新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…
木谷電器 木谷健一郎社長に聞く 要望ヒントに金型開発
端子や太陽光発電関連機器を手掛ける木谷電器(大阪府枚方市、072・855・1492)は、取引先の要望をヒントに新たなプレス金型の研究開発に取り組む。時代のニーズに応えるプレス技術を開発し、未来を拓く新しい事業に発展させたい考えだ。金型の研究開発に取り組む理由や今後の目標は。木谷健一郎社長に聞いた。

未来拓く新たな事業に
金型の研究開発に取り組む理由は。
新しい事業につながる技術や製品を開発するためです。当社が得意とするのは順送金型などによる精密高速プレス加工です。これは祖業である端子製造を源流とし進化してきたものです。そのコア技術こそが金型。これまでにない金型を開発し、当社の未来を切り拓く技術や製品を創りたいと思っています。
これまでに開発した金型は。
板厚10㎜の金属板を剪断面100%で打ち抜ける金型や、ベーナイト鋼を複雑な形状に加工できる金型です。これらは取引先の要望や時代のニーズをヒントに開発したものです。当社では毎年一つ研究対象の課題を設定して開発に取り組んでいます。

その成果は。
「剪断面100%の金型」は汎用プレス機でファインブランキングプレスよりも高速で加工でき、設備投資や生産コストを抑えられます。「ベーナイト鋼の金型」は、硬度が高く塑性変形の予測が立てにくいベーナイト鋼を成形加工できます。
これらを展示会に出品したところ新たな加工技術を求める企業から反響を頂きました。当社が得意とする端子や太陽光関連以外の分野の企業が多く、新たなビジネスへの発展を期待しています。

新たな事業創出に取り組むのはなぜですか。
次代の事業を今のうちに創りたいからです。主力の太陽光発電関連機器は、世界の再生可能エネルギー活用の動きを受け、今後も需要は増えていくでしょう。ただそれがいつまで続くかわからない。そこで新規事業の開発に挑戦し始めました。
しかし当社にはそのカギとなる金型をつくる技術が無かった。そこで10年前から社内用の金型の設計製作を始め、技術を少しずつ蓄積していきました。さらに6年前からは外販も手掛けるようになり、新たな金型の研究開発にもチャレンジし始めました。
今年度から(2024年10月~)滋賀工場を滋賀事業所に改めました。
滋賀では金型やプレス加工を手掛けています。事業所に改めたのは、生産拠点の一つという位置づけから、金型製作やプレスの事業運営を担う拠点へと成長させるためです。新たな金型を開発し、プレス加工の技術を磨き、将来につながる事業の芽を育んでいきたいと思っています。
金型新聞 2025年1月10日
関連記事
あらゆる業界で叫ばれているDX(デジタルトランスフォーメーション)。各企業には、デジタル技術を使い、ビジネスモデルや組織、働き方など会社そのものの構造を大きく変えていくことが求められている。金型業界も例外ではない。次代…
営業改革や自社ブランド開発 まつやま・ひろのぶ1980年生まれ、東京都出身。2004年立教大学卒業後、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、営業、企画などを経験した。19年扶桑精工に入社、20年同社社長に就任し、現在に…
「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。 金型の魅力をもっと社員に知って欲しい SAIMS247のもう一つの…
「設計の効率化は業務フロー全体を見直さないと意味がない」。そう話すのは、日本デザインエンジニアリングの岩壁清行社長。同氏は長年自身も金型づくりに携わり、近年ではフィリピンで設計支援を手掛ける。また、20年以上前から、日…


