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4年ぶりの工作機械見本市「JIMTOF2022」開幕 見どころをピックアップ

国内最大の工作機械展いよいよ開幕!!

世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」が11月8日から13日までの6日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する。主催は東京ビッグサイト、日本工作機械工業会。リアルでの開催は4年ぶり。工作機械や周辺機器、切削工具メーカーなど1086社が出展し、最先端の技術や最新製品を披露する。

JIMTOFは2年に一度開かれる工作機械見本市。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインのみでの開催となった。4年ぶりのリアル開催となる今回は従来の東京ビッグサイト東、西ホールに、2019年に新設された南ホールを加えた過去最大規模で開かれる。

東ホールには工作機械やソフトウエア、測定機器などが並び、西ホールには切削工具や研削砥石、機械要素部品などが展示される。南ホールでは特別展示として「AMエリア」が設置される。近年新しい製造技術として注目を集めるAM(Additive Manufacturing=付加製造)をテーマに、3Dプリンタや関連メーカーが出展する他、セミナーも開催される。

その他、カーボンニュートラルやデジタル化など昨今の製造現場でも関心度の高い話題をテーマにした講演会や、出展社による技術セミナーなども開かれる。

東、西、南ホールごとに見どころをピックアップした。

サブミクロンレベルの研削加工ができる

自動化やデジタル化はネクストステージへ 〜金型づくりを変える〜

工作機械・ソフトウェア

インラインで高精度な測定を実現する
5軸による自動化は進化している

JIMTOFの主役ともいえる工作機械が集まるのが東ホール。5軸マシニングセンタ(MC)や複合加工機、研削盤、放電加工機などあらゆる工作機械の最新機が出そろう。それらを支えるCAD/CAMなどソフトのほか、7ホールには測定の最新技術が登場する。

人手不足が加速する中で、東ホールは「自動化」が大きなテーマだ。ロボットや無人運転車(AGV)を活用した自動化はもはや当たり前。5軸MCや複合加工機活かした工程集約による効率化、ワーク、パレット、ツールなど加工課題に応じた自動化が紹介される。

車づくりが変化する中、金型に求められることも変化しつつある。「大型化や超精密化」も一つで、今回は大型部品を高精度に加工できる5軸MCや複合加工機などの大型機の機種の展示が目立つ。超精密加工では、ナノやサブミクロンクラスの加工ができるMCや研削盤などが出展される。

金型づくりでも欠かせなくなっている「脱炭素」への対応も見どころだ。機械動作時間のエネルギーの削減や、工程集約による加工時間の短縮、AIやデジタルツールを活用した省エネなど、様々なアプローチの脱炭素提案が見られる。

「デジタルツール」の進化も確認したい。AIで職人技をデジタル化したり、プログラム作成を自動生成したりするソフトなど、AIを活用した機械やソフトの進化は見どころだ。IoTを活用した稼働監視や遠隔サービスなどアプリケーションの進化や、デジタル上でリアルを再現してシミュレーションする「デジタルツイン」の現在地もチェックしたい。

東7ホールの測定分野の見どころの一つは「インライン対応」だ。製造ラインでも高精度な測定を実現する堅牢性やロバスト性といった耐環境性能の高い三次元測定機や、測定・検査データをすぐに製造ラインにフィードバックできるシステムや機器などが展示される。

自動化対応も見どころだ。ロボットなどの自動化装置と測定機器を組み合わせたシステムや、測定プログラムの作成を自動化するソフトウエアなどが紹介される。また、X線CT装置などといった新しい測定技術にも注目したい。

超精密向けの工具が多数展示される

高効率な加工と自動化対応でCO2も人手も減らす

切削工具・工作機器

ロボットを用いた自動化の提案にも注目

高度化する金型づくりには最新の工具や治具は欠かせない。西ホールには、最新の切削工具を中心に工作機器や環境機器などの周辺装置が出展されるので、その進化はみておきたい。

