部品の競争力強化図る 自動車部品メーカーのテイ・エステックはこのほど、新潟県三条市にプレス金型の製造と技術開発拠点を開設すると発表した。金型技術の進化を図ることで、コスト競争力の向上や、部品の競争力の強化につなげる。 約…
トヨタ自動車 部品メーカーへの金型費一括払いに
供給網の競争力向上へ
トヨタ自動車は7月から、部品メーカーに分割で支払っていた金型費用を一括支払いに切り替えた。部品メーカーが金型の製作に必要な費用を先行して負担しなくてもいいようにする。部品のサプライチェーンの資金繰りの改善につなげ、競争力向上を図る。
自動車メーカーやティア1はプレスやプラスチック部品メーカーに金型費を支払う際、部品の費用に上乗せすることが多い。
ティア1と取引するプレス部品メーカーは、「金型費は、部品の生産が続く24カ月で月々の分割で支払われることが多い」。例えば1200万円の金型は毎月50万円(1200万円÷24カ月)が支払われる。
金型は部品量産に先行して製作するため部品メーカーにとってそのコスト負担は大きい。金型を内製するプレス部品メーカーは、「一括で支払ってもらえるようになると資金繰りがしやすくなる」と期待する。
その一方で、部品メーカーと金型メーカーとの取引では一括支払いが一般的だ。ただ、「検収後90日後の手形支払いといったこともあり、現金化に半年近く要する場合もある」(プラスチック金型メーカー)という。
金型メーカーへの支払い条件改善にも
部品メーカーから金型メーカーへの支払い条件が改善されない原因のひとつに、長年の商慣習に加え、部品メーカーの資金繰りが良くないことがある。
トヨタ自動車が一括支払いにしたことで、トヨタ自動車と取引する部品メーカーも部品や金型メーカーへの支払いを一括に変更することが期待されている。この動きが広がり、部品メーカーの資金繰りが改善すれば、金型メーカーへの支払い条件改善につながる。
日本金型工業会の山中雅仁会長(ヤマナカゴーキン社長)は、「部品メーカーのキャッシュフローが改善し、金型取引の改善につながる可能性があるので歓迎したい」。
ただ、「金型は手形や検収後の支払いが多く資金繰りを圧迫している。工業会は手形撤廃と納品時の即時支払いをしてもらえるように働きかけていく。世界的な潮流となりつつある前払いも訴えていきたい」。
金型しんぶん2025年8月10日号
関連記事
豊実精工が開発した完全クロムフリーの「ERIN被膜」が注目を集めている。防錆・耐摩耗セラミックコーティングで、空隙のない緻密な薄膜(2μm±1μm)だ。 被膜硬度はHv1000~1200で、耐摩耗性はDLCの2倍、硬質ク…
硬質クロムめっきなどを手掛けるオテックは、オリジナルのめっき開発に注力している。自社製品の「テフ・ロック」はクロムめっきとPTFE樹脂を複合させためっき。「摩耗しにくく、優れた離型性が長持続するため、樹脂成型やゴム成型の…
顧客創造型の営業支援ツールを販売 冷間鍛造金型などを手掛けるヤマナカゴーキン(大阪府東大阪市、072・962・0676)は営業支援ツール開発や中小企業向けDX支援を行う新会社『セーレンス』(東京都中央区、03・6280・…
三井ハイテック(北九州市八幡西区、093-614-1111)の2022年2‐10月期業績は、売上高が前年同期比32.7%増の1309億2200万円、営業利益が同93.6%増の184億9700万円だった。リードフレームやモ…


