金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

29

新聞購読のお申込み

【特集:技能レス5大テーマ】4.磨きレス

新被膜やPCDでサブミクロン

仕上げや組付けなど金型の品質を決める領域には人の手は欠かせない。磨き工程もその一つ。しかし、磨きには時間や人手がかかることから、できるだけ機械加工で追い込み、磨きを減らしたいという声は多い。こうしたニーズを受け、「磨きレス」を可能にする技術が進化している。

磨きレスを実現するために欠かせない大きな要素は工作機械と切削工具。工作機械では、ナノクラスの制御が可能なマシンが多数登場。機械温度の補正を自動で行うことで常に最適な条件下で加工できる機能や、高速回転のスピンドルユニットによる鏡面加工システムなども開発されている。

また、鏡面性が求められるレンズ加工でも磨きレスは進化している。機械加工だけで、形状精度2μm、表面粗さ0・009μmクラスの加工まで可能になっている。

もう一つ磨きレスを実現する上で重要な要素が切削工具。中でも、コーティングや素材の進化は大きい。コーティング技術が進化したことで、仕上後の磨きがペーストのみで可能になったり、職人でなくても磨きができるレベルにまで面品位が向上したりするケースもある。

素材面では、磨きレスや鏡面加工を可能にするCBNやPCDの採用も増えている。PCD工具では、近年増加している高硬度材でサブミクロンレベルの表面粗さの仕上加工も可能になっている。

一方、磨きレスを実現にするには工具だけでは不十分で、ノウハウや工法の転換も欠かせない。荒加工から精密に加工することで、磨きや仕上を減らすなどトータルの加工時間短縮にもつながる。

微細や精密な部品が増える中で、金型に求められる精度は年々向上しており、磨きの精度も高くなっている。人手不足や技能者不足が懸念される中で、「磨きレス」を極めることも競争力の向上に重要な要素になっている。

金型新聞 2024年7月10日

関連記事

牧野フライス製作所 執行役員 高山幸久営業本部長に聞く【特集:進む設備の大型化】

大型機組立工場新設の理由 牧野フライス製作所は昨年末、山梨県富士吉田市に大型加工機の組み立て工場を新設すると発表した。12年ぶりの新工場で、総額210億円を投資し、大型加工向けを強化する。2026年初めに本格稼働する予定…

ナゴヤダイス カン・コツをマニュアル化 【特集:技能伝承最前線】

ギアやシャフトなど自動車部品の冷間鍛造金型や精密プレス金型を手掛けるナゴヤダイス(名古屋市緑区)は金型製作における技術やノウハウのマニュアル化(言語化・数値化)を図り、若手の技能伝承や人材育成に活用している。20~30代…

三協オイルレス工業 加工力3.3倍のカムユニット

厚板・ハイテンに対応 三協オイルレス工業(東京都府中市、042-364-1471)はこのほど、最大加工力を同社従来品比約3.3倍の98.0kNに高めたカムユニット「SDCHL」を発売した。下置きタイプで、厚板材や高張力鋼…

牧野フライス製作所 大型加工機のレトロフィットを強化

大型機中心に年20台 牧野フライス製作所は、大型加工機を中心にレトロフィットやオーバーホール事業を強化する。年間で最大20台程度対応できる体制を整え、今年度内には同事業の売上高を3~5億円を目指す。 子会社の牧野技術サー…

七宝金型工業 ポーラス金型の検証開始

ダイカストの技術革新へ ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は金属3Dプリンタ—を活用し、ポーラス金型(多孔質金型)の実用化に向け研究を進めている。金型内部から離型剤を染み出す構…

トピックス

関連サイト