代の…

金型メーカー 人事

敬称略、カッコ内旧職 三井ハイテック 3月1日付 成田和雄(モーターコア事業本部長付部長)モーターコア事業本部モーターコア事業企画部長兼グローバル企画部長 国枝亮(モーターコア事業本部モーターコア事業企画部長兼グローバル…

トピックス

関連サイト