金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

14

新聞購読のお申込み

ニコン 金型補修・肉盛り溶接工程の自動化、金属3Dプリンタで微細な肉盛

ニコン(東京都品川区、德成旨亮社長、03・3773・1111)が、金属3Ⅾプリンタを活用した金型補修の自動化を提案している。これまでの金属3Ⅾプリンタでは難しかった微細な補修に対応可能。少子高齢化により深刻化する熟練技能者不足対策に貢献する。

ダイカスト金型の摩耗を補修

活用するのは同社が2024年に開発した指向性エネルギー堆積法(DED)方式の金属3Ⅾプリンタ「Lasermeister 300A」と3Ⅾスキャナ「SB100」。同装置は3Ⅾスキャナで摩耗した金型を計測することで、自動で補修部分の算出と造形データ(Gコード)の作成が可能。高度なモデリング技術やCAMのノウハウなどがなくても簡単に造形ができる。

造形サイズは300×300㎜、高さは450㎜。レーザースポット径が0・5㎜と細く、レーザー出力も300Wと低いのが特徴。そのため、これまで熟練技能者がレーザー溶接機やTIG溶接機を用いて補修していたダイカスト金型や部品の摩耗、プレス切断金型の欠けなどの微小な補修にも対応できる。

プレス切断金型の欠けを補修

補修精度は±0・2㎜ほど。メルトプール(溶融池)の溶融状況に応じて装置の動作を制御するため、均一な凝固状態を維持し、滑らかな表面を実現する。

25年2月に開設した金属付加製造(AM)の技術開発拠点「ニコンAMテクノロジーセンタージャパン」で試作も提供する。同拠点はPBF(粉末床溶融結合)方式の装置やX線CT装置なども設置し、幅広いサービスの提供を可能としている。同社は今後、金型分野での適用に向けた技術開発も進めていく考え。

造形中の様子

金型しんぶん2025年10月10日号 

関連記事

三豊機工 予圧状態可視化に挑戦

鍛造ダイスの寿命安定化へ 三豊機工(愛知県春日井市、0568・81・4111)は、鹿児島県工業技術センターの協力を得て、鍛造金型の予圧状態を高精度に可視化する技術開発に取り組んでいる。7月16日から東京ビッグサイトで開催…

デジタル技術と金属積層による金型補修【金型テクノラボ】

我々の生活の中で使われるものの多くは金型から成形され、製造されている。多数の製品を成形する金型は摩耗し、損傷するが、その補修に関する工程のほとんどが手作業で行われているのが現状である。ここでは、デジタル技術と金属積層技術…

牧野フライス製作所 中大型金型向け立形5軸

形状部と側面部を1台で 牧野フライス製作所はこのほど、自動車部品などの中大型金型向けの5軸立形マシニングセンタ「D2」を発売した。独自の構造を採用し、金型の形状部と横形MCで行っていた冷却穴など側面部の加工が1台ででき、…

「ワイヤレスハンドプローブ」
最長80mも測定可
ファロージャパン

ターゲット補足機能も強化  ファロージャパン(愛知県長久手市、0561・63・1411)はJIMTOF2018で最長80mの長距離3次元測定を可能にするFARO VantageS6/VantageE6 Laser Tra…

ルッドスパンセットジャパン オックスルッドの吊り具販売

長さやスペック自在に ルッドスパンセットジャパン(大阪市西区、06・6536・8807)は、オックスルッドリフティングソリューションズ社(スペイン)の吊り天秤の販売を始めた。用途に合わせて長さやスペックを柔軟に変更できる…

トピックス

関連サイト