金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

13

新聞購読のお申込み

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】5.自動化

多品種少量の金型を加工

2024年、金型づくりにおける自動化の技術で最も革新的だったのは、多品種少量の金型を自動で切削加工する技術ではないだろうか。形状も大きさも数量も異なる金型の部品を無人運転で加工する。人手不足に直面する日本の金型業界にとって課題解消に一歩近づく技術だ。

その一つが、マシニングセンタとパレットチェンジャー、ロボットによる自動化システム。ロボットがワークを載せたパレットをMCにセットし、粗加工した後、機上でワークの形状を測定、金型図面と比較し、その誤差を補正するため仕上げ加工し完成させる。高精度な金型向けMCであれば、精密な金型にも対応し、この一連の流れを繰り返し人が介せず加工し続ける。

安田工業はJIMTOF2024でMCとパレットチェンジャーを連携させ加工を自動化する技術を披露した

操作しやすい加工ソフトウェアやオペレーションシステム、自動で芯出しする機能など自動化を支える周辺技術が充実していることも自動化を後押ししている。工作機械の操作や工具や段取りの経験が浅い人でも簡単な操作で経験者と同じレベルの仕事ができる。

こうした加工の自動化技術は中国などの金型工場ではかねて導入されてるという。その理由は熟練技能者が少なかったことと大量の生産力をつけるためだ。最近は日本の小規模な金型メーカーにも注目されている。人手不足の解消と、時間をより付加価値の高い仕事に使うためだ。次代を生き抜くうえで必要な技術の一つといえる。

金型新聞 2024年12月10日

関連記事

レーザパンチングで金属箔に連続穴あけ ワイヤード【金型テクノラボ】

自動車の電動化などによって、金属箔、樹脂フィルムへの穴あけ加工のニーズが増している。今後、量産化を実現していくためには、より高速に加工できる技術が求められている。レーザ開発ベンチャー企業のワイヤードは、金型レスによる金属…

日本精機 SKD61粉末材で400㎜超サイズの造形に成功

日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)はこれまで大型サイズの造形が難しいとされてきたSKD61の粉末材で、400㎜超サイズのワークの造形に成功した。ソディックと共同開発した金属3Dプリンタを活用した。これま…

ソディック 情報伝達の自動化、ハードつなげる提案も【特集:金型づくりを自動化する】

自動化の仕組みづくりを支援 ソディックはハードだけでなく、工程間のさまざまなデータをつなぐ自動化の仕組みづくりを提案している。その肝となるのが、加工や計測プロググラムなどの「情報伝達を自動化する」(プロダクションイノベー…

田部井製作所 CAE活用し、金型改修を削減【特集:尖った技術を使いこなせ】

要求精度と短納期に対応 自動車のインナー部品(ドアインナー、フロアなど全般)向けプレス金型などを手掛ける田部井製作所はシミュレーションソフトを活用し、パネル精度の向上と金型改修回数の削減に取り組んでいる。顧客からの高まる…

JIMTOF総集編 PART3:自動化
人口減少時代に備える

金型業界含め国内製造業は慢性的な人手不足を抱え、加工や測定工程で自動化を図ることが大きな課題となっている。そのため、これまで複数の機械で加工していた加工工程を1台の機械に集約し、段取り工程の削減や短縮、さらに、工程間の搬…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト