金型メーカーの生産性向上が急務だ。少子高齢化による人手不足の深刻化に加え、金型メーカー事業所数の減少により1社当たりの生産負担が増加し、より多くの金型を生産できるかが金型メーカーの持続的成長の重要な要素の一つとなっている…
【特集:技能レス5大テーマ】4.磨きレス
新被膜やPCDでサブミクロン
仕上げや組付けなど金型の品質を決める領域には人の手は欠かせない。磨き工程もその一つ。しかし、磨きには時間や人手がかかることから、できるだけ機械加工で追い込み、磨きを減らしたいという声は多い。こうしたニーズを受け、「磨きレス」を可能にする技術が進化している。
磨きレスを実現するために欠かせない大きな要素は工作機械と切削工具。工作機械では、ナノクラスの制御が可能なマシンが多数登場。機械温度の補正を自動で行うことで常に最適な条件下で加工できる機能や、高速回転のスピンドルユニットによる鏡面加工システムなども開発されている。

また、鏡面性が求められるレンズ加工でも磨きレスは進化している。機械加工だけで、形状精度2μm、表面粗さ0・009μmクラスの加工まで可能になっている。
もう一つ磨きレスを実現する上で重要な要素が切削工具。中でも、コーティングや素材の進化は大きい。コーティング技術が進化したことで、仕上後の磨きがペーストのみで可能になったり、職人でなくても磨きができるレベルにまで面品位が向上したりするケースもある。
素材面では、磨きレスや鏡面加工を可能にするCBNやPCDの採用も増えている。PCD工具では、近年増加している高硬度材でサブミクロンレベルの表面粗さの仕上加工も可能になっている。

一方、磨きレスを実現にするには工具だけでは不十分で、ノウハウや工法の転換も欠かせない。荒加工から精密に加工することで、磨きや仕上を減らすなどトータルの加工時間短縮にもつながる。
微細や精密な部品が増える中で、金型に求められる精度は年々向上しており、磨きの精度も高くなっている。人手不足や技能者不足が懸念される中で、「磨きレス」を極めることも競争力の向上に重要な要素になっている。
金型新聞 2024年7月10日
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