金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

06

新聞購読のお申込み

伊藤製作所 プレスの自動化ライン稼働

AGFなど搬送の自動化も視野

プレス金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所(三重県四日市市、059・364・7111)は増設したプレス工場でプレス加工の自動化ラインを稼働させた。新たに受注した車載・電子部品に対応する順送プレス加工ラインで、プレス加工から洗浄、検査、梱包、搬出まで一連の流れをロボットやコンベアで自動化し、生産現場の省人化や品質の安定化を図る。

一連の工程をロボットやコンベアで自動化

生産するのは放熱に関連する次世代部品で、月産34万個を予定。生産ラインにはアマダプレスシステム製のコイル台車付きレベラフィーダ、アイダエンジニアリング製プレス機(250t)、高橋金属製の洗浄装置に加え、ファナックのスカラロボット2台と多関節ロボット2台、キーエンスの画像測定器を導入した。

プレス加工した部品は洗浄、外観検査を経て合否判定を行い、ロボットで仕分け、梱包する仕組みで、従来、複数の担当者を必要とした検査工程や梱包作業も自動化ラインの構築で省人化を図ることができる。伊藤竜平社長は「製造現場の人手不足で自動化ラインの重要性は高まっている。品質の安定化にもつながるため、今後も自動化を強化したい」と語り、梱包した部品を倉庫まで自動搬送することを目的に、AGF(無人搬送フォークリフト)の導入も検討。

同社は近年、金型部門を集約したテクニカルセンタを開設。材料試験を行う機器やCAE解析ソフト導入など開発案件に応える体制を整えてきた。「その成果も出始めており、新たな部品の受注につながっている」と伊藤社長は手応えを感じており、プレス技術の付加価値向上と自動化への取り組みを継続する考えだ。

金型しんぶん2025年7月10日号 

 

関連記事

キヤノンモールド 誰でも簡単に見積もりできる仕組み作り 【特集:営業ってどうする?】

AI機能搭載の図面検索システムを導入 精密プラスチック金型を手掛けるキヤノンモールドは、キヤノン生産技術部門と共同で開発したAI機能搭載の「類似図面検索システム」を2022年に導入。これを活用し、誰でも簡単に見積もり算出…

ムトウ 中国での金型立ち上げを支援するサービスを開始

プラスチック金型メーカーのムトウ(東京都江戸川区、03・3656・8651) は、 中国での金型の進捗確認やトライの立ち合いなど代行する、 「金型立ち上げ支援サービス」を開始した。コロナ禍で中国出張や現場への訪問が難しい…

武林製作所 千田氏がなにわの名工、山中氏が八尾ものづくり達人

加工効率高める金型設計 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の技術者、千田雄一氏と山中慎也氏はそれぞれ2024年の「なにわの名工」(大阪府)と「八尾ものづくり達人」に選…

冨士ダイス 久保井副社長が社長に就任

冨士ダイス(東京都大田区、03-3759 -7181)はこのほど、4日1日付けで久保井恒之副社長が社長に就任する人事を発表した。西嶋守男社長は代表権のある会長に就任する。 久保井氏は、1958年生まれ、東京都出身。81年…

【インタビュー】ナカヤマ精密 半導体や電子部品の需要開拓

台湾のTSMCとソニーによる新たな半導体工場の建設が進む熊本県菊陽町。その地で半導体製造装置や電動車、電子部品向けの需要拡大を狙うのが、金型部品や精密部品を手掛けるナカヤマ精密だ。今年1月にTSMCの工場の隣接地に「第2…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト