自動車の大型プレス用金型及び部品を製造するJ‐MAX。特に、ハイテン材・超ハイテン材用の金型で高い技術を有し強みを発揮している。「2030年度までに、CO2排出量を2013年度比半減、50年度にはカーボンニュートラル実現…
【インタビュー】テラスレーザー常務・齋藤祐司氏「高品質・低価格で金型補修」
テラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)は、2019年に設立された金型補修用レーザー溶接機メーカー。高品質でありながら低価格を実現し、独自技術を活かしたユーザビリティの高い製品を提供する。「『直す』という再生補修技術を通じて、金型業界の発展に貢献していきたい」と話す齋藤祐司常務に会社設立の経緯や強み、注力製品、今後の展開などを聞いた。
さいとう・ゆうじ
1980年生まれ、静岡県出身。金型メンテナンス機器メーカーで15年ほど営業担当として勤めた後に、2019年にテラスレーザーを設立、常務取締役に就任し、現在に至る。
誰でも使いこなせる独自の機能
放電の原理を応用した肉盛り
会社設立の経緯は。
金型のメンテナンス機器は、サービスも含めてここ何年もそれほど大きな進化がみられていない。ユーザー側に立ってみると、こうした状況は決して良いとは言えない。そこで、金型補修において革新を起こすべく、レーザーや金型、ロボット分野に長けたエンジニアを集めて会社を立ち上げた。
貴社の強みは。
そもそも金型補修用レーザー溶接機の導入を検討されているユーザーは、「価格」と「使いこなせるのか」という2つがネックになっている。当社の強みは、この2つの課題を解消できることだ。
具体的には。
まず製品開発では、当社のものづくりポリシーである「 Be unique, be smart」のもと、「高品質」なのに「低価格」、「独自技術」により「簡単」を意識して取り組んでいる。
なぜ、「高品質」なのに「低価格」が可能か。
当社は日本で設計、試作、開発し、機械加工や板金などは中国や台湾などのOEM先に製作を委託しているため、低価格が実現できる。一方で、レーザー発振器部品や電源本体は日本や欧米から調達し、最終組立や品質管理・検査は日本で徹底しているため、高品質を維持している。
では、「独自技術」により「簡単」とは。
誰が作業しても要求品質を維持できるように独自のソフトウェアや補助機能を追加し、高いユーザビリティを実現する。
サービス面では
当社のサービスポリシーは「モノは売らない、価値を提供する」。単に製品を売るだけでなく、当社の製品によって顧客がどんな成功を得られるかを考え、技術的なサポートや製品メンテナンスなどのサービスを提供する。
現在注力する製品は
4月に放電被覆・肉盛装置「T-SPARK」を発売した。形彫り放電加工機の原理を応用した装置で、ダイカスト金型の焼付きや溶損の防止、湯流れの改善に活用される。レーザーを搭載したハイブリッドタイプも揃えており、これまで難しかった立壁や鋳抜きピンなど面粗度が求められる部品への処理が可能となり、適用範囲が広がった。
また、当社はレーザー溶接用治具や周辺機器も豊富に取り扱っており、20年からはレーザー溶接用マイクロワイヤ専門のオンラインショップも開設している。
今後の展開や方向性は。
レーザー溶接の分野でも自動化が求められているため、研究開発を進めていく。また、現場作業性にこだわった新しい補修方法も検討していくつもりだ。「直す」という再生補修技術を通じて、金型業界のさらなる発展に貢献していく。
金型新聞 2021年5月14日
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