金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

02

新聞購読のお申込み

【ひと】池上金型工業市場開発室・石川 雅也さん

プラモデル事業をプロデュースした

前職は旅行代理店の添乗員。ものづくりとは無縁の出身だが、持ち前のフットワークの軽さを生かし、近未来型お手伝いロボットのプラモデル「カデンナ」をプロデュースした。

プラモデル参入のきっかけは、計測のために購入した3Dスキャナーの有効活用。池上正信社長から「他にスキャナーを生かせる事業はないか」という命を受け、奔走した。紆余曲折の上たどり着いたのは、スキャナーとは直接関係のないプラモデルの製作だった。

ある造形作家のオリジナルデザインだったカデンナを著作権契約し、3Dモデル化。設計技術者などの協力で金型を製作し、社内にある施策成形機でプラモデルキットに仕上げた。

このフットワークの軽さや調整力は「添乗員として年間100日も海外を飛び回った」という経
験も大きい。もっとも自身も「新しいことに挑戦することが楽しいし、苦にならない」という。

参入して感じたのが、趣味に生きる人の「熱量の高さ」だ。「日々の生活を節約してでも、フィギアを買いたいという人の熱はすごい」。うれしいのは「こうした購入者から直接『ありがとう』と言われること」だという。

今はプラモデル事業を軌道に乗せるための実証中。しかし、すでにビジネスベースに乗せるだけでなく既存事業とのシナジーも描いているという。

金型新聞 2021年11月10日

関連記事

金型取引改善分科会会長 渡辺隆範氏に聞く 金型業界で足並みそろえ、値上げを実現【特集:どうする値上げ】

業界の弱体化は顧客にマイナス ユーザーと金型メーカーはどちらかが欠けても成り立たない「イコールパートナー」だと訴えてきました。我々の事業を安定させるためにも、値上げは粘り強く要求していくべきで、そのためには足並みをそろえ…

鋳造に独自の新工法
マツダ

特集 次世代車で変わる駆動部品の金型鋳造に独自の新工法  次世代自動車の技術は電動化に限らない。注目されるのがエンジンの進化だ。燃費性能を追求する新型エンジン「スカイアクティブ」。多くの自動車メーカーが電動化に力を入れる…

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応 プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。 同社は冷…

「選べる工具40万点、金型メーカーにより便利に使ってほしい」さくさく社長・溝口典宏氏

切削工具販売サイト「さくさく」は4月1日、新たに国内外メーカー約40社の商品約40万点の取り扱いを始めた。1年以内をめどに、それらの商品の性能や価格を比較し選べるようにするなど利便性を高めていく。サイトを運営する、さくさ…

山崎 達博さん 玉成と保全の技能を次代に教える【ひと】

鉄の板を金型でプレスすると起こる想定外の歪みや割れ。その原因を見極め、溶接と研磨で補正し、目指す品質に導いていく。解析が進化した今も、自動車のドアや骨格部品の金型は人による玉成がカギを握る。その技能を次代に教えている。 …

トピックス

関連サイト