自動車の電動化やSDGs、カーボンニュートラルなどモノづくりを取り巻く環境が大きく変化しようとしている昨今、金型作りにおいても、さらに長寿命化や短納期、高精度といった高難易度な金型が求められている。そのためには新たな材料…
富士フイルムビジネスイノベーション 企業間情報共有サービス開発
試作→量産PDCA効率化
富士フイルムビジネスイノベーション(東京都港区、03・6271・5111)は、試作工程における企業間・部門間の情報共有を可能にするクラウドサービス「3DWorks(スリーディーワークス)」を開発し、このほど提供を開始した。試作から量産までのすり合わせを効率化し、トライ回数とコストの削減、開発リードタイムの短縮を実現する。
金型を用いた部品成形では、寸法や品質が基準を満たすまで修正とトライを繰り返す。この過程で設計部門と生産部門が仕様を調整するが、アナログなやりとりに時間がかかり、修正内容の検討も熟練者のカンコツに依存することが多かった。そのため、量産に移行するまでに多くの工数を要していた。

「3DWorks」は3Dの図面情報をクラウド上で共有し、すり合わせを一元的に管理・完結できるシステム。クラウド上で稼働するため、国内外の生産拠点や協力メーカーともリアルタイムで情報共有できる点も特長だ。
製造情報(PMI)を付与したCADモデルを「STEP AP242」の形式でシステムにアップロードすると、2次元図面や検査表が自動で生成される。検査表はエクセル形式で出力し、測定値やトライ結果を入力すればシステム上の3Dモデルに自動で反映される。
測定値は3Dモデル上に色付きの矢印で表示され、元の設計値との差異を可視化。成形品の伸びや反りといった不良を直感的に把握できる。トライ前後の比較も可能で修正の効果を定量的に確認でき、改善点の抽出や合意形成をスムーズに進める。

さらに、測定値の変更履歴など各種データはクラウド上に蓄積される。これにより、類似部品の試作時にデータを再利用したり、再発防止や技術ノウハウの共有にも活用できる。
料金体系は月額50万円で、CADモデル/トライ1回あたりの検査表のアップロードごとに5万円が発生する従量課金制。データ修正による上書き時は追加料金が発生しない。
同社の商業用印刷機の開発に「3DWorks」を導入したところ、プレス型と樹脂型の部品16点でトライ回数を平均6・3回から3・9回と約40%削減し、開発期間を4カ月ほど短縮できたという。開発を担当したビジネスソリューション事業本部の菊地理夫統括グループ長は、「工数・コスト削減の効果も確認済みで、製造業の課題解決と競争力向上に貢献できる」と説明する。
機械メーカーであり、ソリューションベンダーでもある同社の知見を生かして開発された「3DWorks」。今後は、「AI(人工知能)技術の活用により、測定結果や不具合対応履歴といった蓄積したデータの利活用を促進することも考えている」(菊地統括グループ長)として、自動車や産業機器をはじめとする幅広い製造業の生産性向上を支援していく考えだ。
金型しんぶん2026年1月10日号
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