金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

27

新聞購読のお申込み

大豊工業がアルミダイカストで「パワー半導体用冷却器」を開発、低コストで高い冷却性能

大豊工業(愛知県豊田市)はこのほど、アルミダイカストで「パワー半導体用冷却器」を開発。独自開発した高熱伝導材料を使用したことに加え、狭いピッチで細長い形状のフィンを立てる設計により、低コストかつ高い冷却性能を発揮する。

同製品の材料は、アルミダイカストで使用される「ADC12」と比較し、約2倍熱伝導率が高い。材料メーカーと協力し、オリジナル材料を開発した。フィンの隙間は0.46mmと狭ピッチを実現。隙間を狭めることで、フィンの本数を増やすことができるため、放熱性が高まる。

アルミダイカスト製「パワー半導体用冷却器」
狭いピッチで細長い形状のフィンを立てる設計

形状の自由度が高いダイカストの特徴を活かし、フィンの形状を細長くすることで、圧力損失も改善した。また、鍛造と比較しコストを約30%削減できるという。「鍛造は複数の金型、複数工程が必要になるが、ダイカストは1つの金型、1工程で製造できる」(篠原BASE 齋藤悠太主任)。

同社は顧客への提案領域を広げるため、アルミと銅の「ハイブリッド冷却器」も開発。アルミと銅板を固相接合により一体化することで、冷却性能をさらに高めた。「アルミダイカストのみでは、冷却性能の向上に限度がある。一方、全てを銅にするとコストが高く、重量も重くなるため、ハイブリッド方式で開発した」(齋藤主任)。

アルミと銅の「ハイブリッド冷却器」

同社は自動車の内燃機関部品で培った要素技術を活かし、新領域の開拓を進めている。「先行きが見通せない中で、新製品を開発するにはスピード感が必要だ。そのため、今年の4月にアジャイル開発拠点『篠原BASE』が稼働した。篠原BASEでは電動化へ対応するため、バッテリーやPCUユニットで使用される部品などを開発しており、パワー半導体用冷却器もその中の一つだ」(篠原BASE野中照美リーダー)。

今後について、齋藤主任は「アルミダイカスト冷却器は、金型が薄いため耐久性が課題。一般的なダイカスト金型と同等の耐久性を持たせることが目標だ。現在、耐久試験を実施しており、検証を進めていく。アルミと銅のハイブリッド冷却器については、より最適な接合方法を模索する」と話した。

金型しんぶん2025年10月10日号 

 

 

関連記事

製造プロセス研修開催<br>中産連

製造プロセス研修開催
中産連

生産シミュレータを活用  中部産業連盟はこのほど、金型製造プロセスデジタル設計人材育成講座を、中産連ビル(名古屋市東区)で開催する。  受講対象者は製造部門や生産技術部門、生産管理部門の従業者。バーチャル工場を構築できる…

イエプコ処理の受託加工<br>モールドプラスセンター

イエプコ処理の受託加工
モールドプラスセンター

 モールドプラスセンターは創業30年の金属表面処理「イエプコ処理」の受託メーカー。創業時は金型部品を扱っていたが、15年前にイエプコ処理設備を導入し、受託加工を開始した。  同処理はスイス・イエプコ社が確立した表面処理技…

トリムラインを非接触測定
ニコン

 ニコン(東京都港区、03・6433・3600)は、プレス部品のトリムライン測定に適したレーザースキャナ「H120」とソフトウエアを開発し、金型業界向けに提案を強化している。属人的で作業のムラや工数の浪費が発生していたト…

ソディック 未消耗の面で加工、高品位に

ワイヤ回転機構を搭載  ソディックは、世界で初めてワイヤ回転機構を搭載したワイヤ放電加工機「ALアイグルーブエディション」を開発した。  ワイヤを回転させながら加工することで、高精度で高品位な面が得られる。段差加工を簡単…

ミスミグループ本社「meviy」に新機能

ミスミグループ本社(東京都千代田区、03・6777・7800)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビー)」に「2D図面自動作成・ダウンロード機能」を新たに追加した。「Meviy」にアップロードした3…

トピックス

関連サイト