金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

14

新聞購読のお申込み

顧客目線で課題に応じた提案 金子善昭氏(MOLDINO社長)【この人に聞く】

今年4月、切削工具メーカーのMOLDINO(モルディノ)の社長に就任した金子善昭氏。親会社の三菱マテリアルで国内の営業企画や米国のマーケティング担当を務めた他、戦略部長や営業本部長を歴任した。金型加工に適した工具を多くそろえる同社ではどんな取り組みに注力するのか。今後、金型産業に対してどんな製品やソリューションを提供していくのか。同氏に聞いた。

MOLDINO社長 金子善昭(かねこ・よしあき)氏
1963年生まれ、東京都出身。86年明治大学卒業。92年三菱マテリアル入社、2005年三菱マテリアルツールズ営業企画部長、10年米国三菱マテリアルマーケティングディレクター、15年三菱マテリアル加工事業カンパニー戦略部長、18年同営業本部長、24年MOLDINO社長に就任し、現在に至る。

ユーザーとの接点増やす

国内の金型産業の課題をどうみているか。

労働人口減少による人手不足や技術承継の問題、激化する価格競争による収益性の低下といった課題がある。また、取引環境の改善も収益性を確保する上で非常に重要な課題と認識している。

こうした課題に対して、取り組むことは。

今後の金型産業に求められるのは、いかに自動化やデジタライズ化させ、合理的に生産していくか。実現には工程全体を考えた改善が必要となるが、ユーザー単独で取り組むのは難しい。当社は15年ほど前から加工費を半減させる「PRODUCTION50」というコンセプトを提案している。工具だけでなく、CAMなども含めた工法提案を行い、コスト低減や生産性の向上に貢献できる。

具体的な製品やソリューションは。

昨年発売した高能率側面切削用エンドミル「ER5HS‐PN」は既存の等高線加工ではなく、負荷制御ツールパスなどと呼ばれるCAMの機能を使って工具の刃長全体で加工する。工具単体ではなく、工法も含めて提案している一例だ。当社はこうした提案をお客さま目線でそれぞれの課題に応じて提供する。例えるなら、市販薬を販売するドラッグストアではなく、患者の症状に合わせて薬を処方する町医者。しっかりと診断し、症状に応じた治療を提供できるのが強みだ。

注力する取り組みは。

エンドユーザーとの接点を増やす。展示会に積極的に出展する他、デジタルマーケティングも強化する。また、当社の技術員をお客さまの現場に派遣し、より踏み込んだ技術提案を提供していく。現場で得られた情報は開発にフィードバックし、新しい製品や提案につなげる。

注力する開発テーマは。

一つは精密化。モータ、バッテリーなどの小型精密部品向け金型の加工に対応する工具開発に注力する。もう一つは大型化。ギガキャストに代表される一体化部品などによって大物加工のニーズは増えるとみている。深い加工に対応する工具などの開発を進める。

どんな企業にしていきたいか。

当社は社名とブランド名が同じ。企業の価値を高めることがすなわちブランドの価値を高めることになる。働く人たちの意識が高ければ、品質の高い商品を生み出すことが可能になる。それを実現するために人材育成や社内制度の整備などに取り組み、今後も金型産業の課題解決に貢献できる企業を目指す。

金型新聞 2024年10月10日

関連記事

2021年に売上高50億円
オネストン 鈴木 良博社長に聞く

 パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎える。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」をテーマにした特殊品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・…

齋藤俊明さん 金型若手経営者が集う「天青会」会長【ひと】

今年5月、日本金型工業会東部支部の若手経営者が集う『天青会』の第52代会長に就いた。会員が減少傾向にある中、「もう一度“にぎわい”を取り戻したい」。卒業したOBにもイベントへの参加を呼びかけ、交流の輪を広げる考えだ。 埼…

北米市場で連携促す 松岡寛高氏(七宝金型工業社長)【この人に聞く】

ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業・松岡寛高社長はアメリカ、カナダ、メキシコの北米市場の開拓に向けて、金型メーカーが手を取り合い、設備、技術、営業活動でサポートし合うパートナーシップを進めている。同社は2015年にメキ…

【金型応援隊】KGM経営戦略製作所 勤怠管理・生産管理ツールの導入支援

金型企業にBPOサービス提供 KGM経営戦略製作所は、金型企業向けにBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを提供する。 代表の古賀寿彦氏は機械商社から中小企業診断士に転身し、独立した。製造現場に精通する強みを…

ハマダ工商 AMで新たなものづくり【金型の底力】

樹脂やプレス金型の製作から少量の成形まで手掛けるハマダ工商は今年2月、事業再構築補助金を活用し、金属3Dプリンタを導入した。水管を自由に設計した冷却効果の高い金型で、反りを抑えた防犯レンズカバーの成形品を提供するのが狙い…

トピックス

関連サイト