鉄の板を金型でプレスすると起こる想定外の歪みや割れ。その原因を見極め、溶接と研磨で補正し、目指す品質に導いていく。解析が進化した今も、自動車のドアや骨格部品の金型は人による玉成がカギを握る。その技能を次代に教えている。 …
【この人に聞く】NTTデータエンジニアリングシステムズ・東 和久社長「価値創造のパートナーに」
NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区)は7月、沖縄県うるま市に、5軸加工や自動化を支援する「Mold Future Space‐OKINAWA(MFS)」を開設した。まずは5軸加工機の販売から加工ノウハウまでトータルで提案する。将来的には金型づくりや工場全体の自動化、最新技術の体験ができる拠点を目指す。「金型メーカーと一緒に価値を創造するパートナーになりたい」と話す、東和久社長に、MFSの狙いや今後の展開などを聞いた。

ひがし・かずひさ
1964年生まれ、東京都出身。91年、早稲田大学理工学部卒業後、日立造船情報システム株式会社(現 NTTデータエンジニアリングシステム)入社。2018年、代表取締役社長に就任、現在に至る。
5軸や自動化の提案拠点
金型づくりトータルを支援
MFS開設の理由は。
日本金型工業会では、新たな価値の創造が必要だと打ち出しているが、それを金型メーカーと一緒に創り出すパートナーになりたい。そのために、ソフトだけでなく、機械、ノウハウを含めた提供を行い、さらに、それらを実際に体験して頂く場が必要だった。その第一歩として、5軸加工機の導入、運用や保守までトータルで支援する。
サポート体制は。
台湾の工作機械メーカー「東台精機」と、製造技術の向上や人材育成に取り組む「ものづくりネットワーク沖縄」と協業する。MFSには、東台精機の5軸加工機「GT—630」を導入した。ソフト面は当社が担い、ノウハウの部分はものづくりネットワーク沖縄が担当し、3者で協力しながら、5軸加工を総合的に提案できる体制を整えた。5軸導入で悩む金型メーカーにはぜひ相談頂きたい。
具体的に提供するサービスや方法は。
当社の趣旨に賛同し、一緒に取り組んでもらえるアーリーアダプターとなって頂ける企業の参画を募っているところで、彼らとも協議しながら、詳細を詰めていきたい。
また、5軸加工機を販売することが目的ではない。すでに5軸加工機を導入済みの企業や、他社の5軸加工機を導入予定の企業へも、5軸加工に関するノウハウやアプリケーション、教育などを行う予定だ。いずれにせよ、金型メーカーが求める成果を実現するために最善の方法で提供したい。
今後の展開は。
機械、ソフト、加工ノウハウの次は、工具が必要になるので、まずは工具メーカーとの協業を進める。その後は工具だけでなく、金型製造のインフラの強化に必要なメーカーと積極的に協業していく。また、機械加工に限らず、搬送や測定など、金型づくり全体の自動化も提案できるようにする。
MFSの未来の形は。
将来的には、IoTを活用した生産管理の最適化やMR(拡張現実)の活用など最新技術を発信・体験できるスマートファクトリーのモデル工場を目指す。そして、日本の金型メーカーと一緒になって、新たな金型製造のインフラや、顧客にとっての価値を考え、体験できる場にしたい。
金型新聞 2021年9月10日
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