金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

05

新聞購読のお申込み

【鳥瞰蟻瞰】牧野フライス製作所プロジェクト営業部スペシャリスト・山本英彦氏「日本メーカーの力が持続可能な社会の実現には必要」

大事なのは、自信を持つこと
日本メーカーの力が
持続可能な社会の実現には必要

1983年に牧野フライス製作所に入社してから、海外畑を歩んできました。キャリア当初は、アメリカ向け立形マシニングセンタや放電加工機の営業支援を担当し、90年代前半と2000年代前半の2度にわたって、アメリカ現地法人に駐在しました。現在は、これまでの海外経験を生かし、国内営業のサポートを行っています。

金型については、アメリカ時代に理解を深めました。当時、実務担当として、日系ユーザーを訪問していたのですが、そこでは単に機械の販売やメンテナンスだけでなく、外注先の紹介や資材調達のサポートなども求められました。

こうした要求に応えるために、現地メーカーとの関係を深め、独自のネットワークを構築していきました。現地メーカーとの交流を通じ、産業構造から金型の作り方や考え方、前後工程の重要性、使われる素材や工具などを学ぶことができました。

そこで気付いたのは、日米間では金型における考え方に大きな違いがあるということです。そもそも使われる素材や工具が違うため、作り方や考え方が異なるのは当然なのですが、アメリカを始め欧米の人たちは、「金型=量産のツール」という考えを日本以上に強く持っていると感じました。

それは、日本では金型単独で事業を形成している企業が多いのに対し、欧米では金型と量産がセットになっている場合が多いことが背景にあると考えています。量産まで考慮できるからこそ、「金型を使って生まれたものに価値がある」という考え方で、金型も合理的かつ効率的に製造できるのだと思います。

ただ、だからといって日本の金型が劣っているかというと決してそうではありません。むしろ、ばらつきの少ない高品質な金型を製造できる日本の技術力は世界でも特に優位性が高いと考えています。

現在、世界各国で取り組みが進む「SDGs(持続可能な開発目標)」。その中でも「環境負荷の低減」が大きなテーマとなっています。環境配慮のキーワードの一つに「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」という考え方がありますが、特に「リデュース(減らす)」は、日本の強みが発揮できる分野だと思います。

ばらつきが少なければ、それだけ無駄を減らすことができますし、日本の製造業に根付く「改善」という文化は、まさに無駄を減らす活動です。こうした日本メーカーが本来持っている強みを活かし、営業活動ができれば、今後も新たな需要を掘り起こしていけるのではないでしょうか。

最近では、欧米など日本以外で営業を展開している日本の金型メーカーも増えてきました。それは、日本の金型が世界中でまだまだ需要があるということの表れです。だからこそ、日本の金型メーカーには、まず自社の良さや強みを認識し、自信を持ってもらいたいと思います。当社としては、今後も金型メーカーのパートナーとして最大限のサポートを提供していくつもりです。

金型新聞 2021年6月10日

関連記事

顧客の成功考え、最適な提案 小林貞人氏(GFマシニングソリューションズ社長)【この人に聞く】

GFマシニングソリューションズ(横浜市神奈川区、045・450・1625)は今年8月、AM事業部長の小林貞人氏が社長に就任した。放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛ける同社は今後、日本の金型業界…

2021年に売上高50億円
オネストン 鈴木 良博社長に聞く

 パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎える。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」をテーマにした特殊品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・…

魚岸精機工業 「低廉化金型」で「古くて新しい」課題を解決

ロットに応じ金型を安く 低廉化金型を開発 自動車部品などのダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は、ロット数に合わせて、金型の価格を安くする「低廉化金型」の開発に成功した。ある金型では従来に比べて最大45%安くなるという。…

植田機械 植田 修平社長に聞く<br>UMモールドフェアの見どころ

植田機械 植田 修平社長に聞く
UMモールドフェアの見どころ

ものづくりのお役に立ちたい 未来を拓く新技術  来場者の技術革新に貢献  JIMTOFで展示された工作機械や機器、ソフトなど金型や部品加工における最新技術を一堂に集めて披露するUMモールドフェア。今回は新型の5軸加工機や…

金型企業の代弁者として情報を発信<br>日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

金型企業の代弁者として情報を発信
日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

 人材の不足や育成、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアード・エレクトリック)に代表される自動車産業の変化による影響、台頭する新興国など、日本の金型産業は様々な課題を抱えている。これらに対してどう立ち向かって…

トピックス

関連サイト