金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

09

新聞購読のお申込み

関東製作所 渡邉社長インタビュー 【特集:営業ってどうする?】

デジタルマーケティングで見込客を獲得

近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件を超える関東製作所はデジタルマーケティングを取り入れ、新たな顧客開拓に乗り出した。同社の渡邉社長に今後の営業活動や人材について話を伺った。

関東製作所 渡邉章社長

金型メーカーの営業について。

これまで金型メーカーの営業活動は量産メーカーを訪問し金型を受注していたが、発注するタイミングでなければ注文がもらえず、新規開拓時もすでに発注先があったり、価格交渉など不効率な側面も多かった。そこで営業の仕事を細分化し、受注獲得までの工程で、見込客を見つけるまでをマーケティングが担当し、実受注につなげる活動を営業に分け、引き合いを得るための手段としてデジタルマーケティングに力を入れた。

どんな仕組みですか。

まずは展示会やセミナーで得た名刺をもとに、MAツールを活用したメルマガ配信(自動配信)、コーポレートサイト、ソリューションサイト、オウンドメディアなど様々なコンテンツを設け、ユーザーからのアクセスを促し、何に関心を示しているかなどニーズを掴んだ上で顧客とコンタクトを取る手法を採用した。

その効果は。

これまで新規開拓は数年に一度の確率だったが、現在は年間500件の新規引き合いが来ており、受注につながる確率は5%ほどだ。直近はSEO対策で上位検索されるようになり、月間セッション数は5万(ユーザーの訪問回数)と大手メーカーをはじめ、様々なユーザーから問合せが来るようになった。

デジタルマーケティングで重要なことは。

自分たちの強みを表現しないと効果は薄い。金型メーカーなら超精密加工や短納期などPRポイントがある。または、東北エリアで同じ強みを持つ金型メーカーがないなどエリア戦略も有り得る。

今後の取り組みは。

今年からCRMツール(顧客管理)を導入し、情報の一元化や生成AIで有力な見込客を見極め、自動でメルマガ配信など角度の高い顧客へのヒット率を高める。さらに、ソフトウェアを活用し、受注までの営業の工程をサポートする仕組み(見積もり依頼や問合せする日をソフトウェアが指示)も構築していく。

人材育成では。

最終的に受注につなげるのは人であり、専門技術が必要。当社では成形技術者や生産準備担当者を営業に抜擢した。現場の人は話下手も多いが、デジタルでサポートしながら、知識やノウハウが求められる部分に注力できる環境を整えることが重要だと思う。

金型新聞 2024年5月10日

関連記事

~ひと~
武林製作所 技術部 山中 慎也さん(39)

指先でミクロンとらえる磨きの達人  指先はミクロンの誤差をとらえる。神経を研ぎ澄まし、砥石に力を加え、鏡面に仕上げていく。その技能で「なにわの名工若葉賞」にも選ばれた。金型磨きの達人だ。  整備士として勤めていた車の販売…

メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

型種や工法の壁無くし、デジタルを活用 【変わるトヨタの型づくり】

モビリティカンパニー目指し、金型づくりを大変革 クルマを造る会社から、多様な移動手段を提供する「モビリティカンパニー」に変化するトヨタ自動車。モノづくりでも変革を進めている。2020年に試作や量産など内製部門を集約した「…

アクスモールディング 押出成形金型の設計簡易化【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

廃棄部分の再利用も可能に 高機能フィルムの製造に適した押出成形金型「Tダイ」などの設計を手掛けるアクスモールディング。同社は、今年の3月にソディックの金属3Dプリンター「LPM325S」を導入。押出成形金型の設計の簡易化…

海外人材の採用と育成の心得 佐藤 修一氏(東栄精工 社長)【この人に聞く】

人手不足や採用難で悩む金型メーカーは多い。対応策として海外人材や女性など多様な人材活用の重要性が指摘されている。しかし、そうした人材を生かすには職場の環境や社員の意識を変えるなど簡単ではない。プラスチック金型メーカーの東…

トピックス

関連サイト