金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

23

新聞購読のお申込み

この人に聞く
パンチ工業 森久保 哲司 社長

ものづくりへの回帰

昨年11月、パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)の社長に就任した。「ものづくりへの回帰」を掲げ、商品開発や加工技術のレベルアップなどに取り組み、今まで以上にユーザーの要求に応えていく考え。「当社は世の中に無いものを開発して成長してきた。この精神を受け継ぎ、これからもチャレンジを続けていきたい」と話す森久保哲司社長に注力する取り組みや今後の方向性などを聞いた。

 1977年生まれ、東京都出身。2002年明治大学政治経済学部卒業後、03年パンチ工業入社、15年パンチ・インダストリー・マレーシア代表取締役、18年パンチ工業取締役、19年代表取締役副社長執行役員、同年現職。

加工技術より高度に

どんな会社を目指すか。

 「ものづくりへの回帰」を目指す。当社は1982年に当時加工が難しいとされていたハイス鋼を活用したエジェクタピンの開発を進め、当社独自の規格で標準化。そして世界で初めて量産化に成功し、金型部品の寿命を飛躍的に向上させるなど、今まで世の中に無いものを開発して成長してきた。この精神を受け継ぎ、これからもチャンレジを続けていくことに変わりは無い。

 一方で、今は加工機の性能が向上し、設備を導入すれば、ある程度の技術やノウハウはカバーできるようになっている。こうした状況に危機感を抱いており、改めてものづくりの力を高めていきたいと考えている。

具体的には。

 材料や表面処理などの技術には設備の力だけではカバーできない部分がまだまだ多いとみている。お客様のニーズを捉え、材種やコーティングの種類など標準品のレパートリーを増やして差別化を図っていきたい。

製造面ではどうか。

 サブミクロン台の加工精度や複雑な3次元形状など、より高度な加工技術が要求される分野にチャレンジしていく。例えば、医療や飲料向けの金型部品などだ。そのために現在、生産体制の再編を進めている。加工公差100分の1ほどの比較的簡単な標準品の生産は2016年に立ち上げたベトナム工場に移管し、日本や中国工場は特注品や新規分野の加工に特化させている。今後は製造技術のレベルアップを図り、お客様が求める品質に応えていく。

その他の取り組みは。

 自動化・省人化にも注力している。昨年、北上工場(岩手県北上市)に協働ロボットを導入し、自分達でプログラムを組む事に挑戦した。自社で様々な使い方を試し、知識や経験、ノウハウを蓄積させている。人手不足への懸念や生産性向上の期待から取り組み始めており、将来的には夜間自動運転を目指す。

デジタルエンジニアリング事業はどうか。

 図面の無い部品をデータ化し製造するというのが目的だったが、今後は新しい展開も検討している。例えば、金型を現物ではなくデータで保管することで金型保管の負担を減らすことができないかなど。現在はどんなニーズがあるか情報収集をしている段階だ。将来的には事業規模を大きく拡大させていきたい。

欧米市場開拓に力

海外展開は。

 欧米市場の開拓に力を入れる。現在の海外比率は約60%で中国や東南アジアが中心。一方、欧米は日本より大きな市場であるにも関わらず、上手く開拓できていなかった。そこで昨年、欧米戦略室を設立し欧米市場への営業を強化している。効果的に営業活動し、売上を伸ばしていく。今後も世界中に安心した製品を届け、選ばれる企業であり続けたい。

金型しんぶん 2020年1月10日

関連記事

【この人に聞く】三井精機工業社長・加藤欣一氏「”高精度”生かし、金型加工に適した機械を提供」

三井精機工業(埼玉県川島町、049-297-5555)が、金型分野に注力している。今春、新型の微細加工機と、ジグ研削盤を発売。今後需要の拡大が期待される電気自動車(EV)や電子部品関連の金型加工向けを中心に売り込んでいく…

【金型の底力】いがり産業 ユーザーが必要な金型を

ユーザー視点の型づくり樹脂とプレス技術の融合 成形メーカーだった、いがり産業が金型製作に着手したのは2004年。10年以上経て、今や金型の外販が売上の7割以上を占めるまでに成長した。成形メーカーという利点と生かし、ユーザ…

電動系、車体系部品へ事業拡大【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化が金型に及ぼす影響は大きい。エンジンなどの減少が懸念される一方、軽量化ニーズでアルミの採用が期待されるなどダイカスト金型は変化を迫られている。では電動化でダイカストはどう変わっていくのか。昨秋のダイカスト展…

冨士ダイス、生産性向上へ自動化を推進 輪竹生産本部長「2030年までに30~40%省人化」

超硬合金の素材や金型などを手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、春田善和社長)が自動化・省人化に注力している。同社は2025年3月期から2027年3月期までの中期経営計画(中計)で「生産性向上・業務効率化」を掲げ、今期だけで…

鳥羽工産 甦れ!往年の名車たち【金型の底力】

「コロナ禍で航空機など需要が落ち込み、試作車市場も変化している」と語ったのは鳥羽工産の傍島聖雄社長。同社は金型製作(プレスや射出成形)から量産(少ロット)まで一貫生産体制を強みに、これまで自動車の試作型や試作車の製作、航…

トピックス

関連サイト