金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

03

新聞購読のお申込み

日立ハイテク 切削精度向上サービスの提供を開始

たわみ補正をデジタル化

日立ハイテク(東京都港区、03-3504-7111)は今年4月、「切削精度向上サービス」の提供を開始した。熟練者の経験で行っていた主軸のたわみ補正をデジタル技術で代替する。同サービスにより属人化からの脱却、品質の安定化につなげる。

主軸の剛性値と工具の切削力を測定後、現状のNCデータや、素材形状などの情報をクラウドにアップする。クラウド上で、切削シミュレーションし、加工精度を高めた補正NCデータを出力。このデータは、主軸から工具のたわみに起因する誤差を相殺したパスにより、高精度な加工を実現する。

主軸とホルダから工具の突き出し部分を含めたたわみの補正を可能にした点が同サービスの強みだ。加工部位によって速度を変える「送り速度補正機能」と掛け合わせることで、加工精度を落とさずに加工時間の短縮も可能となる。

同社は加工誤差に影響を及ぼす要因として主軸の剛性に着目し、他社との差別化を図った。ビジネスインテグレーション本部の江藤昂平氏は、「主軸の剛性値を測定して、データ化するサービスは他にない」と話す。主軸の剛性に応じた補正NCデータの出力が可能となったことで、設備や人に依存しない安定した加工につながる。

運用するうえで初期投資の費用は主軸剛性測定が一台当たり約20万円+工具の切削力測定費(本数により個別見積)となる。クラウドサービスはサブスクリプションで利用でき、加工機契約台数、契約方法(月額もしくは年額)によって個別相談となる。

金型新聞 2022年8月10日

関連記事

IoT、AI 活用広がる    JIMTOF総集編

IoT、AI 活用広がる JIMTOF総集編

11月1日から6日間、東京ビッグサイト開かれた「日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」。最新の加工技術に加え、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)の活用など、ものづくりの未来を提示した。こうした最新…

【特集:技能レス5大テーマ】5.工具管理・測定

属人をシステム化へ ツール測定機や工具管理システムなどを展開するZOLLER Japanの焼きばめ装置搭載ツール測定機「redomatic」は、工具を取り付ける焼きばめ工程から工具測定までを自動かつ高精度で行い、安全で効…

高精度な金型加工に不可欠 ツール測定・管理

高精度に金型を加工するために不可欠なツールの測定や管理は従来、熟練技能者によって行われてきた。しかし人手不足や生産性向上を背景に、製造現場の自動化ニーズは高まっておりロボットを活用したツールプリセッタや機上測定などが登場…

武林製作所 マスクのほねが人気

息苦しくなく、メイク落ちない マスクの形を立体的に支えるマスクフレーム。歯ブラシのプラスチック金型メーカー、武林製作所(大阪府八尾市、072-998-1207)が開発した「マスクのほね」が人気だ。 一本のフレームで、不織…

自動で空間誤差を補正
三菱重工工作機械

金型クリアランス 調整が不要に  三菱重工工作機械が大形高精度加工機「MVR・Fx」に搭載できる「空間誤差補正システム」が注目を集めている。経年変化や環境温度変化で生じるXYZ位置の空間誤差を自動的に検知し校正するもので…

トピックス

関連サイト