プラットフォーマー目指す 鋼材商社の藤巻鋼材を中核とするF&Cホールディングス(名古屋市東区、052・972・611)は今年4月、粉末冶金や樹脂金型を手掛ける山崎TECH(大阪府枚方市)を買収した。さまざまな加工メーカー…
【インタビュー】新栄工業代表取締役社長・中村新一氏 「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげることができる」
プレス加工メーカーの新栄工業(千葉市花見川区、043-258-2310)は2019年末に、プレス金型メーカーのアポロ工業(埼玉県吉川市)を資本提携によってグループ化した。「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげることができ、今後も積極的に実施していきたい」と話す中村新一社長に実際の取り組みやM&Aのメリットなどを聞いた。

なかむら・しんいち
1975年生まれ、千葉県出身。高校在学中からバンド活動などを行い、2005年新栄工業に入社。14年社長、20年アポロ工業社長に就任し、現在に至る
アポロ工業をグループ化した理由は。
金型技術を強化したかったからだ。当社は元々プレス専業メーカーだったが、私が入社した07年に金型部門を立ち上げた。修理や一部内製を行っていたのだが、技術レベルには課題を感じており、3~4年ほど前から金型メーカーのM&Aを検討し始めていた。
どのように見つけたか。
地元の事業引継ぎ支援センターや銀行で探したが、条件に合う企業を見つけることができなかった。そこでM&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」に登録したところ、ちょうど後継者不在でM&Aを検討していたアポロ工業と出会うことができた。
M&Aを実施し、取り組んだことは。
組織図の見直しや就業規則の明確化などに取り組んだ。企業理念や行動指針を再定義し、それに合わせて会社ロゴや作業服も一新した。また、アポロ工業の全従業員と面談し、積極的にコミュニケーションを図った。
なぜ、そうした取り組みを進めたのか。
勤務体制、安全や品質に対する考え方、勤務習慣など、両社には当然の違いがある。互いの良さを引き出し、シナジー効果を最大化するためには、こうした違いを徐々に合わせていく必要があると考えたからだ。
M&Aのメリットは。
一つは事業領域の拡大だ。例えば、アポロ工業はEV向けの金型なども手掛けており、新栄工業にとってはこれまでに無い分野の受注獲得につながる。また、商圏の拡大も期待できる。自前で拠点を出すのは大変だが、地場企業をグループ化することで、営業エリアの拡大も可能だ。
その他には。
技術者の育成と技能継承にもつながる。仕事があふれていた昔と違い、今は一人ひとりの働く時間も限られており、技術者を育てる余裕がなくなっている。M&Aによって、ある程度の企業規模まで拡大し、育成体制を整えることで、優れた技術を次代に残せるようになるはずだ。
今後の展開は。
あと数社ほどをグループ化し、ホールディングス企業を目指したい。試作から板金、塑性加工、最終製品まで一貫生産できる体制を整え、当グループに図面を投げれば見積もりが出てくるというのが理想だ。そして、若い人が憧れるような企業を目指したい。
金型新聞 2021年4月10日
関連記事
出会い生み出せる場に 来年30周年、記念事業 全社参加の展示会 金型技術者、経営者らが集まる型技術協会は来年30周年を迎える。来年9月には、大田区産業プラザPiOで記念イベントを開く予定だ。「全会員参加で出会いの場を創…
中小製造業ではフレキシブルな対応や生産性向上を図るためのデジタル化が喫緊の課題だ。 2016年創業した『ものレボ』は現場の工程管理、在庫管理、受発注管理、分析などの見える化を図るDXアプリ『ものレボ』を開発し、従来ホワイ…
超硬加工なら任せて 「大事なのはQCDだ。品質が良く、価格は高すぎず、納期も短い。バランスが大事」と話すのは下野精密の下野武志社長。創業から超硬やセラミックスにこだわり、半導体や自動車関連の金型・部品を製作。精度は交差…
研削盤メーカーの岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027-385-5800)は今年5月、新たに3カ年の中期経営計画を発表した。新中期経営計画の達成に向けた基本戦略の一つとして「顧客付加価値強化」を挙げる。「今まで以上に…
