金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

19

新聞購読のお申込み

この人に聞く2017
安田工業 安田 拓人社長

微細加工の大型化に対応

 工作機械の「マザーマシン」として世界で高い評価を得ている安田工業。近年、金型業界でもニーズが高まる微細加工向けとしてJIMTOF2016で「YMC650」を発表し微細加工分野の開拓に努めている。安田拓人社長に微細加工分野における戦略を聞いた。

ニーズに応える技術

安田 拓人社長

 1969年3月生まれ。94年安田工業入社、99年に常務取締役、2009年代表取締役に就任。

 ―「YMC650」の開発背景と特長は。
 09年に微細加工向けの「YMC430」を発売しました。主軸4万回転・全軸リニアモータ仕様で、1ミクロン以下の加工精度が出せると評判になり販売も好調です。自社製ロータリーテーブルを搭載した5軸仕様も徐々に伸びており、微細加工市場の拡大を実感していました。そこで製品のバリエーションを広げようと、より大きなワークを想定した「YMC650」を開発しました。移動量X軸600㎜、Y軸500㎜とストロークを大きくしつつ、当社独自の機体温度制御システムによりスピンドル内部まで冷却液を循環させることで、長時間安定して高精度加工できることが大きな特長になります。

―想定する市場は。
 カメラレンズやコネクターなど電子部品が拡大していると見ています。「YMC650」の想定市場はまだはっきりとしていませんが、燃料電池のセパレーターの金型や自動車用ヘッドランプのレンズ金型などがあると思います。

YMC650

YMC650


―今後の販売戦略は。
 微細加工では機械のみならず、加工技術、プログラミング、治具、工具測定などあらゆる要素が必要ですが、特にお客様に提案できる加工技術を持たなくてはいけません。そこで微細加工の加工研究に力を入れていきます。お客様からのテスト加工はもちろん、独自の加工研究で面粗度を上げる方法(加工条件)や超硬など新素材のテスト加工などで技術の蓄積を図っていきます。現在、本社工場のテスト加工現場を刷新中で、二重の恒温室(22℃±0・2℃)を作り上げ、そこに「YMC650」などを設置し、徹底した温度管理の下でテスト加工が行えるようにしていきます。

―今後強化していくことはどんな所ですか。
 強化しているのはソフト面です。5軸の芯出しや測定など高精度加工を簡単にする「新OpeNe」というインターフェースやYASDAコネクトというIoTに関連する機能で、温度管理や加工誤差など機械の見える化を図り、お客様に機械能力を100%使ってもらうための機能を充実させていきます。

金型新聞 平成29年(2017年)3月10日号

関連記事

「金型業界で働く女性の声や悩みにも耳を傾けて」名古屋精密金型営業部部長・渡邊祐子氏

インターモールド大阪では4月20日、女性雇用のメリットや現場の男女共同参画などを討論する特別イベントが開かれる。労働人口減少により製造業は女性の活躍が課題で、金型業界も働き方改革など取組みが始まっている。日本金型工業会で…

【インタビュー】プロトラブズ ・今井 歩社長「当日出荷を開始」

オンデマンド受託製造を手掛けるプロトラブズ(神奈川県座間市、046-203-9100)は今年6月から、CNC切削加工サービスで「当日出荷オプション」の提供を開始した。これまで標準3日、最短翌日だった出荷をさらに短縮する。…

トヨタ紡織と技術協定<br>岩手大学

トヨタ紡織と技術協定
岩手大学

 今年3月、岩手大学と自動車部品メーカーのトヨタ紡織は生産技術開発を中心とした連携で包括協定を結んだ。両者は今後6年に渡り、生産技術のほか、幅広い分野で共同研究を進めていく。「大学全体で連携し、技術開発だけでなく、学生の…

金型磨きロボット開発<br>近畿大学・理工学部 原田 孝教授

金型磨きロボット開発
近畿大学・理工学部 原田 孝教授

パラレルで力制御、高速・高精度  金型を自動で磨くロボットはかねてから望まれ、機械メーカーや研究機関が開発に挑んできた。近畿大学理工学部の原田孝教授もそのひとり。昨年、パラレルリンクやDDモータにより微妙な力加減を緻密に…

【ひと】ベントム工業社長・本田大介さん システム会社を立ち上げた金型経営者

システム会社立ち上げた金型経営者  クラシック音楽事務所の営業から父親が創業した鋳造・ダイカスト金型メーカーに転職。会社を受け継いだ後、工程管理を手掛けるシステム開発会社を設立した。異色の金型経営者だ。  入社した当初は…

関連サイト