金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

24

新聞購読のお申込み

関東製作所 渡邉社長インタビュー 【特集:営業ってどうする?】

デジタルマーケティングで見込客を獲得

近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件を超える関東製作所はデジタルマーケティングを取り入れ、新たな顧客開拓に乗り出した。同社の渡邉社長に今後の営業活動や人材について話を伺った。

関東製作所 渡邉章社長

金型メーカーの営業について。

これまで金型メーカーの営業活動は量産メーカーを訪問し金型を受注していたが、発注するタイミングでなければ注文がもらえず、新規開拓時もすでに発注先があったり、価格交渉など不効率な側面も多かった。そこで営業の仕事を細分化し、受注獲得までの工程で、見込客を見つけるまでをマーケティングが担当し、実受注につなげる活動を営業に分け、引き合いを得るための手段としてデジタルマーケティングに力を入れた。

どんな仕組みですか。

まずは展示会やセミナーで得た名刺をもとに、MAツールを活用したメルマガ配信(自動配信)、コーポレートサイト、ソリューションサイト、オウンドメディアなど様々なコンテンツを設け、ユーザーからのアクセスを促し、何に関心を示しているかなどニーズを掴んだ上で顧客とコンタクトを取る手法を採用した。

その効果は。

これまで新規開拓は数年に一度の確率だったが、現在は年間500件の新規引き合いが来ており、受注につながる確率は5%ほどだ。直近はSEO対策で上位検索されるようになり、月間セッション数は5万(ユーザーの訪問回数)と大手メーカーをはじめ、様々なユーザーから問合せが来るようになった。

デジタルマーケティングで重要なことは。

自分たちの強みを表現しないと効果は薄い。金型メーカーなら超精密加工や短納期などPRポイントがある。または、東北エリアで同じ強みを持つ金型メーカーがないなどエリア戦略も有り得る。

今後の取り組みは。

今年からCRMツール(顧客管理)を導入し、情報の一元化や生成AIで有力な見込客を見極め、自動でメルマガ配信など角度の高い顧客へのヒット率を高める。さらに、ソフトウェアを活用し、受注までの営業の工程をサポートする仕組み(見積もり依頼や問合せする日をソフトウェアが指示)も構築していく。

人材育成では。

最終的に受注につなげるのは人であり、専門技術が必要。当社では成形技術者や生産準備担当者を営業に抜擢した。現場の人は話下手も多いが、デジタルでサポートしながら、知識やノウハウが求められる部分に注力できる環境を整えることが重要だと思う。

金型新聞 2024年5月10日

関連記事

自動化で変わる人材 マルチ技術者を育成【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

グループシナジー生かす ALPHA LASER JAPAN 木元武一社長 【この人に聞く】

ギガキャスト向け提案強化 独ALPHA LASER社のレーザー溶接機を正規輸入販売するALPHA LASER JAPAN(佐賀県鳥栖市、0942・50・9662)は今年6月、金型製作や溶接補修などを手掛けるGALAXYホ…

「現場で活躍できる人材育て、学生の未来を後押しする」 大分県立工科短期大学校校長・䑓博治氏[鳥瞰蟻瞰]

入社したその日から金型づくりや保全の現場で活躍できる。当校の機械システム系金型エンジニアコースはそんな人材を育てています。アカデミックな指導はしません。指導するのはあくまで金型をつくり、使う実践の現場で必要な技術や知識で…

寿原テクノス ガス抜きや冷却技術開発【特集:ダイカスト最前線】

エンジンやステアリング部品など鋳造800~1250tクラス(最大2500tまで)を得意とするダイカスト金型メーカーの寿原テクノスはダイカストの課題を解決する新たな金型技術を次々に発表し、ダイカスト製品の高品質化やサイクル…

【特集】最新技術の使いこなし術

工作機械や工具、ソフトウェアなど金型づくりを支えるツールの進歩はすさまじい。こうしたツールの進化によって、加工精度は飛躍的に向上した。加工速度や微細化、自動化、計測技術なども数年前とは比較にならないほど性能や機能が進化し…

トピックス

関連サイト