金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

26

新聞購読のお申込み

3Dプリンタ活用を支援する研究開発拠点を開設 酒井仁史氏(NTTデータザムテクノロジーズCTO)【この人に聞く】

独EOS社の金属3Dプリンタの日本代理店を務めるNTTデータ ザムテクノロジーズ(XAM)。昨夏に、大阪市内に金属3Dプリンタ15台のほか、多様な検査装置を備えた「デジタルマニファクチャリングセンター(DMC)」を開設した。設計から造形までのプロセスや材料開発、品質保証までを支援し、3Dプリンタの活用のインキュベーションとしての機能を担う。「共創の場にしたい」という、酒井仁史CTOにDMC開設の狙いや導入の課題やAMの金型での現状などを聞いた。

さかい・ひとし
1978年生まれ、大阪府出身。ホンダ テクニカル カレッジ卒。2006年NTTデータ エンジニアリングシステムズ入社、20年AM事業部がNTTデータ NTT ザムテクノロジーズとして分社化、CTOに就任。

DMC開設の狙いは。

お客様と金属3Dプリンタの用途開発を広げる「共創の場」。お客様がどんな課題を持ち、何を造形したいか。それらを細かくお聞きし、プロセス開発や保証はどうすべきかなどを共に考え、最適解を提供する。プリンタを活用するための理解を深めて頂かないと広がっていかないからだ。

設備は。

3Dプリンタは金属15台、樹脂3台のほか、ラティス構造の設計や解析を利用した設計ができるエンジニアリングソフトなどをそろえた。プリンタでは、造形物の保証は欠かせないため、Ⅹ線を始め、多様な検査装置をそろえた。これも大きな特徴だと思う。これだけ多くのプリンタや検査装置があるので、必要なら受託加工も請け負う。

金型への適用の現在地をどう見るか。

様々な技術が進化し、自由な冷却水管の造形が可能になり、金型の冷却における課題の大半はクリアできる。今後はより高い冷却効果が必要なダイカスト型での需要がもっと広がるとみている。

課題はコスト。装置も材料も高く、導入は簡単ではない。また金型自体の保証が難しく、現時点では、専業メーカーの導入は中々難しいと思う。

コストを下げるには。

金型は表層部に切削加工が入るので、そこまで細かい設計は必要ない。しかし、逆に切削を入れづらい、冷却部は精度よく設計する必要がある。そうした使い分けでコストを下げることも一つ。

また、EOSはレーザーを4本搭載した「M400」という大型装置を発表した。単純に造形速度は4倍になる。レーザーの形状を最適化する技術なども登場し、高速化が進んでいるので、造形コストは下がっていく。

金型でもっと広がるか。

コストや保証の問題から、簡単ではないが、いずれ必要になる技術だと思う。ただ、導入前に技術、経営の両面から事業評価をしっかりしたほうがいい。DMCではそのサポートができるので、最大限活用して欲しい。

我々のビジョンは「AMをものづくりの当たり前にすること」。もっと、正しく、安く、造形ができ、金属3Dプリンタを当たり前の技術にできるようにサポートしていきたい。

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

「現場で活躍できる人材育て、学生の未来を後押しする」 大分県立工科短期大学校校長・䑓博治氏[鳥瞰蟻瞰]

入社したその日から金型づくりや保全の現場で活躍できる。当校の機械システム系金型エンジニアコースはそんな人材を育てています。アカデミックな指導はしません。指導するのはあくまで金型をつくり、使う実践の現場で必要な技術や知識で…

【新春特別インタビュー④】ツバメックス代表取締役・多田羅 晋由氏「緩やかな連携が進む、経営者は思考の変革を」

もっと広義な意味に 緩やかな連携が進む 経営者は思考の変革を 〜M&A・企業連携〜  1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、…

TMW 切削工具メーカーと挑む金型製造の効率化【Innovation〜革新に挑む〜vol.1】

自動車向け大型プラスチック射出成形用金型メーカーのTMWが、金型製造の効率化に向けた取り組みを進めている。販売代理店も務めるクランプシステムや、5軸加工に対応した最新の切削工具などを活用し、加工時間や段取り工数の短縮、5…

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

【この人に聞く】双葉電子工業精機事業センター長・ 河野透氏「ソフト・サービス分野へ拡大」

 双葉電子工業(千葉県茂原市、0475-24-1111)は昨年、2023年度(24年3月期)までの中期経営計画「Futaba Innovation Plan(フタバ・イノーベーション・プラン)2023」を策定した。金型用…

トピックス

関連サイト