金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

28

新聞購読のお申込み

ササヤマ 本社に機械加工棟増設

本社工場と増築する機械加工棟

自動車部品などのプレス金型を手掛けるササヤマ(鳥取県鳥取市、0858-85-3380)は、本社工場の敷地内に機械加工棟を増設する。真空熱処理炉や3次元レーザー加工機などを新たに導入するほか、古海工場の設備を集約する。デジタル技術による生産管理やマテハン設備の見直しにより中期経営計画の最終年度(2027年7月末)に金型製作期間の半減を目指す。EV化などで自動車とその金型を取り巻く経営環境が大きく変化する中、生産体制を改善し競争力を高める。

効率高め、金型製作期間半減へ

ササヤマは自動車のシートやボディ骨格などのプレス金型を本社工場と古海工場で工程を分担し製作している。しかし高機能化などにより金型が大型化する中、2拠点間の搬送の時間や手間が負担になっていた。

真空熱処理炉
3次元レーザー加工機

本社工場の敷地(約1万2800㎡)に増築(同約2260㎡)することで機械加工棟は現状の約2・2倍の広さに拡大(同約4110㎡)。ここに古海工場を集約することで搬送のロスやトラックの手配などの手間を削減する。

新たに導入する真空熱処理炉は、内製する金型部品の約70%の熱処理を内製化する。3次元レーザー加工機はテストプレス用板材の抜き加工を社内で手掛ける。これらにより外注する熱処理やレーザー加工の時間とコストを削減する。

このほかマシニングセンタ(MC)なども購入するほか、古海工場からMCや研削盤などを移設し、老朽化した設備と入れ替える。増設した機械加工棟に金型加工工程の全ての工程を集めて、生産効率を高める。

ササヤマはこのほど、来年度(2022年8~23年7月)からスタートする新中期経営計画「SAIM(SASAYAMA Autonomy and Independence Manufacturing)を策定した。来年度で設立50周年を迎え、外部環境が目まぐるしく変化する中、次の50年を勝ち抜くことを目指すものだ。

機械加工棟の増築はこの新中計の一貫。今後はデジタル技術による生産管理を高度化するほか、マテハン設備の見直し、ロボット加工設備の改造などにより、最終年度に金型の製作期間を半分に短縮する。それによりコストや納期などの競争力を高め、年間売上高1・5倍を目指す。

機械加工棟は今年1月、建設をスタート。6月に完成し8月にも古海工場から移設、本格稼働を始める予定。古海工場は閉鎖する。またササヤマは本社工場に隣接する土地約4520㎡も購入した。機械加工棟増築と土地購入の総投資額は7億円。

笹山勝社長に聞く 〜次の50年を見据えて〜

ササヤマは来年度、次の50年を見据えた新中期経営計画をスタートする。どういったことに取り組むのか、笹山勝社長に聞いた。

ウルトラハイテンなど金型技術磨く

EV化やカーボンニュートラルなど自動車とその金型を取り巻く環境はこれから大きく変わる。次の50年を勝ち抜くために何をするべきか。まずいま最も強みを持つ金型事業の再強化だ。

ただ、資本力の巨大な海外企業と設備力の競争は簡単ではない。そこでウルトラハイテン向けやハイサイクルの金型など高度な金型の技術力をさらに磨き上げる。

さらに、これまでに培ったノウハウを詰め込んだデジタル技術を活かし、他社が追随できない金型の品質、時間、コストを実現する技術を構築し、海外企業との競争に打ち勝っていきたい。

その一方で、金型以外の新たな事業にも挑戦したい。金型一本足打法から脱却し活躍のフィールドを広げたい。

金型新聞 2022年2月10日

関連記事

ヤマト技研 設備投資、加工技術力を向上し、新規分野の加工ニーズに対応【Innovation〜革新に挑む〜vol.7】

プレス用金型の設計・製作を中心に事業を展開するヤマト技研。近年は金型のメンテナンスや部品加工なども手掛け、事業領域を拡大する。新規分野のニーズに対応するため、プレス成型解析や、同時5軸マシニングセンタ(MC)、5面門型M…

自律し、考える人材を【特集:自動車メーカーの金型づくり】

自動化と人材育成—。自動車産業に関わらず、あらゆる製造現場において共通の課題となっている。人手不足は深刻化しており、課題解消に自動化、省力化は欠かせない。いかに若手に技能を伝承していくかも喫緊の課題となっている。一方で、…

黒田製作所 工場新設、大型成形機導入 【特集:進む設備の大型化】

大型金型の需要に対応 プラスチック金型を手掛ける黒田製作所(岐阜県羽島郡岐南町、058・247・7423)は自動車向けの大型プラスチック金型に対応するため、本社そばに新工場を立ち上げ、UBEマシナリーの大型射出成形機「3…

図南鍛工 内製金型の生産性高め、鍛造10ラインに迅速供給【Innovation〜革新に挑む〜vol.9】

建設機械やトラックなどの熱間鍛造部品を手掛ける図南鍛工。鍛造10ラインを備え、最大200㎏の大物部品や深穴中空品など多様な鍛造製品を生産する。競争力の高いものづくりを実現するために金型も内製化。高性能な加工設備やMOLD…

ナカムラマジック、アモルファス合金を使ったステータコアを量産できる金型開発

外径Φ100mmのステータコアを一体加工、連続生産100万ショットを実現 プレス金型から加工までを手掛けるナカムラマジック(長野県上伊那郡、0265・79・3880)は、アモルファス(非晶質)合金を使用した外径Φ100m…

トピックス

関連サイト