金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

28

新聞購読のお申込み

北米市場で連携促す 松岡寛高氏(七宝金型工業社長)【この人に聞く】

ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業・松岡寛高社長はアメリカ、カナダ、メキシコの北米市場の開拓に向けて、金型メーカーが手を取り合い、設備、技術、営業活動でサポートし合うパートナーシップを進めている。同社は2015年にメキシコに工場を建設。日系や欧米メーカー、現地ローカル企業の開拓を図ってきたが、広大な国土や商習慣の違い、中国など海外との競争など1社で展開する難しさを感じる。松岡社長は「日本の金型メーカー同士が横のつながりを強化し、連携し合えれば、北米市場の開拓も可能性がある」と語る。その思いを聞いた。

松岡寛高氏(七宝金型工業社長)

横のつながりを強化

連携を模索する背景は。

2015年にメキシコへ進出したが、北米市場は低価格な中国の金型メーカーに押され気味で、価格、納期、ギガキャストなど大型需要に対し、1社だけで対応するのは難しいと感じたが、数社でサポートし合うことができれば、対応できることも増える。

どのような連携を。

当社にはメキシコ工場があり、北米でアメリカの金型メーカーや北米に進出する日系金型メーカー、現地メーカーとも連携し、北米で様々なサービス拡充を図っている。金型のビジネスは顧客のそばに工場(拠点)がある方が有利。連携することで金型の修理やメンテナンスを連携先へ委託することや、自社とは異なる型種の話が来ても連携先に相談できるなど、設備、技術、営業面で互いの情報や強みを共有し、様々な需要、ニーズに対応できる。海外の金型メーカーは企業規模や資金力を持ち、技術強化も図っている。対抗するには日本の金型メーカーが一致団結することが必要だ。

そのメリットは。

昨今、日本の金型市場は低迷しており、今後も減少する可能性がある。打開するには新たな市場を切り拓くしかない。北米は日系だけでなく、欧米やローカル企業が存在する魅力的な市場。これまで日本の金型メーカーは顧客が海外展開すると、同じく顧客のそばへ海外進出していたが、現地の欧米企業やローカル企業の開拓に積極的ではなかった。その市場を中国など海外企業に奪われているが、彼らには現地工場がない。金型は製作だけでなく、アフターサービスも重要であり、日本の企業同士が連携すれば、新市場の開拓もできる。

課題となるのは。

企業連携はいかにWIN‐WINの関係を構築できるかが重要。当社もメキシコ市場で営業活動も行っており、連携先の代わりに営業することもできる。だが、金型には各社特有のノウハウがあり、技術面では互いに信頼し合える関係でなければ成立しない。当社と異なるサイズや型種など各社の得意分野、技術、設備、人材を持ち寄り、総合的に活かすことで、北米という大きな市場を一緒に開拓していきたい。

金型新聞 2024年6月10日

関連記事

新しい価値の金型を
キヤノンモールド 斎藤憲久社長に聞く

 キヤノンモールドが発足したのが2007年。前身のイガリモールドとキヤノンの金型部門で伝承されてきた技能や最新技術など互いの得意分野の融合を図ってきた。「新しい価値を生み出す金型メーカーを目指したい」と語る、昨年4月に同…

この人に聞く
オークマ 家城 淳社長に聞く

 令和元年に新社長に就任したオークマ・家城淳社長。市場が不透明化している中、「機電情知一体」「日本で作って世界で勝つ」を掲げるオークマの今後について家城社長の思いを聞いた。  家城淳社長愛知県出身。85年大隈鉄工所(現オ…

経産省素形材産業室 星野昌志室長が語る「素形材産業ビジョン」に込めた思い

経済産業省は3月28日、金型を始めとした日本の素形材産業が今後進むべき方向性についてまとめた「素形材産業ビジョン」を12年ぶりに公表した。3代目となる2025年版ビジョンでは、日本の素形材産業の現状や課題をまとめ、204…

不二精工 淡路島で新工場を稼働し、大型化対応や研究開発を強化【金型の底力】

同社は1920年の創業で、接点などの電子機器向けのプレス部品を強みに業容を拡大してきた。近年は、車載部品での採用も進んでおり、その精密な金型とプレス技術は世界中で認められている。 例えばスマートウォッチに搭載された気圧セ…

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

トピックス

関連サイト