金型加工向けの切削工具で、出展が目立つのは「高硬度材対応の工具」。電動車などの次世代車の登場が背景にある。例えば、何万枚というプレスが必要なモータコア用の金型などで高硬度な材料が増えているためだ。こうしたニーズから、新素材やコーティングの開発が進み、HRC60以上の材料を効率よく削れるエンドミルやドリルが多数出展される。

「超精密向けの工具」の出展も多い。電動車などで精密な部品が増えており、これまで以上に高い鏡面性や微細精密な加工が求められているからだ。こうした要求が増えていることから、刃先径φ0.1㎜以下の小径エンドミルや、CBNやPCDなどで鏡面加工が可能な工具が出展される。

また、切削工具でも「脱炭素」提案が見られそう。高効率に精度よく加工できることで加工時間を抑えたり、刃先交換式工具を活用することで、二酸化炭素の排出量を減らしたりする提案が見られる。さらに、加工時における二酸化炭素排出量を数値化できるサービスなども紹介される予定だ。

工作機器では、生産性の向上や人手不足への対応で欠かせない自動化や省人化に対応する機器が多数出展される。その一つが「5軸加工対応」。ワンチャッキングで工程集約ができる5軸加工は、生産性の向上につながるため、金型加工でも導入が進んでいる。干渉の少ない構造のバイスやツーリング、把持力の高いチャックなどを出展される。

自動化に欠かせない「ロボットへの対応」も注目だ。多様なワークに対応したり、自動でクランプ・アンクランプできたり、ロボットを活用した自動化装置に組み込みやすい“ロボットフレンドリー”のチャックやバイスなどが展示される。バイスメーカーの中には測定機能を搭載したロボットハンドを展示するメーカーもある。

その他部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するIoTサービスも見られるなど、西ホールでは、工具や機器の進化はチェックしたい。

これまでにない造形が可能となる

大型化・材料の進化で適用領域拡がる 〜金型に期待の新技術〜

金属3Dプリンタ

材料も進化している
造形速度もアップ

プラスチックやダイカスト型で採用が広がる金属3Dプリンタによる金型づくり。南ホールに新設した「AMエリア」では、プリンタだけでなく、ソフトウェア、材料、周辺機器など金型向けのAM技術が出展されるので、その進化は確認したい。

様々なタイプのプリンタが出展されるが、金型づくりで広がりつつある、敷き詰めた粉末にレーザーを照射して積層していくPBF方式の新製品が多数出展される。これまで200㎜角ほどまでの小型サイズが主流だったが、今回は400㎜角を超える大型のプリンタが複数登場する。大型機では、造形スピードを早くしたり、造形品質を高めたりするため、複数のレーザーを搭載した機種が増えているのも特徴だ。

また、ワイヤや粉末にレーザーを照射しながら造形するDED方式の新機種も披露される。大型金型の補修や焼入れなどでの活用が期待される。

AM技術は装置だけでなく、材料や設計、造形環境など多くの知見が必要になるため、幅広い企業が出展する。中でも注目したいのが粉末材料の進化だ。金属3Dプリンタで広く使われてきたマルエージング鋼だけでなく、SKD相当材の材料が登場する。ダイカスト金型など適用領域の拡大が期待できる。また、銅やステンレス材など様々な粉末も見られるので、その適用事例なども確認したい。

AMではこれまでにない造形ができるため、設計ノウハウも切削加工とは異なる。トポロジーの最適化や、造形部を支えるサポート部を効率的に設計できるソフトなども出展される。

また、金属3Dプリンタでは、機内の温度や湿度を安定化させることも重要になる。造形環境を安定化させる装置など様々な周辺機器も出展される。

緒に就いたばかりの3Dプリンタによる金型づくりだが、将来は広がる可能性も高いので、その進化はチェックしておきたい。

開催概要
  • 会  期:2022年11月8日(火)~11月13日(日)
  • 開場時間:9:00~17:00(最終日は16:00まで)
  • 会  場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館
  • 主  催:日本工作機械工業会、東京ビッグサイト
  • 出展者数:1086社(10月11日時点)
  • 入場方法:招待券による入場と有料入場券による入場の2通り

金型新聞 2022年11月7日

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