金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

19

新聞購読のお申込み

関東製作所 渡邉社長インタビュー 【特集:営業ってどうする?】

デジタルマーケティングで見込客を獲得

近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件を超える関東製作所はデジタルマーケティングを取り入れ、新たな顧客開拓に乗り出した。同社の渡邉社長に今後の営業活動や人材について話を伺った。

関東製作所 渡邉章社長

金型メーカーの営業について。

これまで金型メーカーの営業活動は量産メーカーを訪問し金型を受注していたが、発注するタイミングでなければ注文がもらえず、新規開拓時もすでに発注先があったり、価格交渉など不効率な側面も多かった。そこで営業の仕事を細分化し、受注獲得までの工程で、見込客を見つけるまでをマーケティングが担当し、実受注につなげる活動を営業に分け、引き合いを得るための手段としてデジタルマーケティングに力を入れた。

どんな仕組みですか。

まずは展示会やセミナーで得た名刺をもとに、MAツールを活用したメルマガ配信(自動配信)、コーポレートサイト、ソリューションサイト、オウンドメディアなど様々なコンテンツを設け、ユーザーからのアクセスを促し、何に関心を示しているかなどニーズを掴んだ上で顧客とコンタクトを取る手法を採用した。

その効果は。

これまで新規開拓は数年に一度の確率だったが、現在は年間500件の新規引き合いが来ており、受注につながる確率は5%ほどだ。直近はSEO対策で上位検索されるようになり、月間セッション数は5万(ユーザーの訪問回数)と大手メーカーをはじめ、様々なユーザーから問合せが来るようになった。

デジタルマーケティングで重要なことは。

自分たちの強みを表現しないと効果は薄い。金型メーカーなら超精密加工や短納期などPRポイントがある。または、東北エリアで同じ強みを持つ金型メーカーがないなどエリア戦略も有り得る。

今後の取り組みは。

今年からCRMツール(顧客管理)を導入し、情報の一元化や生成AIで有力な見込客を見極め、自動でメルマガ配信など角度の高い顧客へのヒット率を高める。さらに、ソフトウェアを活用し、受注までの営業の工程をサポートする仕組み(見積もり依頼や問合せする日をソフトウェアが指示)も構築していく。

人材育成では。

最終的に受注につなげるのは人であり、専門技術が必要。当社では成形技術者や生産準備担当者を営業に抜擢した。現場の人は話下手も多いが、デジタルでサポートしながら、知識やノウハウが求められる部分に注力できる環境を整えることが重要だと思う。

金型新聞 2024年5月10日

関連記事

keg 圧倒的に少ない揮発ロス【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

独オイルヘルド社製「Iono Plus IME‐MH」、2年間無給油の事例も 独オイルヘルド社製の「Iono Plus IME‐MH」は世界各国で使用されているグローバルスタンダードな放電加工油。高精度な化学合成油がベー…

【鳥瞰蟻瞰】スワニー 社長・橋爪良博氏 一気通貫の体制で生産性向上

分業せずに生産性向上一人で開発から製造まで育成には失敗できる環境が大事 大企業に限らず日本の製造業の多くが分業でものづくりを行っています。複数の人員が役割を分担して行う分業という仕組みは、効率良く生産するための有効な手段…

直彫加工のニーズに応え、横型の微細加工機を開発 塚田良彦氏(東洋機械製作所 取締役Th事業部長)【この人に聞く】

長年、工作機械や放電加工機メーカーのOEMやODMを手掛けてきた東洋機械製作所。鋳造から機械設計、製作、塗装、組立までを手掛ける能力の高さから多く機械メーカーの製品の設計や製造を請け負ってきた。そんな同社が35年ぶりに自…

堀江亜衣奈さん 醍醐味は職人技の瞬間【ひと】 

「六角パンチやピンの研削加工では多少寸法のズレが発生するため、補正するのが常ですが、狙い通りに寸法がハマッた瞬間はヨシッとガッツポーズします」と笑顔を見せるのは堀江亜衣奈さん(22)。精密鍛造金型や部品を手掛ける阪村エン…

【金型の底力】日本精機 金属3Dプリンタの技術や知見を蓄積

ダイカスト金型メーカーの日本精機は金属3Dプリンタを活用した金型づくりに本格的に乗り出す。7月に金属3Dプリンタ2台を導入した。きっかけはSKD61相当材で造形が可能になり、金型への適用領域の可能性が広がってきたこと。ま…

トピックス

関連サイト